都会の人があまり知らないド田舎出身者が語る地方の9つの真実
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「退職したら地方に」専門家おすすめの「生活水準下げない」工夫
たまに老後になったら地方へ移住を進める記事を見かけます。
今回の記事もその一つ。
地方に移住すると、支出を減らせるという論調が強く見られるような気がします。
ただ、実際のところ、そうでもないです。
ド田舎出身者が語る、知っている範疇での意外にかかるお金の話をご紹介します。
1.水道料金が高い
地方は生活コストが安いと思われていますが、すべてにおいて安いわけではありません。
確かに食品が東京のほうが高いです。
地方から東京に出てきて、食品の物価が2~3割高くて驚いた記憶があります。
ただ、東京に出てきて、水道料金は東京のほうが安かったです。
今年1月に「週刊ダイヤモンド」でこんな記事が紹介されていました。
「水道料金」ランキング1263事業体・完全版、“格差”は全国で7倍超!
この記事の中で自治体ごとに水道料金が紹介されていたので、このデータを元に計算してみたところ、僕の地元と東京とでは1500円以上も東京のほうが安いことが分かりました。
なんでもかんでも地方が安いと思ったら大間違いだということは知っておいたほうがよいでしょう。
2.便利に暮らしたければ自動車所有は必須
都心部で暮らしていて、地方に移住したとき、間違いなく交通の便という壁にぶつかるはずです。
地方の中心は、郊外に進出した大型ショッピングセンターであり、電車やバスで移動するにはかなり不便な場所にあります。
そのため、不自由なく生活したいのであれば、自動車の所有は必須であると考えるべきです。
やたらと広い駐車場を備えたコンビニを田舎で見かけたことはありませんか?
徒歩圏内にコンビニがあることなど期待してはいけません。
コンビニすら自動車で行くのが地方の実態です。
私の実家でも、父、私、弟と自動車が家の前に3台並んでいる時期がありました。
地方では一家に一台ではなく、一人一台自動車を所有していないと、生活にするのに不便なのです。
3.駅前は買い物できるような場所ではない
先ほど、地方の中心は郊外に進出したショッピングセンターだと書きました。
では、駅前はどうなっているかというと、聞いたことがあるかもしれませんが、シャッター通りと化しています。
どんどん店がなくなっています。
私の地元でも、老舗と呼ばれた百貨店がどんどん閉店に追い込まれています。
電車は仕事では通勤手段として使えますが、休日に買い物をするための手段としては使い勝手がよくありません。
特に生鮮食品や冷凍食品は、家に帰るまで持たないのでは?
ネットスーパーで買い物すればいいのですが、ネットスーパーというサービスのほうが維持し続けられるかどうか心配になります。
4.タクシーでスーパーマーケットに行く老人が増えている
では、今のお年寄りたちは生鮮食料品をどのように購入しているのでしょうか?
先日、たまたまうちの母親と話す機会があったのですが、最近タクシーでスーパーマーケットへやってくるお年寄りが増えているそうです。
タクシーですから、そうそう何回も買い物に来ることはできません。
そこで、1回の買い物に相当量を貯めこんで買っているようです。
現在、私の両親は父親がまだ車の運転をしていますので、なんとか生活できているようですが、そろそろ車の運転も引退してもらわなければいけない歳になってきています。
車がなくなった場合、どのように生活をするのか、子どもとしては心配になります。
タクシー利用となれば、1ヶ月のコストが随分増えそうな気がします。
5.歩道がない
老後に地方で暮らす際、車が運転できなくなれば、歩くという選択肢が最有力となるでしょう。
ただ、地方の道路事情を知っている人なら、老人が安心して暮らせる道路ではないことはきっと察しがつくはずです。
この画像の道路は、かなり広いほうです。
パッと見、車がすれ違うことは可能だと思えます。
地方には、「ここ、車がすれ違うことができないでしょ?」と思うような細い道がたくさんあります。
そんな道でも、ときに大型トラックが大きな道路へのショートカットのために利用することがあったりしますし、そんな道が小中学生の通学路だったりするわけです。
老人が歩くのも危険。
老人だと、あの乳母車みたいなやつ(?)を押して歩いていたり、電動車いすに乗ってたりするすぐ脇を車が通っていく光景を見かけます。
