45歳以上の早期退職者を募るニュースを見ると切なくなる
どうも。『毎日が祝日』いわいです。
先日、サッポロホールディングスが勤続10年以上かつ45歳以上の約900人の社員を対象に早期退職優遇制度を実施すると発表しました。
昨年あたりからこの手のニュースが増えているような気がしてなりません。
実際に早期退職を募った企業はどの会社だったのか振り返ってみましょう。
数多の大企業が早期退職を募り始めている
2019年以降に早期退職を募集した会社について調べてみました。
以下すべてではありませんが、代表的な企業名を並べていきます。
・東芝
・ジャパンディスプレイ
・LIXILグループ
・ファミリーマート
・ノーリツ
・オンキヨー
・ルネサスエレクトロニクス
・コカ・コーラボトラーズジャパンHD
・協和発酵キリン
・アステラス製薬
・中外製薬
・エーザイ
・カシオ計算機
・アルペン
・富士通
・味の素
・日産自動車
・ラオックス
ちゃんと調べればもっと多いのですが、とりあえずこの辺りにしておきます。
なかなかの有名どころが並んでいます。
2019年から何か以前のリストラとは毛色が変わり始めたように感じているのは私だけでしょうか?
リストラとか早期退職というのは、業績が悪い会社が行うものというイメージでした。
しかし、ここ最近では業績が黒字であっても人員整理に踏み切っている企業が増えてきているように思います。
企業がリストラに励む理由
なぜ企業は特に中高年をターゲットにしてリストラを行うのでしょうか?
以下4つの理由を挙げてみました。
1.景気の見通しが悪い
まずは景気の見通しが悪いことが挙げられます。
企業の景況感はアベノミクス以来最低を更新しています。
景気は良いとされてきましたが、企業は景気が良いどころか悪くなっていると感じているのでしょう。
ここからさらに苦しくなっていくのは目に見えているでしょうから、悪くなってから手を打つのではなく、先行して手を打っておこうということで人件費削減に着手していると見ることができます。
2.バブル入社世代の人件費が重荷になっている
2つめはバブル入社世代の人件費が重荷になっていることです。
やはり人数が多く、そこそこの給与を得ている「バブル世代」が一定の年齢に達したことで、企業の負担が大きくなっていることは想像できます。
しかもAI化・デジタル化といった時代の流れについていけない人たちも多く存在していそうです。
それならば、現場の最前線で戦うことのできる若い人たちを活かすほうがよいに決まっています。
バブル世代は「使えない高給取り」のレッテルを貼られてしまい、会社の足手まといになる世代として一括りで見られてしまうのも仕方のないことなのかもしれません。
3.簡単に収益を改善できる
3つめは簡単に収益を改善できることです。
新たな収益を得るため投資・開発に費用を充てることは、企業活動としては当然のこととはいえ、結果が出るまで時間がかかります。
また、投資した結果、それに見合うリターンが得られるかどうか分からないというリスクもあります。
それに比べて人員削減はカットする人数の分だけ人件費が削減されるわけですから、すぐに分かりやすい結果が出ます。
将来のプラスを生み出す施策ではなく現在のマイナスをカットする施策ですから、経営者としての資質には疑問を感じざるを得ませんが、手っ取り早く改善できる手法ですから多くの企業が着手するのも頷けます。
4.時代の変化でリストラしやすくなった
時代の変化も大きいと思います。
令和になったというのは時代の転換点として非常に分かりやすいです。
改元をきっかけにして経営を変えていく節目となる大義名分となりやすいかもしれません。
そして株主への利益還元のための意識が強くなりつつあることです。
以前の日本は「企業は社員のもの」だったのでしょうが、今は「企業は株主のもの」という考えに変わってきています。
経営側が収益構造の改善を名目にリストラを掲げてしまえば、株主には理解を得られやすいでしょうし、社員は文句も言えないでしょう。
45歳は「バブル世代」ではない
45歳以上を対象とした早期退職や人員整理の話題が出るにつれ、切なくなります。
理由は私が45歳だから。
他人事ではありません。
現在の私のマネープランは47歳半ばまで働き、最低限5000万円の資産を構築することが大前提となっています。
もしここで首を切られるようなことがあれば、間違いなくマネープランに狂いが生じます。
もちろんすでに4000万円以上の資産がありますから、今すぐに苦境に立たされるわけではありません。
むしろセミリタイアに踏み切るきっかけになる可能性すらあります。
それでもやはり不安は不安です。
ここで個人的に声を大にして言っておきたいことが1つだけあります。
それは、「45歳はバブル世代ではない」ということです。
45歳の世代は大学受験が史上最高倍率とも言える世代でした。
大学進学を希望しても、実際に進学できるのはおよそ半数。
現在の9割以上は大学に進学できるような時代よりはるかに狭き門でした。
しかし、その狭き門を潜り抜けた翌年にバブル崩壊。
就職戦線に異常が発生し、求人倍率が急落。
のちに「就職氷河期」と呼ばれ始める初期の年になっていくことになるのです。
そんな苦しい時代をなんとか生き残ってきたはずなのに、さらなる仕打ちが待っているとは思いもしませんでした。
45歳はバブル世代ではないというのは声を大にして言っておきたいです。
政府は70歳まで働いてほしいのでは?
