資産7000万でFIRE(セミリタイア)するな。断念すべき7つの罠
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
私は資産7000万円を達成しましたが、現時点ではあえてFIREを見送ることに決めました。
世の中には同じ資産額でリタイアに踏み切る人も多くいますが、当事者として状況を整理した結果、私にとっては無視できない問題がいくつか見えてきたためです。
そこで今回は51歳の私が、自由を目前にしながら会社員を続ける道を選んだ理由を「7つの罠」としてまとめました。
個人の価値観や状況による判断の違いを含め、長きに渡る資産形成の先に待っていた現実をご紹介していきます。
早期リタイア・FIREを目指して資産形成に励んでいる方や、十分な資産を築きながらも将来の不透明さに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
資産7000万円FIREに肯定的な意見
ネット上を眺めていると、金融資産7000万円ともなると、さすがにFIRE(セミリタイア)に対して、肯定的な意見が増加し始めます。
実際にFIREに踏み切ったという声もちらほら見かけます。
7000万円でのFIREに肯定的な意見としては、主に「4%ルール」に基づいた資産の維持可能性を根拠としています。
7000万円を年利4%で運用しながら取り崩すと、年間280万円、月額換算で約23.3万円、税引き後で18.6万円が得られます。
この金額は独身者の平均的な生活費を賄うのに十分な水準です。
資産形成の過程で身につけた高い支出抑制能力をそのまま維持できれば、生涯に渡り資金を枯渇させないことも可能です。
投資対象としてはオルカンやS&P500を選択すれば、過去のデータ上はFIREが可能なリターンを得られ続ける計算にはなるようです。
また、フルFIREをせずとも、サイドFIREを選択し、月5万〜10万円程度の労働を組み合わせた場合、資産枯渇のリスクはほぼゼロに近づきます。
資産7000万円FIREは断念すべき7つの罠
このような肯定的な意見に対し、資産7000万円FIREに対して否定的な意見も見られました。
そして、私自身もFIREは断念する結論を下しています。
では、ここから資産7000万円でのFIRE(セミリタイア)は断念すべきと判断した理由を、いろいろな側面からご紹介していきます。
1.インフレリスク
資産7000万円FIREは断念すべき罠1つ目は「インフレリスク」です。
将来の物価上昇を一定率で織り込んだシミュレーションを作成し、計算上は生活が成り立つ見通しが立っていても、現実のインフレが想定を上回る可能性は否定できません。
私自身、物価上昇を考慮した計画を立てており、数値上は目標をクリアできそうな状況にありますが、実際の生活において想定以上の物価高騰が起きた場合の不安を払拭しきれない面があります。
数十年におよぶ長期のリタイア生活では、光熱費や食料品などの急激な値上げによって、当初の取り崩し予定額では不足が生じる事態も考えられます。
予測困難な外部要因により、あらかじめ立てた資金計画の前提条件が崩れるリスクが存在します。
2.資産運用の恐怖
資産7000万円FIREは断念すべき罠2つ目は「資産運用の恐怖」です。
7000万円という資産額をすべて投資に回して運用益を得るシミュレーションを立てる場合がありますが、実際には生活防衛費や数年分の生活費を現預金で確保しておく必要があります。
保有資産のうち現預金の割合が高まれば、その分だけ期待できる運用収益は低下し、当初想定していた利回りでの生活が難しくなります。
また、株式市場などは常に暴落のリスクと隣り合わせであり、無職の状態で資産が大きく目減りする局面を想定しなければなりません。
数千万円単位の資産が短期間で損なわれる状況において、精神的な平穏を保ちながら取り崩しを続けることは容易ではありません。
運用環境の悪化が生活基盤を直撃する可能性を考慮する必要があります。
3.社会保障制度・税制の変化
資産7000万円FIREは断念すべき罠3つ目は「社会保障制度・税制の変化」です。
会社員時代は健康保険や厚生年金の保険料を会社が半分負担していますが、退職後はその恩恵がなくなります。
健康保険の任意継続は最長2年間に限られ、その後の国民健康保険も含め全額が自己負担となります。
また、厚生年金の加入期間が短縮されることで、将来受給する老齢厚生年金の額は、定年まで勤め続けた場合と比較して減少します。
さらに、今後の社会情勢により、医療費の自己負担増額や、金融所得課税・消費税の税率アップなど、生活に直接影響する制度改革が行われる可能性も否定できません。
こうした固定費の増大や受給額の減少は現時点では不確定な部分が多いため、資金計画が将来に渡り維持し続けられる可能性は未知数と言わざるを得ません。
4.住居の問題
資産7000万円FIREは断念すべき罠4つ目は「住居の問題」です。
運用益で生活をまかなう計画において、住居費は最大の固定費となります。
賃貸住まいの場合は毎月の家賃負担が長期にわたって家計を圧迫し続け、特に高齢期においては、安定した労働収入がない状態での入居審査が厳しくなる傾向があるため、住み替えが困難になるリスクも否定できません。
持ち家の場合でも、固定資産税や建物の維持管理には継続的な資金が必要となります。
私自身、将来的に地方で安価な住宅を購入することを検討していますが、たとえ低価格な物件であっても、現金一括で購入すれば運用に回せる原資がその分だけ減少します。
資産7000万円から住宅購入費を差し引いた残額で、数十年の生活費を捻出し続けることの難しさを考慮する必要があります。
