池上彰の番組を見ながらお金について考え、そして悲しくなる

池上彰の番組を見ながらお金について考え、そして悲しくなる

2019年3月30日に放送されたテレビ朝日『池上彰のニュースそうだったのか!!』は、「お金で振り返る平成」というテーマでした。

たまたまテレビのチャンネルを変えながら見つけたため、最初は見逃してしまったのですが、お金にまつわる話題を多数取り上げていたため、今回皆さんにも番組の一部を抜粋してご紹介しておきます。

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今回の動画は『47歳で金融資産5000万円を築く過程で捨てて良かったもの7選』です。おかげさまで47歳のときに金融資産5000万円を達成しました。その過程でいろいろなものを捨ててきました。捨てた結果、支出が削減でき、貯金のペースが上がっていきました。そこで今回は「これを捨てれば貯金できる!」というものをご紹介していきます。
また、『【本物の準富裕層が語る】「金融資産5000万円は勝ち組」は真っ赤なウソ』も公開していますので、併せてご覧ください。
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1.平均年収は30万円増えていた

まず、民間の事業所の平均年収が平成元年と比べてどのように変化していたか?

平成元年といえば、バブル経済の末期。

日経平均株価が史上最高値の38,915円を記録した年です。

年明けから株価は急落していくことになります。

平成の間、平均年収はどのように変化したのでしょうか?

  • 平成元年 402.4万円
  • 平成15年 443.9万円
  • 平成29年 432.2万円

平成の30年近くの間に、平均年収は30万円増えていたことが分かりました。

平成元年はまだ学生でしたから、個人的にはピンと来ないところです。

とりあえず、現状の自分の平均年収が平均より大きく上回っていることが分かるだけです。

2.平均貯蓄は500万円増えていた

次に、二人以上世帯の平均貯蓄額はどのように変化したのでしょうか。

  • 平成元年 1,311万円
  • 平成15年 1,690万円
  • 平成29年 1,812万円

平成の間に平均貯蓄額は500万円も増えていることが分かりました。

3.生活は苦しいと感じている人が過半数を超えた

年収が増え、貯蓄も増えているのですから、数字だけ見れば豊かになったと考えられます。

しかし、実態はそうではありません。

生活意識の調査結果で、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した人の割合が大きく変化しているからです。

  • 平成元年 37.7%
  • 平成29年 55.8%

これは、「平均」のマジックです。

一部のお金持ちが平均を釣り上げているのです。

例えば平均年収600万円以上の人は、約2割しかいません。

確かに、僕個人としては公表されるこの手の平均の指標はもはやすべて下ですから、特に気にすることもなくなっていました。

4.平成は格差が広がった時代

平成は格差が広がった時代でもあります。

例えば、地域格差。

地域によって、以下のように平均年収にも大きな開きがあります。

  • 1位 東京 616万円
  • 2位 愛知 540万円
  • 3位 神奈川 532万円
  • 4位 大阪 528万円
  • 5位 京都 499万円
  • ・・・
  • 43位 秋田 374万円
  • 44位 岩手 372万円
  • 45位 沖縄 366万円
  • 46位 宮崎 366万円
  • 47位 青森 359万円

