なぜ先取り貯金していて赤字になる?先取り貯金ができない理由6選

2018年11月10日

 今日はネットで見かけたこちらの記事から。

 貯金という行為は、どうも人にとっては損失と感じる行動のようです。

 これについて、行動経済学者シェロモ・ベナルチという人が話している興味深い内容が紹介されています。 

リンゴ1個だけを与えられたサルの群れAは満足して喜んでいるが、リンゴ2個を与えてから1個奪われたサルの群れBはとても怒っている。結果が同じにも関わらず、だ。

 なるほど。

 これは、まさに貯金ができない人に例えることのできる話です。

 例えば、給料が30万円振り込まれたとすると、給料を受け取った人は、その30万円で何をしようかと考えるということです。

 仮に貯金が将来のために大事なことだと分かっていても、現在自分の手元にある30万円でどう楽しむかを考えてしまうものなのでしょう。

 行動経済学的に人間がそう考えてしまうのであれば、30万円を使いきらないようにする対策は一つです。

 それは、30万円ももらわないということです。

 すなわち、「先取り貯金」です。

 貯金できない人への貯金方法のアドバイスとして、必ずと言っていいほど紹介される方法です。

 なぜ、この方法が良いのかも、行動経済学的に説明できます。

 例えば、最初から5万円は別口座に移動させるようにして、自分の給料は25万円しかないように見せかければよいのです。

 25万円しか給料がなければ、25万円の範疇で生活するようになります。

 すると、5万円の貯金ができます。

 それが毎月積み重なっていくと、いつのまにか貯金が大きな金額になっているのです。

 ただし、5万円が別口座にあるということは確実に認識できていますから、完全に5万円を無意識のものにすることは不可能です。

 ですから、残念ながら最も良い貯金方法とされる先取り貯金ができない人が出てくるわけです。

 では、先取り貯金に失敗してしまう理由とは一体どのようなものなのでしょうか?

先取り貯金ができない理由その1 自分の支出を把握できていない

 
 先取り貯金であろうとなかろうと、貯金ができる仕組みは極めて簡単です。

 それは、「貯金=収入-支出」という数式です。

 要は、収入から支出を引いたその差額が貯金になります。

 ですから、支出を収入以下に抑えれば、貯金が発生します。

 ところが、先取り貯金を始めると、収入が下がります。

 実際には収入は下がっていませんが、自動的に一定金額が別口座に移りますから、収入が減ったような状態になります。

 ここが先ほどの、リンゴを2個もらってから1個とられたサルのような感じです。

 収入が減るわけですから、支出も減らさなくては貯金することはできません。

 ただ、ここで問題が生じてきます。

 得てして貯金ができない人は、自分の支出を把握していません。

 それぞれの費目で毎月だいたいいくら使っているのか、よくわかっていません。

 ですから、自分では支出を減らしていたつもりでも、気づいたらお金が足りなくなり、結局は貯金を取り崩すといった事態に陥るのです。

 これではお金が貯まるわけがありません。

 対策としては、支出を把握するのみです。

 レシートは必ずもらう。

 レシートをもらえない買い物はしない。

 家計簿をつける。

 家計簿アプリでもOK。

 クレジットカードや電子マネーの明細をチェックする。

 明細に残すため、現金決済はやめて、全部クレジットカード払いにする。

 支出把握の方法は、いくらでもあります。

 自分に最も適した方法てやってみましょう。

 何にお金をいくら使っているということが分かれば、自ずと削るポイントも見えてくるはずです。

 支出把握が苦手な人は、特に500円以下の小さな支払いに注意した方がよいでしょう。

 油断しやすい金額にもかかわらず、これが積み重なると、意外に大きな金額になっていたりすることがあるからです。

 また、こういう金額の買い物こそ、レシートをもらわなかったり、記憶に残らなかったりします。

 だから「いつのまにかお金がなくなっている」とか「何にお金を使っているか分からない」という状態に陥りやすいのです。
 
 

先取り貯金ができない理由その2 目標が高すぎる

 「先取り貯金」を始めるぞ!

 と気合いを入れて、始めてみたものの、結局お金が足りなくなり、貯金を取り崩してしまう。

 なぜそんな状態に落ちってしまったのか?

 よくよく聞いてみれば、「積み立てた金額、いくらなんでも高すぎやしませんか?」というのが2つめのパターン。

 気持ちは分かります。

 気持ちは分かるんですが、現実も見なければいけません。

 例えば、給料を25万円もらっている人が、いきなり毎月10万円の先取り貯金をして、15万円で生活しなければならなくなったらどうなるか?

