年収500万超でも可処分所得は月8千円!中間層を襲う3重の所得低下とは?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
雑誌『AERA』の記事からです。
中間層のお金の苦悩が表れたタイトルとなっていたので、気になって読んでみました。
早速中身を見ていきましょう。
可処分所得が月8千円となった理由
記事は、とある世帯の世帯主の苦悩の言葉で始まっています。
「生活、苦しいです。ずっと『中の下の暮らしかな』と思ってきたけど、わからなくなりました。どうしておれは散髪に行く金もないんだ?と」
散髪に行くお金もない。
そこまで苦しい生活になってしまった原因は一体何だったのでしょうか?
こう話す会社員男性(58)は妻(60)と都内マンションで二人暮らし、子どもはいない。正社員として年収は約520万円、日本の平均年収以上だ。介護士の妻も扶養範囲内で約100万円の収入があるが、「出ていくお金ばかり」と嘆く。
「会社の経営が悪化、給料が月8万減ったのが2018年、以来ボーナスもゼロ。14年にマンションを3700万で購入したのが痛かった。ローンは2400万残っていて、月10万の支払いが78歳まで続きます。半額に優遇されていた固定資産税が今年から正規の額になったのも大きな負担です」
年収は520万円。
「給料が月8万円減った」「以来ボーナスもゼロ」とのことから、以前はもっとあったと推測されます。
さらに住宅ローンのローン返済が月10万円。
これが78歳まで続くとのこと。
さらに固定資産税が半額から正規の額に戻ったことも影響したようです。
私は固定資産税については無縁だったため、このような制度変更が行われていたことは知りませんでした。
文章はさらに続きます。
さらに、体に障害のある妹(51)の治療費が月に2万円。ドル建て生命保険の保険料が円安で上がり、月3万円超え。春に亡くなった仙台に住む義母の介護にも交通費がかかり、新興宗教の熱心な信者だったため葬儀代に100万円を請求された。
「妻に毎月5万円渡しているので、私の可処分所得は月8千円。生命保険の契約者貸付100万円に、銀行のキャッシング11万。昔は毎日飲み歩いていたのに、一切行けなくなりました」
世帯主本人だけでなく家族のことでいろいろとお金がかかってもいるようです。
「3重の所得低下」の正体
今回の世帯はちょっと特殊な事情の含んでいるように見えます。
しかし、同じような世帯収入で可処分所得は8千円とは言わずとも、決して多くの金額を自由に使えない世帯は数多くあると思います。
そんな可処分所得の少ない世帯にとって対策を立てたいところです。
しかし、これからの時代は「3重の所得低下」が待ち構えているのが今回の記事の指摘です。
「3重の所得低下」とはこちらです。
1.給料の減少
2.社会保険料負担や税負担の増加
3.物価上昇
まず一つ目は「給料の減少」です。
記事内では以下のように説明されています。
企業が創出した付加価値のうち、人件費の占める割合を指す労働分配率が下がっている。
「00年と19年を比較すると、労働分配率は中堅企業で3.4%、大企業で6%低下しています。また、55歳で役職定年を迎え、給与がカットされる状況も広がっています」
多くの企業が人件費を抑えているのでしょう。
二つ目の「社会保険料負担や税負担の増加」です。
これは実際に感じている人も多いかもしれません。
仮に給料が増えても手取りが増えない苦悩です。
そして三つ目が「物価上昇」です。
物価が上昇することにより実質的な賃金は減少している計算になります。
当然購買力が低下することになります。
よって、これら3つは実際に可処分所得に大きな影響を与えることになります。
「3重の不安増大」とは?
加えて3つのお金に関する不安を増大させる要素が存在すると記事では指摘しています。
その「3重の不安増大」とは以下の3つです。
1.「教育費等がかかる年代になれば、賃金は年功で上がる」という暗黙の社会契約の揺らぎ
2.家族に関わる不安
3.自身の老後不安
特に1.は今後の若い人にとっても現在40代以降の人にとっても非常に気になるところだと思います。
少し前に「45歳定年制」が話題になりました。
企業の本音は「一定以上の年齢の人は給料を上げたくない、人件費を抑えたい」であることが経営者の口から出てきたのです。
会社に本当に必要とされない限り、給料が今後増えていかないことになりかねません。
それどころか年齢をさらに重ねると給料が下がっていくことも想像できます。
これは長い老後を考えると、資産形成をしていく上で非常に大きな不安になります。
不安が大きすぎると、もはやお金を使いづらくなります。
日本の未来はやはり暗いと思わざるを得ません。
まとめ
以上『年収500万超でも可処分所得は月8千円!中間層を襲う3重の所得低下とは?』でした。
いかがでしたか?
日本の今後に明るい未来が見えてこない悲しい気分になりました。
さらに最後の一節は子どもを持つ親が読むと悲しくなることでしょう。
「子どもは人並みに育ててやりたい。でも、子どもに結果的に『親ガチャ外れた』と言われるのではというつらさもある」
もし子どもを持つ方であれば、子どもに悲しい想いをさせないよう資産形成に取り組んでもらいたいものです。
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