5.家族という変数
資産7000万円FIREは断念すべき罠5つ目は「家族という変数」です。
独身の状態であれば支出のコントロールは比較的容易ですが、家族がいる世帯では教育費という大きな変動要素が存在します。
子供の成長に伴い、進学や習い事などで多額の資金が必要となり、資産7000万円の運用益だけでは賄いきれなくなるリスクを考慮しなければなりません。
また、自身の家族だけでなく、親の介護に関する問題も避けては通れません。
将来的に介護サービスの利用や施設への入居が必要となった際、当初のシミュレーションには含まれていなかった突発的な支出が重なる可能性があります。
私自身も、親の介護費用を公的扶助だけで補えない事態が発生した際の経済的な負担について、拭いきれない不安を抱えています。
予測困難な家族の状況変化によって、あらかじめ立てた資金計画が根底から覆る可能性が存在します。
6.労働収入の喪失
資産7000万円FIREは断念すべき罠6つ目は「労働収入の喪失」です。
完全な不労所得のみで生活するフルFIREではなく、不足分を労働で補うサイドFIREは現実的な選択肢となります。
しかし、リタイア後に自分にとって都合の良い条件や内容の働き口が容易に見つかるとは限りません。
特に年齢を重ねてから再就職を試みる場合や、求人の限られる地方での生活を想定している場合、希望する職種や収入を得ることは困難になります。
現役時代のような専門性を活かした働き方ができず、心身に負担のかかる単純労働を選択せざるを得ない状況も考えられます。
資産7000万円を原資とした計画において、一定の労働収入を前提に組み込んでいる場合、就労環境の悪化やミスマッチによって資金計画の前提が崩れるリスクがあります。
7.孤独と自己実現
資産7000万円FIREは断念すべき罠7つ目は「孤独と自己実現」です。
仕事という社会との接点を失うことで、他者との関わりが極端に減少し、強い孤独感にさいなまれるリスクがあります。
現役時代は忙しさから解放されたいと願っていても、いざ自由な時間を手に入れると、日々やるべきことが見当たらない「暇」を持て余す事態に直面します。
私自身、ブログやYouTubeでの発信活動を通じて自己実現を図っていますが、それらの活動も他者からの反応や社会的な意義を感じられなければ、継続的な意欲を保つことは容易ではありません。
目標としていた資産額を達成した後に、何のために生活しているのかという目的を見失い、精神的な虚無感に陥る可能性があります。
資産7000万円という数字の達成だけでは、リタイア後の長い人生における心の充実までを担保できないという側面を考慮する必要があります。
私の下した「セミリタイアしない」決断
資産7000万円という節目を迎え、完全リタイアは当然ながら、セミリタイア(サイドFIRE)も見送りました。
これは、物価高騰や将来の住宅購入、親の介護といった予測困難なリスクに対して、経済的な安定を維持・優先するためです。
私の運用資産は2000万円しかなく、預金を取り崩し、運用資産の比率を高めていく選択は、安定を志向する私にはあり得ません。
また、資産運用については、今後も労働収入を得て新NISAの1800万円の枠を埋めてからリタイアするほうが資産効率がよいと考えています。
そして、運用益のみに依存せず、労働収入を得ることで資産の目減りを抑制することを想定していますが、収入源の一つであるYoutubeの副収入は生活を維持するには不十分過ぎます。
よって、現時点より資産を上乗せし、経済的な余力を増したほうが今後のセミリタイア実現に向け、精神的な平穏を維持できる最適解であると判断しました。
FIREはどう判断すべきか?
では、私以外の皆さんはどう判断すべきでしょうか?
検討に際しては、個々の置かれた環境やリスク耐性を冷静に分析する必要があります。
独身か家族持ちか、住居を賃貸とするか購入するか、運用資産の割合は何%まで高められるのか、配偶者の同意があるかといった各種事項の整理は不可欠です。
また、完全リタイアで労働を断つのか、セミリタイア(サイドFIRE)として社会と関わり続けるのか、自身の価値観に基づいた選択が求められます。
そこには、経済的な判断に加え「どのような人生を送りたいか」という視点を持つ必要があります。
机上の計算による資金面のリスク分析も無視できませんが、たった一度の人生を後悔なく生きるためには、最終的には自らの選択を信じて踏み出す勇気が重要になります。
まとめ
以上『資産7000万でFIRE(セミリタイア)するな。断念すべき7つの罠』でした。
いかがでしたか?
最後にまとめです。
1.インフレリスク
2.資産運用の恐怖
3.社会保障制度・税制の変化
4.住居の問題
5.家族という変数
6.労働収入の喪失
7.孤独と自己実現
金融資産7000万円でのセミリタイアを見送る判断は、慎重すぎると捉えられるかもしれません。
何なら「早期リタイアなど辞めておけ」と言われるかもしれません。
しかし、私の目標は早期リタイアを実現し、人生の最期まで生活の安定を維持することです。
リタイア後の生活を資産の取り崩しだけに頼らないよう、会社員という立場のうちに副業を育成し、住居に関する課題を解決しておく必要があります。
自分自身が納得できるまで戦略的に資産を積み上げることも、一つの有効な選択肢であると考えます。
あなたも、勢いだけで判断するのではなく、理想とする生活の実現と将来に渡る安心のバランスを考慮して、これからの人生プランを決定すべきです。
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