老後資金はいくら必要?実は1000万円で十分足りる?
今日は、ネットで見かけたこちらの記事から。
「貯めるべき老後資金は少なくていい?」
将来に対する漠然とした不安を抱え、いつ何が起きてもいいように貯金をしている人にとっては、なんとも頼もしい言葉です。
人生100年時代と言われるようになり、定年退職後も収入を得るために働き続けなければならないと考えられている中、そんなにお金を貯めておく必要はないとの提言です。
よく言われる金額は3000万円。
しかし、決して簡単な額ではありません。
日本の家計で、3000万円以上の金融資産を抱えているのは、わずか20%。
残りの80%の家計は、3000万円にも満たない貯金額で生活しているのというが実態です。
そんな中、1000万円で十分というのは、多くの人に勇気を与えることでしょう。
それでは、なぜ老後資金は1000万円で足りるのか、その理由を見ていきましょう。
なぜ老後資金が1000万円で済むのか?
「老後資金は3000万円」が一般的に言われる中、なぜ1000万円で足りるのか?
その理由は、次の一節の中に隠されています。
「65歳以降の夫婦の生活費は最低月20万~25万円程度とされているので、そこに固定資産税や自動車税、冠婚葬祭費などの特別支出が加わってきます。一方の年金については、夫の生涯平均年収が600万円で厚生年金と国民年金を受給、妻が国民年金を受給、というパターンであれば月額は20万円を超えます」
つまりはこういうことです。
仮に夫婦が月に受給できる年金額が22万円だとしたら、22万円×12ヶ月=264万円
それに対し、月の支出も22万円であれば、同じく264万円。
あとは、冠婚葬祭を始めとした特別支出が加わるとして、それが年間20万円。
ということは、1年の赤字は20万円。
これが45年続いて100歳になったとしたら、赤字は20万円×45年=900万円。
よって、1000万円の老後資金を用意できれば、なんとか逃げ切ることができるという計算です。
確かにこれなら1000万円の老後資金を用意できていれば、なんとかなりそうです。
さらに、アルバイトをはじめ、働くことで収入を得ることができれば、十分余裕を持った生活をおくることが可能になります。
老後資金1000万円をいかに貯めるか?
1000万円と聞くと大金で、ハードルは高そうですが、3000万円に比べればはるかに低いハードルです。
正直言って、時間をかければ1000万円は多くの人が到達できるレベルの金額です。
ですから、地道にお金を貯めていくことにしましょう。
貯金の目標が決まったら、まずは目標を立てます。
65歳から現在の年齢を差し引けば、何年かけて1000万円を貯めればよいかがか分かります。
そうすれば、1ヶ月平均でいくら貯めればよいかも分かります。
例えば40歳の人であれば、65歳まであと25年。
1000万円を25で割れば、1年で40万円を貯金すればよいということが分かります。
よって1ヶ月あたりなら33,333円必要と言うことまで分かります。
1ヶ月に33,333円の貯金なら、なんとなくできそうですよね。
そこまでハードルは高くありません。
1ヶ月3万円の貯金なら、いろいろな捻出方法があります。
家賃の安い部屋に引っ越す。
スマホを格安SIMにする。
外食を減らす。
保険を見直す。
ジムをやめる。
いくらでも支出を削るポイントはありますので、カットできるものをどんどんカットしていきましょう。
老後資金1000万円論の落とし穴
ただ、この仮説には重大なポイントが欠けています。
それは介護費用です。
介護にかかる費用は、在宅介護だとしておよそ7万円。
1年で84万円。
5年介護を続ければ、420万円かかります。
夫婦二人なら、820万円です。
残念ながら、ずっと元気に過ごせるということはありません。
こればかりは避けられないことです。
ですから、介護費用まで含めて考えれば、2000万円用意しておいた方がよいということになります。
1000万円のときに比べ、ハードルがだいぶ上がります。
65歳までに2000万円を用意できますか?
もし自分で用意できないというのであれば、自分の子どもに介護費用を負担してもらいますか?
子どもに迷惑をかけたくはないですよね?
それであれば、なんとか自分で介護費用も含めた老後資金を貯めるようにしましょう。
老後資金を貯めることよりも大切なこと
仮に1000万円であっても2000万円であっても、老後資金を貯めておいたほうがよいことに変わりはありません。
備えあればなんとやらです。
ただ、それと同時にやっておくべきことがあります。
それは、生活費を抑えることです。
老後資金を食いつぶす最大の理由は、支出が収入を上回るところになります。
毎月赤字になるため、これまでがんばって貯めてきた貯金を減らしていくわけです。
そこで、生活を小さくし、支出が収入を上回らないようにする必要があります。
生活費を安くすればするほど、必要な老後資金は少なくて済みます。
となれば、支出が収入を超えず、老後資金は一定の金額が残されます。
貯金に手を出さず、年金だけで生活していけるのであれば、1000万円は介護費用にあてられますから、冒頭で述べたように老後資金は1000万円で済みます。
また、早くから生活を小さくしておけば、1000万円の貯金達成時期が必ず早くなるでしょう。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
老後資金が1000万円で住む理由は分かりましたか?
冷静に計算をすればよいわけで、あまりに周りに流されている人が多いということなのでしょう。
年金を多くもらえるなら、老後資金はそこまで大きく貯める必要はないということも分かります。
一方で、楽しい老後をおくるためには、それなりの金額は必要です。
ですから、早めに貯金を開始した方がよいです。
そして、少しでも多くの額を毎月の貯金位加えて、どんどん貯めていきましょう。