30代で「夢のFIRE」に失敗。資産8000万円を失った投資家の教訓6選

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

FIREは多くの人が憧れるこのライフスタイルは、自由な時間と経済的なゆとりをもたらす魅力的な選択肢として以前は大注目を集めました。

現在でもFIREを目指す人たちは存在し続けています。

しかし、「自由」というその甘い響きの裏には、見落とされがちな落とし穴も潜んでいます。

そこで今回は、FIREの失敗例から教訓とすべきことを学んでいきましょう。

失敗から学ぶFIREの教訓

今回ご紹介するのは、35歳で8000万円を貯め、見事FIREを達成した男性です。

8000万円もの資産を貯めた方法は不明ですが、FIREに至りました。

しかし、その喜びは長くは続きませんでした。

資産の大部分を失い、現在はアルバイトを探しているといいます。

原因は、株価の大幅下落です。

8000万円もあったはずの資産は一気に減少し、生活が立ち行かなくなったのです。

彼の急激な変貌ぶりは、単なる運の悪さだけでは片付けられない、いくつかの明確な失敗要因を浮き彫りにしています。

この男性の経験から、FIREを目指す上で絶対に避けるべきこと、そして実践すべきことが明確に見えてきます。

「学ぶべき教訓」とは一体何だったのでしょうか?

1. 集中投資の危険性

この投資家の最大の失敗は、資産の大部分を特定の高リスク資産に集中投資していた点にあります。

彼のポートフォリオは、ARKK、QQQ、NASDAQレバに資産の8割を投じていました。

そして残りはビットコインと変動の激しい資産に偏っており、現金はほんのわずかしか保有していませんでした。

彼がこれらの資産に投資をし始めたのは、ちょうどコロナショック以降のこと。

正直に言うと、誰でも株を持っておけば資産がどんどん増えていく時期でした。

市場が好調な時は、集中投資は驚異的なスピードで資産を増やす原動力となります。

しかし、ひとたび市場が下落局面に入ると、そのリスクは一気に牙を剥きます。

特にグロース株や仮想通貨は、景気変動や市場のセンチメントに大きく左右されやすく、暴落時には想像を絶するような下落幅を記録することがあります。

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言は、まさにこの状況を言い当てています。

どんなに有望に見える資産でも、それに全財産を投じることは、極めて危険な行為なのです。

2. 分散投資の絶対的必要性

この投資家の失敗は、分散投資の重要性を改めて浮き彫りにしました。

予測不能な市場の変動に対応するためには、多様な資産に資金を分散させることが不可欠です。

特にFIRE後は資産を大幅に減らしてしまえば、生活の基盤を失うも同然です。

そのため、分散投資が推奨されます。

分散投資は個々の資産の値動きが相殺し合うことで、ポートフォリオ全体の変動幅を抑える効果があります。

具体的には、以下のような資産への分散が推奨されます。

  • 現金:緊急時の備えや、市場が暴落した際の買い増し資金として、十分な現金を確保しておくことは、精神的な安定にも繋がります。
  • 国債:比較的リスクが低く、安定したリターンが期待できるため、ポートフォリオの安定化に貢献します。
  • 高配当ETF:定期的なインカムゲイン(配当金)が得られるため、FIRE後の生活費の足しになります。
  • オルカン(全世界株式):世界中の企業に分散投資することで、特定の国や地域の経済状況に左右されるリスクを低減します。
  • 日本株、外国債券、金、リート(不動産投資信託):これらもまた、異なる特性を持つ資産であり、組み合わせることでポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。

これらの資産の分散投資することにより、市場の急な変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で資産を形成していくことが可能になります。

