老後に必要なお金を貯めるため資産運用の前にやるべきこと

毎月赤字の共働き夫婦、老後資金を貯める前にすべきこと』という記事を読みました。

家計相談シリーズです。

相談内容は以下のとおり。

40代の共働き夫婦です。今まで、共通の固定費や変動費は一つのお財布で管理し、残りの部分は夫婦それぞれのお小遣いから管理をしていました。

子どもが大きくなるにつれ、教育費を貯めていかなければいけないのですが、毎月の収支が赤字で貯蓄がうまくできません。

自分たちの老後資金のために資産運用も始めたいのですが、どのくらいを目標に進めていけば良いでしょうか。

出ました、毎月赤字の家計。

それなのに資産運用も始めたいとのこと。

毎月赤字なのに資産運用を始めるのは、ちと早くありませんか?

それにしても、家計のどこに問題があるのでしょうか?

早速家計の中身を見ていくことにしましょう。

老後に必要なお金を貯めたいのに毎月赤字の家計とは?

まずは相談者のプロフィールおよび収入はこちら。

・男性、45歳、既婚(妻:42歳・パート)、子ども2人(7歳・3歳)
・職業:会社員
・手取り月収:44万円
 夫:24万円
 妻:20万円
・手取り年間ボーナス:夫130万円
・預貯金:800万円
・学資保険(積立中):それぞれ15歳時点で200万円と140万円

手取り月収が44万円、プラスしてボーナスが130万円あります。

夫婦一人一人では決して多いとは言えない収入ではありますが、二人合わせればそこそこといった状況です。

預貯金も800万円あって、別途学資保険も積み立てている。

しかし、毎月赤字。

これだと保険の意味がないですよね。

で、問題の支出の内訳がこちら。

【家計の内訳(約46.3万円)】
・住宅費:13万円(持ち家、ローン残期間21年)
・保険:1.3万円(妻:積立型の個人年金保険)
 ※夫:2.2万円は給与天引き
・教養・教育費:6万円+年間で15万円程
・通信費:2.5万円(携帯×2、自宅回線など)
・食費:5万円(外食、お水代含む)
・水道光熱費:2万円
・日用品:1万円
・趣味・娯楽費:年間50万円程(旅行代や帰省代)
・衣服・美容費:1万円+年間30万円程
・健康・医療費:0.5万円
・お小遣い:夫5万円、妻5万円
・その他:4万円

 
 

老後に必要なお金を貯めるための問題点

家計の内訳を見たところ、支出が多いと感じる費目がいくつかあります。

支出の多い費目を一つずつ見ていきましょう。
 

その1 教養・教育費をかけすぎている

やはり目に付くのは、毎月6万円かけている教養・教育費です。

この内訳が気になるところ。

もし習い事なのであれば、一部をやめましょう。

子どもにかけるお金は聖域になりがち。

本当に必要な習い事などは何か、冷静に見極めるべきです。
 
 

その2 趣味・娯楽費の支出が多すぎる

これもありがちな支出になりますが、趣味や娯楽への支出が多すぎます。

旅行などで年間50万円はなかなかの支出です。

回数の問題なのか1回あたりにかける金額の問題なのか分からないのですが、削減の余地があることは間違いありません。
 
 

その3 衣服・美容費の支出が多すぎる

衣服に関する支出は、僕の感覚でいくと、徐々に減っていっても良い気がします。

ある程度の服は所有していますので。

だから、改めて買わなければいけない機会というのは減るはずなのです。

しかし、これだけの費用をかけているというのはどういう理由からなのか。

子どもの分も含まれているにしても、多すぎる感は否めません。

詳細な内訳が分かりませんが、削減することが十分可能な費目です。
 
 

その4 通信費が高すぎる

通信費はその金額から、スマホの料金で1台あたり1万円近くになっているのではないかと思われます。

UQモバイルLINEモバイルといった格安スマホなら、通信費は3千円前後まで削減できます。

よって、格安スマホに乗り換えるだけで大幅な支出減が見込まれます。
 
 

その5 二人のお小遣いが多すぎる

これだけの支出がありながら、さらに夫婦二人で合計10万円のお小遣いを使っています。

一体何に使っているのでしょうか?

詳細な内訳は分かりませんが、不要な支出の可能性もあります。

内容次第ではありますが、削減できる余地は十分にあると考えられます。
 
 

老後に必要なお金を貯めるために資産運用の前にやるべきこととは?

ここまでの指摘でお気づきになりましたか?

老後に必要なお金を貯めるためにやるべきことというのは、資産運用ではありません。

それは、現時点での支出の見直しです。

厳密に言えば、支出の縮小です。

支出を縮小しておかなければ、いくら老後資金を貯めたとしても、老後資金が底を突くリスクがあります。

一定額の年金は受け取ることはできますが、支出が大きければ、年金だけでまかなうことは不可能でしょう。

老後資金を資産運用で作ろうという考え方をするのではなく、支出を減らして極力年金でやりくりできるようにすることを考えるべきなのです。
 
 

まとめ

以上いかがでしたでしょうか?

老後に必要なお金を貯めるためには、資産運用の前に支出を見直さなければならないということについて、ご理解いただけましたでしょうか?

支出を削減することができれば、自ずとお金が貯まってくるはずです。

その資金を元手に資産運用を行いましょう。

ただし、当然リスクもありますから、運用の方法は考えなければなりません。

できれば、確実に残しておきたい老後資金は運用には回さず、余剰資金のみを運用に回すのがベスト。

また、老後資金を増やすことを目的にするのであれば、節税効果もあるiDeCoを利用するのがよいのではないでしょうか。