 もし、何の問題もなく生活し続けることができたとしたら、その人、そもそも先取り貯金をしなくてもいい人です。

 大半の人は、立ち行かなくなるのではないでしょうか。

 収入がいきなりそれまでの6割に減ったら、相当な支出の削減をしなければならないはずです。

 無理はいけません。

 繰り返しますが、気持ちは分かります。

 しかし、先取り貯金で大事なことは、積み重ねです。

 毎月毎月、無意識のうちに「少なくなった収入の中で生活できている」という、いわば”成功体験”を積み重ねていくことが大事なのです。

 その積み重ねが、将来の大きな貯金額を産むことになるわけです。

 ですから、先取り貯金を始めるときには、少し頑張らないといけない、という程度の金額設定から始めるのがよいのではないでしょうか。
 
 

先取り貯金ができない理由その3 収入が少なすぎる

 先取り貯金がうまくいかない。

 次なる理由は、そもそも収入が少なすぎるというものです。

 「毎月13万円しか収入がありません」

 僕はそういう人には先取り貯金をお勧めしません。

 先取り貯金は、あくまで一定額の収入を「無かったもの」として捉える貯金法です。

 これが、元々収入の少ない人ですと、ただでさえ収入が少ないところに加えて、さらに無かったものとしなければなりません。

 生活が決して楽ではないところに、追い打ちをかけるようなことになりかねません。

 ですから、収入が少なすぎる人にとっては、先取り貯金はあまり向いていない貯金法だと言えます。

 収入が少ない人はどうすればよいのかというと、僕の思いつく限り、収入を増やす努力をするしかないと思います。

 転職が一番です。
 
  

先取り貯金ができない理由その4 我慢ができない

 「先取り貯金を始めたから、支出を減らさなきゃ!」

 前向きな気持ちで始めてはみたものの、ついつい欲しいものに手を伸ばしてしまい、結局支出を減らすことができず、先取り貯金に失敗した。

 そんな人もいるのではないでしょうか。

 先取り貯金は、一部の収入を無かったものとして行いますから、それまでと同じ消費行動をとっていては、失敗する可能性が極めて高くなります。

 ですから、支出を抑えようという気持ちはある。

 ただ、いざとなると、どうしても買い物をしてしまい、結局支出を減らすことができない。

 こういう場合は、固定費の削減に取り組みましょう。

 一人暮らしをしているなら、家賃の安い部屋へ引っ越すとか、家賃交渉をする。

 通信費を安く抑えるため、契約プランを見直したり、格安スマホに乗り換える。

 スポーツジムやネットショップのプレミアム会員のような毎月の定額サービスをやめる。

 知り合いを通じて入ってしまった保険をやめる。

 などなど、固定費を削減する方法もさまざまです。

 自分の支出で見直せるところを見つけて、一気に削減してしまいましょう。

 次は、食費や交際費、被服費、娯楽費といった変動費が対象となってくるでしょう。

 自分の趣味・嗜好に合わせ、優先順位をつけて削減に取り組んでみてください。

 あとは、断捨離。

 自分にとって、本当は不要なものを見つけることができます。

 不要と分かれば、それにお金を使うことはなくなります。
  
 

先取り貯金ができない理由その5 油断している

 「先取り貯金をやっているから、うちは大丈夫」

 先取り貯金をしているという事実に安心してしまい、あまり支出を減らさないパターン。

 意外と多いみたいです。

 そんな気持ちで先取り貯金をやっても、うまくいきません。

 このパターンの人は、「先取り貯金」が「残りの収入でやりくりする」という貯金法である認識が薄いので、もしお金が足りなくなったら、貯金を取り崩すことになります。

 貯金を取り崩してしまえば、先取りしている意味がありません。

 先取り貯金は、一部の収入は無かったものとして捉えるという方法であることを見落としています。

 ですから、この手のパターンだと、支出が減りませんから厄介です。

 先取り貯金の意味を正しく捉え、「残りの収入でやりくりするために、支出を減らさないといけない」という認識をもってもらうしかありません。

先取り貯金ができない理由その6 本気で貯金しようと思っていない

 先取り貯金とは、先に一部のお金を別口座に移して、残りのお金で生活していくことでお金を貯めていくという手法です。

 ですから、残りのお金で生活しようと思い、行動しなければ、お金が貯まることはありません。

 したがって、先取り貯金ができない理由として最後に考えられることは、そもそも「本気で貯金しようと思っていない」ということが挙げられます。

 自動積立や財形貯蓄をやれと言われたからやっているだけで、残りの収入の範疇に支出を抑えようとしていなければ、貯金なんてできるわけがありません。

 貯金は一発大逆転を狙うような大勝負ではなく、地道にコツコツと積み重ねていかなければならない長期戦です。

 本気でマインドを変えなければ、先取り貯金ができないという体質も変わることはないでしょう。
  
 

まとめ

 以上いかがでしたでしょうか?

 先取り貯金ができない人は、心当たりがありましたか?

 僕自身の経験もあり、先取り貯金は貯金の方法としては最も良いものだと思っています。

 成功のポイントは、記事中に何度も書きましたが、「一部の収入を無かったものとして捉え、支出を減らすことができるかどうか」、この一点に尽きると思います。

 この先取り貯金がうまくいくようになり、節約思考が身についていくと、その後収入が増えても、それすら「無かったもの」として捉え、支出を増やさないようになります。

 こうなると、貯金のスピードが上がっていくことになります。

 ですから、貯金の基本を身につけるためには、先取り貯金は最高の方法といっても過言ではありません。

 ぜひとも先取り貯金を成功させて、皆さんにとっての大きな目標を達成できるように努力してみてください。