続いて、雇用格差。

正社員と非正規雇用労働者によって、大きな差が生じています。

企業側からすると都合の良い非正規雇用労働者は、平成の間に大きく増加しました。

  • 平成元年 800万人
  • 平成30年 2,000万人

先にご紹介した平均年収で、平成15年に比べて平成29年は下がっているのが非正規雇用労働者の増加が影響していると考えられます。

そして、世代間格差。

世代によって平均貯蓄額が大きく異なります。

  • 70歳以上 2,385万円
  • 60代 2,382万円
  • 50代 1,699万円
  • 40代 1,074万円
  • 40歳未満 602万円

これは当然といえば当然なのですが、実は高齢者の中でも大きな格差が生じています。

60代以上で4000万円以上の世帯が17.6%いる一方、300万円未満の世帯が13.4%います。

高齢者だからといって、みんながお金を持っているわけではありません。

5.デフレ時代だが2倍以上に値上がりしたものもある

平成は物価の下がるデフレの時代ですが、中には物価が2倍以上になったものもありました。

消費者物価指数の変化の上位トップ10は以下のとおりでした。

  • 1位 出産入院料 約2.18倍
  • 2位 灯油 約2.17倍
  • 3位 わかめ 約2.03倍
  • 4位 たばこ 約1.99倍
  • 5位 うなぎ蒲焼 約1.98倍
  • 6位 単行本B 約1.97倍
  • 7位 通学用かばん 約1.97倍
  • 8位 水道工事費 約1.96倍
  • 9位 牛乳(配達) 約1.91倍
  • 10位 指輪 約1.86倍

個人的には、たばこは分かりますし、うなぎは随分と高くなり、手が出しづらくなった印象がありました。

しかし、それ以外は全くピンと来ません。

ちなみに、これからはいろいろなものの値上げラッシュが控えています。

6.税金・社会保険料、通信費が増加した

先に生活が苦しくなったと感じている人が過半数を超えたことをご紹介しました。

では、家庭の費目の中で何の出費が増えているのでしょうか?

そのランキングが以下のとおりです。

  • 1位 税金・社会保険料 約3万円
  • 2位 通信 約1万円
  • 3位 光熱・水道 約5900円
  • 4位 保健・医療 約3900円
  • 5位 教育 約3800円

通信費を除けば、支払うことが必須とも言えるものばかり。

その結果、自由に使えるお金が減り、生活が苦しくなったと感じている人が増えているようです。

7.国立大学の学費が上がっている

個人的に驚きだったのが、国立大学の学費の推移です。

  • 平成元年 33万7,800円
  • 平成10年 46万9,200円
  • 平成29年 53万5,800円
  • 2031年(予想) 約93万円

国立大学の学費は、50万円を超えていました。

運営交付金が減少し続けていることが原因で、今後も授業料は値上がりを続け、2031年には約93万円まで値上がりするだろうと見られています。

子どもの教育費は、各家庭頼みになっており、負担は増すばかり。

もし幼稚園から大学まですべて私立だと約2400万円、すべて公立でも約1024万円かかります。

子どもを持つ家庭には受難の時代が続きそうです。

8.最近の子どものお小遣いの使い道は「貯金」

番組を見ていて1番の衝撃だったのは、最近の子どものお小遣いの使い道。

大人は負担が増えているから自由に使えるお金が減ってしまうというのは理解できます。

ところが、お金を使わない傾向は大人ばかりか子どもにも広がっているようです。

まず、お小遣いをもらっている子ども(小4~中2)の推移を見ると、大きく減少していることが分かります。

  • 平成9年 78.9%
  • 平成19年 72.9%
  • 平成29年 63.0%

そして衝撃的だったのが、お小遣いの使い道ランキングです。

  • 1位 貯金をする 53.8%
  • 2位 食べ物や飲み物を買う 44.6%
  • 3位 マンガを買う 28.0%

子どものうちは、もらったお金の中で上手にやりくりするしてほしいのですが、子どもまでお金を使わない世の中になっていたとは知りませんでした。

しかも、なぜお金を使わないのかという質問に対する回答が「欲しいものがない」「将来のため」、挙句の果てには「おじいちゃんになってお金が足りないと嫌だから」とか。

40代みたいな回答が並びます(苦笑)

その後は国のお金の話に移っていきましたので、この辺りしておきましょう。

まとめ

以上『池上彰の番組を見ながらお金について考え、そして悲しくなる』でした。

平成は格差が広がり、生活が苦しくなり、お金を使えなくなった時代だったということになります。

新しい時代は、もっと多くの人がお金に関する不安を抱えずに済む時代になってもらいたいものですが、現実的には厳しいでしょう。

むしろ、ますます自己防衛をしなければならない厳しい時代になっていくことが予想されます。

常に最新の情報を集め、自分の資産をいかに守るかを考えましょう。

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