3. 現金比率の確保

この男性は、生活費のための現金が少なすぎたため、資産暴落時に底値で資産を取り崩さざるを得ない状況に追い込まれました。

これも精神的に大きな負担となり、冷静な判断を妨げた可能性があります。

FIRE後の生活において、例えば最低でも2年分の生活費を現金で確保しておくくらいがよいのではないでしょうか。

これにより、市場が一時的に低迷しても、焦って資産を売却することなく、回復を待つことができます。

また、予期せぬ出費や病気などの緊急事態にも対応できるため、精神的な安心感を得られる可能性もあります。

現金はインフレによって価値が目減りするリスクはありますが、資産暴落時のクッション材としては他に代えがたい存在です。

4. FIRE後の生活設計

FIREは単に「仕事からの解放」を意味するものではありません。

むしろ、自由になった時間をどのように使い、どのように生きるかという「生活設計」こそが、FIRE成功の鍵を握ります。

この男性は、FIRE後に趣味がない、社会との接点がないといった状況に陥り、孤独感や精神的な不安定さを感じた可能性があります。

事実、職場の人間関係について「面倒だったけど、なければないで寂しい」と語っています。

人間は社会的な生き物であり、他者との交流や何らかの役割を持つことは、精神的な健康を保つ上で不可欠です。

FIREを達成する前に、以下のような点を具体的に検討しておくとよいでしょう。

  • 新しい趣味や活動:仕事以外の情熱を傾けられるものを見つける。
  • 社会との接点:ボランティア活動、地域コミュニティへの参加、オンラインでの交流など、社会との繋がりを維持する方法を考える。
  • 学びの機会:新しいスキルを習得したり、興味のある分野を深く掘り下げたりする。
  • 人間関係の維持:家族や友人との時間を大切にする。

自由な時間を漫然と過ごすのではなく、能動的にデザインすることで、FIRE後の人生はより豊かで充実したものになります。

5. 「働く」ことの再評価

完全な無収入は、精神的な不安を招くことがあります。

どんなに資産があっても、「このまま減り続けたらどうしよう」という漠然とした不安は、FIRE生活の質を大きく低下させます。

そこで提案されるのが、週に数回のアルバイトや副業など、適度に働く「サイドFIRE」という選択肢です。

サイドFIREには以下のようなメリットが得られます。

  • 収入の確保:資産の取り崩しペースを緩め、精神的な余裕が生まれます。
  • 社会との接点:仕事を通じて他者と交流し、社会との繋がりを維持できます。
  • 自己肯定感:何らかの形で社会に貢献しているという実感は、自己肯定感を高めます。
  • 新しいスキルの習得:アルバイトや副業を通じて、これまで知らなかった世界に触れる機会が得られます。

FIREは必ずしも「完全に働かない」ことを意味するわけではありません。

この男性はFIRE生活に入った以上「働いたら負け」という意識を持っていたようです。

この意識が悲しいかな自分を追い込んでしまいました。

自分のペースで好きなことをしながら収入を得る「ゆるやかな働き方」は、FIRE後の人生をより安定させ、充実させるための現実的な選択肢となり得ます。

6. メンタルと柔軟性

この投資家の経験は、FIREが単なる「貯金ゲーム」ではなく、「メンタルゲーム」であることを示唆しています。

資産が減っていくのを目の当たりにするのは、想像以上にストレスがかかるものです。

特に、これまで順調に資産を増やしてきた人ほど、その精神的なダメージは大きいでしょう。

予期せぬ事態に対応できる柔軟性や適応力は、FIREを成功させる上で不可欠です。

市場の変動、予期せぬ出費、健康問題など、人生には様々な不確実性がつきものです。

それらに冷静に対処し、必要に応じて計画を修正できるしなやかさが求められます。

また、FIRE達成後も、定期的に自身の資産状況や生活設計を見直し、必要であれば軌道修正を行う勇気も必要です。

完璧な計画など存在せず、必ず想定外のことは起こります。

特に無自覚に訪れるのは「自分自身の嗜好の変化」です。

環境の変化や年齢を重ねることにより、自分のやりたかったことは変わっていくものです。

これらの変化に対応し、常に最善の選択を模索する姿勢が、長期的な成功に繋がります。

まとめ

以上『30代で「夢のFIRE」に失敗。資産8000万円を失った投資家の教訓6選』でした。

いかがでしたか?

最後にまとめです。

資産8000万円を失った投資家の教訓6選

1.集中投資の危険性
2.分散投資の絶対的必要性
3.現金比率の確保
4.FIRE後の生活設計
5.「働く」ことの再評価
6.メンタルと柔軟性

今回ご紹介した男性の事例は、FIREを夢見る人々に対し、資産形成だけでなく、その後の人生設計や精神的な準備の重要性を訴え、現実的な視点を持つことの必要性を強調しています。

FIREは、確かに魅力的な目標です。

しかし、その達成には、単にお金を貯めるだけでなく、リスク管理、多様な資産への分散、十分な現金確保、そして何よりもFIRE後の人生をどう生きるかという明確なビジョンが必要です。

今回の教訓を胸に刻み、現実を見据えた上で、目標達成のために着実に進んでいきましょう。

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