年収1,100万円の52歳サラリーマンが陥った老後破産の危機とは?

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
今回は毎度おなじみ煽り系メディア「幻冬舎ゴールドオンライン」からFPさんの書いた記事をご紹介します。
記事によると「年収1000万円前後の世帯ほど『老後破綻』に陥りやすい」そうです。
本当ですか?
にわかに信じがたいのですが、今回はそんな年収1000万円超のサラリーマンが老後破産危機に陥った事例となっています。
高年収の人が老後破産に陥る原因がどこにあるのか、早速見ていきましょう。
日本の給与所得者の実態
まずは日本の給与所得者の実態からです。
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」(2024年)で日本人の平均給与を各分類ごとに見ると、以下のようになっています。
平均給与 | 前年比(割合) | 前年比(額) | |
男性 | 569万円 | 0.9%増 | 5.2万円の増加 |
女性 | 316万円 | 0.7%増 | 2.1万円の増加 |
正社員 | 530万円 | 1.3%増 | 7.0万円の増加 |
正社員以外 | 202万円 | 0.7%増 | 1.4万円の増加 |
一方で、調査結果を見ると、年収1,000万円以上の給与所得者は5.5%程度しかいないことが分かります。。
やはり年収1,000万円以上は特別な金額であると分かります。
しかし、その特別感こそが危険であり、油断を招きかねません。
そんな事例をご紹介します。
年収1,100万円…“日本の上位5%”のサラリーマンAさんの悩み
52歳のAさんは、年収1,100万円のサラリーマンです。
奥さんは週3回のパート。
子供は大学生と高校生の2人。
ある日、FPのもとに相談に訪れたのですが、その内容は「貯蓄が600万円しかない」とのこと。
贅沢はしてこなかったつもりだが、継続的に貯蓄するのは難しかったと言います。
しかし、どうでしょう。
家計の情報はほとんど登場しませんが、唯一出てきたのが「A家の生活費は月50万円以上」という文字。
年収1,100万円ですから、単純に考えれば1ヶ月で91.6万円の収入です。
これでなぜ貯蓄が600万円しかないのかが分かりません。
住宅ローンなどの情報も記事内に記載がなく、推測することも難しいです。
後ほど支出の多い理由については少し触れることになるので、一旦はそちらに譲ります。
とにかくAさんは高年収の割に貯蓄が少なすぎることを心配しているようです。
思わず二度見した「ねんきん定期便」の中身
そして、Aさんが愕然としたのが年金についてです。
貯蓄の全然できないAさんも老後の見立ては一応ありました。
まず、子供の学費は学資保険に加入し、ちゃんと確保していました。
あとは退職金と年金で老後を過ごせるだろうと考えていました。
そして届いた「ねんきん定期便」を見て、思わず愕然としたのです。
Aさんの年金額は190万円、1ヶ月なら16万円弱だったのです。
妻の分を入れても月25万円程度にしかなりません。
先ほどのとおりAさんの1ヶ月の支出は50万円以上。
老後破産まっしぐらです。
年金額を知ったAさんの発言が以下です。
“「自分で言うのもなんですが、年収1,000万円以上の給与をもらっている日本人って5%くらいですよね?だから、この金額はなにかの間違いだろうと思ったのですが……」
出ました、金融リテラシーの乏しい人の勘違い発言。
もし、20歳の年金支払い始めの頃から年収1,000万円以上なら分かりますが、サラリーマンなら1,000万円以上になったのは40代後半とか下手すると50歳を過ぎてからでしょう。
そもそも年金16万円弱なら平均より高いです。
年金が思いのほか少ないということを知らない人がとにかく多いです。
以前、Youtubeで高額納税者なのに年金が少ないと恥ずかしげもなく語っていた人がいました。
税金と年金は関係ありません。
年収が多い人ほど年金の少なさに驚くようです。
それはそうかもしれません。
一気に年収が減るのですから、そのギャップの大きさに驚くのでしょう。
高所得者がハマる“甘い罠”
Aさんの言うとおり年収1.000万円以上の人は日本に5%程度しかいません。
ある意味ステータスと言えます。
しかし、資産形成の意識が傾かず、ステータスに意識が傾いている人は残念ながら支出が増えていきます。
車や家、洋服、食事などが高価格のものに移行していくのです。
実際、Aさんも住環境や教育、身につけるものにお金を惜しまずかけてきたようです。
その結果がわずか600万円の貯蓄にとどまらせたのです。
Aさんのその後
Aさん夫妻はその後、生活費の見直しに着手しました。
目標は夫婦の趣味だった旅行です。
子供の受験期から我慢していたとのこと。
旅行できるだけの貯蓄をしようと支出を見直しました。
その結果、今では3年続けて旅行できているそうです。
基本的にはお金を使うことが好きなのでしょう。
支出を大きく削らないと、年金生活に入り、支出が激減してから赤字続きになるような気がします。
それでも、多少の支出削減ができたなら、それは良い兆しです。
自分は年収が高いと思うと油断が生じます。
収入が増えたときこそ気を引き締めなければいけないのです。
まとめ
以上『年収1,100万円の52歳サラリーマンが陥った老後破産の危機とは?』でした。
いかがでしたか?
高年収世帯ほど支出管理が甘くなり、資産形成が進まないことがあります。
あたかも自分をエリートだと思い込み、身の丈より上を行く生活を目指してしまうのでしょう。
年収1000万円なんて大したことない、と理解できていれば安易な支出拡大はしないはずです。
年収が高いからこそ資産形成のチャンスですから、支出に回すのは限度を決めるなどしておくべきです。
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