企業が45歳以上を対象にリストラを進める一方で、政府は別の動きをしています。
政府は希望者が70歳まで働ける環境を整える動きを取り始めています。
現在の法案は努力義務となっていますが、将来的には義務化するかもしれません。
将来「70歳定年」が当たり前の世の中になるのかもしれません。
しかし、政府の思惑とは裏腹に、企業は45歳以上のリストラを敢行しています。
ここには高齢者の就労機会の確保を推し進めたい政府と、一定年齢以上の社員はカットして負担を減らしたい企業という対立構図が見えてきます。
ここ最近の45歳以上のリストラが加速する社会を見ていると、「70歳定年」など夢のまた夢で、実質的には「45歳定年」の時代が迫っているのではないかとすら感じます。
私の個人的な見解から言わせてもらうと、50歳を過ぎたら今の会社にいてはならない、辞めなければならないとさえ感じています。
自分がまさかそのような感覚に襲われるとは、つい最近まで思いもしませんでした。
支出を抑え、貯金し、いつでもセミリタイアできる準備を
それでも私の場合は、世の中の45歳に比べたらまだマシなほうに含まれるのかなと感じています。
1つは、今の会社が人手不足にあえいでおり、私もプレイングマネージャーとして最前線で戦い、戦力の一部としてみなされていることです。
そのため、今日明日いきなり会社を辞めてほしいと肩を叩かれる可能性は低いと思っています。
2つめは、すでに約4300万円の資産を抱えていること。
これだけの資産があれば、明日クビになっても、しばらくの間はなんとかやっていけます。
いや、何とかやっていけるどころの騒ぎではありません。
仮に無収入だったとしても年間支出を200万円に抑えれば、20年暮らすことができますから、20年後には年金収入を得ることができるようになります。
年金額は少ないでしょうから、人生逃げ切れるとは思いませんが、かなり有利な立場にいることは間違いありません。
3つめは、最悪の場合は実家に帰れることです。
年金生活の両親が健在ですので、実家に転がり込めば家賃または住宅費という人生最大の支出を回避することができます。
すると先ほどの4300万円の資産寿命を延ばすことができますので、この場合は逃げ切れる公算も強まってきます。
このように見ていくと、一定年齢を超えた人は以下の対策を講じておく必要がありそうです。
1.マネジメント能力よりも現場力を磨いておく
2.徹底した節約により最低でも2000万円以上の資産を築いておく
3.利用できるもの(人・制度など)は最大限利用する
まとめ
以上『45歳以上の早期退職者を募るニュースを見ると切なくなる』でした。
いかがでしたか?
45歳になって思うことは、45歳までに4000万円以上の資産を築いておいて正解だったということです。
就職氷河期世代でも幸運に包まれた人生を送ることができていたのだなと実感します。
あとは無事自分のプランどおりに5000万円を貯め、そしてセミリタイアへ踏み切りたいものです。