地方は、決してお年寄りにやさしいわけではないことも理解しておくべきでしょう。
6.大型病院が少ない
老後は現在よりも病院にお世話になる機会が増えることになるでしょう。
しかし、より高度な専門的医療を受けたいとなっても、受診できる大型病院が極めて少ないという地方ならではの事情があります。
東京に住んでいると、徒歩圏内にある小さな医者に行って診察を受け、もし必要なら紹介状を書いてもらって、大型の病院に行くことになります。
ところが、地方に住んでいると、徒歩圏内に診察を受けられるような医者がありません。
体調が悪く、自分で車を運転するのが嫌なら、タクシーでその地域内で最も大きい病院に行き、より高度な医療を受けるとなれば、そこで紹介状を書いてもらい、県内でも有数の大型病院へ行く、という流れになったりします。
地方は医者の数も不足していますから、健康面に不安を抱えている人は、地方の医療については情報を得ておいたほうがよいでしょう。
7.冬は支出が増加するし、負担も増加する
地方の中でも、冬は寒く、雪が降る地域の場合、冬の支出は大幅に増えることは理解しておくべきでしょう。
東京の冬の寒さは、エアコン一つで乗り切ることが可能ですが、雪の降る地域の寒さは、エアコンでは厳しいです。
よって、石油ファンヒーターは必須だと思っておくべきです。
建物によっては、キッチンや風呂場の冬の寒さが堪えます。
ヒートショックで亡くなる人が増えるのも特徴的かもしれません。
ある年に実家に帰ったら、キッチンと風呂場に小さな暖房器具が置いてあることに気づきました。
そのくらい本当に寒いんです。
雪が降って、積もったら、屋根の上の雪下ろしが必要になります。
身体が動く時期ならいいですが、身体の自由が利かなくなった年齢のときにはどうしますか?
業者や知り合いに依頼しないと、家が潰れてしまいます。
冬に雪下ろしの作業中、屋根から転落して亡くなる人のニュースが毎年のように流れます。
大雪の日に自動車を外にでも止めておこうものなら、あっという間に雪の中に埋もれてしまうこともあります。
そのため、冬場は早起きして、車を走らせる状態を作ることから始めなければいけません。
車庫なら大丈夫と思ったら大間違いで、除雪車が車道の雪を左右に押しのけていきますから、車庫の前が雪で埋まり、車を出すことができなくなります。
雪の降る地域の冬は、いろいろと大変なのです。
8.町内会、祭り、各種イベント、地域付き合いが密すぎる
地方は、東京に比べれば人は親切かと言うと、特にそういうわけではありません。
下手すると、地方のほうが閉鎖的な可能性があり、よそ者に冷たいかもしれません。
村八分的な扱いを受けないようにするために、地域のコミュニティにはしっかり参加しないといけません。
となると、意外とイベントが多く、結構大変だったりします。
祭りがあれば、その都度お金を納めたりとか、案外出費もあります。
祭りや町内会の役回りに駆り出されたりするので、忙しくなることもあり得ます。
結果として、家族構成が周辺の人すべてに知られますし、知ることにもなります。
これが良いことなのか、悪いことなのかはその人の捉え方次第でしょう。
さらに歳をとって、仕事がなくなると、町内会の役員を任されたりします。
私の父親は3年もの間、町内会長をやっているのですが、どうやら大忙しのようです。
小学校の運動会に来賓として呼ばれたり、いろいろとやっているみたいです。
老後にのんびりしたいと思っていても、のんびりできないかもしれません。
9.財政状態が悪く、破綻するかもしれない
最後に、地方の財政状態が悪いことは知っておいたほうがよいでしょう。
将来、夕張市のように財政破綻する自治体がもっと増えても不思議ではありません。
小さな自治体だけでなく、県庁所在地レベルの中核都市も例外ではありません。
『未来の年表』によれば、2040年には自治体の半数が消滅する可能性があるという衝撃的な報告が紹介されています。
住んでいる自治体が財政破綻すれば、住民サービスをまともに受けられなくなり、若い人から流出していくことでしょう。
せっかく移住したのに、街に残るのは、身動きのとれなくなった年寄りのみになる可能性も。
まとめ
以上『都会の人があまり知らないド田舎出身者が語る地方の9つの真実』でした。
いかがでしたか?
結婚している人は、夫婦でどのような老後を送りたいのか真剣に話し合っておくべきです。
地方移住は、あなたが思っているほどバラ色ではないとだけ伝えておきます。