貯金の口座はいかに使い分けるべきか?
今日は、ネットで見かけたこちらの記事から。
「お金がどんどん「貯まる人」が、「4つの銀行口座」を使い分けるワケ」
なかなか攻めたタイトルです。
自らを『お金がどんどん「貯まる人」』と称しています。
この記事の筆者の職業は公認会計士ですから、そもそも収入が多いのではないかと予想できます。
そして、その収入を4つの口座で使い分けて貯金してきたということなのでしょう。
貯金額が明確にされていませんから、実際にどれくらいの貯金になったのかは分かりません。
ただ、複数の口座を使い分けて、家計を管理している点において参考になる部分もありました。
そこで今回は、複数の口座の使い分け方を紹介し、いかに貯金していけばよいのかを考えていきます。
「お金を貯めるのが簡単」なのは間違いない
まずは、今回紹介した記事の冒頭の一節をご覧ください。
「お金を貯めるにはどうすればいいのでしょうか?」とよく聞かれます。
答えはごく簡単です。収入が支出を上回ればよいのです。
入ってくるお金よりも出ていくお金が少なければ、自然にお金は貯まっていきます。
ぐうの音も出ないほどの正論です。
「貯金は義務」とさえ語っています。
僕の感覚的には、「支出が収入を下回る」のほうかなとも思いますが、言いたいことは同じです。
仰せの通り、貯金は収入マイナス支出の差額ですから、収入が支出を上回っていればいいだけのことです。
だから、貯金というのは、極めて簡単な作業のはずなのです。
お金の貯め方としては、次のように紹介されています。
(1)毎月の収入から、貯蓄を天引きにする
(2)貯蓄を天引きした残り(予算の範囲内)で暮らす
きわめてオーソドックスな先取り貯金です。
先取り貯金を多くの人が推薦する理由は、貯金が成功しやすいからです。
貯金がないと嘆いている人で、先取り貯金をやっていないのであれば、すぐに始めましょう。
貯金の口座の使い分け方事例1 口座は1つだけで、使い分けしない
よく複数の口座を使い分けた方がよいという話がある中、口座は1つだけという管理法です。
給料の受け取りから、各種引き落とし、生活費の管理、貯金。
すべてを1つの口座でまかなうということです。
メリットは、すべてのお金の流れがはっかり分かるということです。
どの口座にいくらあったかな?とか考える必要がなく、非常にシンプルです。
デメリットは、やはりお金が貯まらない可能性があるということです。
複数の口座を使い分けることは、先取り貯金をすることになりますが、1つの口座で管理するということは、貯金を後回しにするということになります。
1ヶ月過ごしてみて、余ったお金が貯金になるからです。
ということは、余らなければ貯金ができません。
せっかく貯金ができたとしても、次の月に使いすぎてしまい、前の月の貯金にも気づかないうちに手を付けてしまっているということも起きるでしょう。
また、万が一、銀行が破綻したときには、1金融機関・1預金者あたりの元本1,000万円までと、その利息等が保護の対象とされています。
1000万円を超える貯金がある場合、1つの金融機関のみに預けていると、それ以上の金額は保護されないので、大きなリスクを抱えた状態であると言えます。
貯金の口座の使い分け方事例2 2つの口座を使い分ける
次は、2つの口座を使い分ける方法です。
よくある使い分けとしては、1つは給与の受け取りから普段の生活費をまかなう口座。
もう1つは貯金用です。
給与が振り込まれたら、自動的に貯金用口座に一定金額を移動させ、残った金額で生活するという使い分けです。
メリットは、何と言っても先取り貯金できるということ。
貯金を使い込みさせしなければ、毎月確実に貯金が増えていく優れた仕組みです。
デメリットは、そもそも2つめの口座を開設する手続きを行わなければならないこと。
それから、急な臨時の支出が発生した場合、残ったお金だけでは足りなくなる危険性があることです。
貯金が苦手な人は、2つの口座を使い分けるところから始めるのがもっともよいと思われます。
ちなみに、僕自身が2つの口座を使い分けているというタイプに属しています。
厳密に言うと、2つの銀行と言った方が正しいかもしれません。
一つは都市銀行、もう一つはネット系の住信SBIネット銀行です。
都市銀行の口座は、給与の受け取りと普段の生活用。
住信SBIネット銀行は、貯金・投資用です。
僕は、現在は先取り貯金をやっていません。
もはや僕くらいになると、先取り貯金をする必要もなく、しっかり貯金できるようになっているからです。
ですから、基本は給与受け取り用の口座で公共料金支払いから生活費の管理まで、すべてを行っています。
ある一定金額が貯まったら、貯金・投資用の口座に移動させ、定期預金にしたりしています。
もともと面倒くさがりなところもあり、できるだけ複雑にしないよう心がけています。
貯金の口座の使い分け方事例3 3つの口座を使い分ける
貯金するには、3つの口座を使い分けるべきだという意見もあります。
代表的なのは、1給与受け取りから生活費をまかなう口座、貯金用口座、投資用口座の3つに分ける場合。
これは、よりお金を増やしにいこうという考え方の場合の使い分け方になります。
どうしても貯金だけでは利息がつきませんから、お金が増えていくことはほとんどありません。
そのため、別口座を用意して、株や投資信託を買うようにするという使い分け方です。
先取り貯金をやっていた頃の僕が、この3つの口座の使い分け方をしていました。
他にも、給与受け取りから生活費をまかなう口座、特別支出対応用の口座、貯金・投資用口座の3つに分ける場合があります。
これは、先ほど2つの口座に使い分ける方法のデメリットとして挙げた「特別支出」への対応策を講じた使い分け方です。
例えば、結婚式の御祝儀をはじめとした冠婚葬祭がもっともありうる支出として考えられます。
結婚式の御祝儀は払えないと、断るわけにもいかないでしょう。
どうしても支払わなければならない急な支出に対応できるよう、最低でも10万円程度の金額を別口座に用意しておくという方法です。
貯金の口座の使い分け方事例4 4つの口座を使い分ける
続いては、4つの口座を使い分ける方法。
この方法が、今回の記事を書いた公認会計士さんが行っている使い分け方です。
実際の口座の使い分け方は、以下のとおりです。
(1)入金口座
(2)貯蓄口座
(3)生活口座
(4)引き落とし口座
まず、給料が(1)の入金口座に振り込まれます。
すると、先取り貯金の金額が5万円であれば、5万円が自動的に(1)の口座から(2)の貯蓄口座に移動します。
ローンの返済、公共料金の自動引き落としなどへの対応には、(1)の口座から(4)の口座へ必要な金額だけ移動させます。
最後に残ったお金を(3)の口座へ移動し、(3)の口座にあるお金だけで1ヶ月を過ごすというやり方になります。
ちょっと面倒くさいですね。
(1)の口座から(4)の口座へ移動させるには、あらかじめ引き落とされる金額を把握しておく必要があります。
支出の把握が必須になりますから、自ずと家計管理の能力が培われることになるでしょう。
貯金の口座の使い分け方事例5 5つの口座を使い分ける
中には5つの口座を使い分けるという強者もいるようです。
これは、4つの口座の使い分けの延長線上にある使い分け方です。
例えば、次のような使い分け方が考えられます。
1. 給料の受け取り用口座
2. 引き落とし口座
3. 特別支出用口座
4. 貯金口座
5. 投資口座
これは特別支出に対応できるよう口座を作る使い分け方です。
口座が5つともなってきますと、いよいよ管理が煩雑になってきます。
どの口座にいくら入っているのか?
給料が入ったら、どの口座にいくら移動させるのか?
投資はどの商品をいくら買うのか?
いろいろなことを考えておかなければいけません。
この辺りになると、さすがに上級者向きです。
貯金慣れしていない人がいきなり真似をしようとしても、これは無理でしょう。
パニックに陥るだけだと思われます。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
自分の理想となる口座の使い分け方は見つかりましたか?
貯金をするために、いかに口座を使い分けるかという点について、正解はありません。
あくまでも、自分が管理しやすい方法で十分です。
僕は、特に初心者なら口座の数は少ない方が使い分けやすいと思っています。
無理のない、自分なりの口座の使い分け方を探してみてください。
口座の使い分けの目的は、あくまで「貯金するため」です。
口座を使い分けることが目的にならないよう注意してください。