FIREを目指す人ほど老後資金問題をガチで考えるべき6つの理由
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
当ブログでは老後資金問題を取り扱うことが多いです。
これは私自身の興味関心の高さから来るものです。
一方でFIREを目指す人にとっても老後資金問題は無視できないと考えています。
今回はFIRE志向者のうち、特にまだ若いのに資産5000万円未満の「貧乏FIRE」に目指そうとしている方に向けた内容となっています。
セミリタイアを遅らせたのは老後不安から
今年は私にとって区切りの年となるはずでした。
なぜなら、私自身が当初のセミリタイア実現リミットとして設定していた50歳となるからです。
しかし、以前から「セミリタイアを実現したい」と言っておきながら、資産目標も年齢目標もどんどん繰り下げている状況にあります。
本来は有言実行がポリシーなのですが、なかなか踏み切れない事情もあります。
その最大の理由は、退職後、そして老後の備えを万全にしておきたいという想いが強いからです。
FIREを目指す人は老後資金問題を真剣に考えておくべきだと思っています。
理由1.総資産の大きな上積みが難しくなる
一つ目の理由は「総資産の大きな上積みが難しくなる」からです。
FIREするということは会社を辞めることになります。
会社を辞めるということは給料が無くなり、投資益が収入の柱になります。
会社員時代は会社からもらえる給料をベースに資産を増やしていきます。
しかし、給料がなくなりますから会社員時代と同じペースで毎月資産を増やすことができなくなると想定されます。
あとはFIRE後の収入がどうなるか次第。
人によっては自分のやってみたい働き方で収入を得る人もいるでしょうし、投資が上手くいって資産を増やせるかもしれません。
ただ、資産増加の見通しは厳しめに見ておくべきでしょう。
理由2.FIRE後、時間が経過しているほど再就職が難しくなる
二つ目の理由は「FIRE後、時間が経過しているほど再就職が難しくなる」からです。
仮にFIREに失敗しても人生が終わるわけではありません。
おそらく大半の人は再就職という道を選ぶことでしょう。
しかし、FIREして会社を離れてからの時間が経過しているほど再就職は難しくなる可能性があります。
まだ年齢の若い人であれば、再就職の選択肢も多めに残されているかもしれません。
しかし、年齢が高くなってしまうと再就職も選択肢が狭まる可能性が高いです。
そうなると、収入の上乗せが以前より難しくなり、再度FIREを目指すには厳しい道程が待っているでしょう。
理由3.年金の受け取りまで資産を減らせない
三つ目の理由は「年金の受け取りまで資産を減らせない」からです。
先にも述べましたが、FIRE後の収入の柱は投資益になります。
よって資産を減らすことは収入減に直結するため、資産は極力減らしたくない
また、私が近年最も影響を受けた書籍『DIE WITH ZERO』は、資産をゼロにして死ぬことを提唱しています。
現実的に考えるとゼロで死ぬことの実現は不可能だと思いますが、考え方としては大変素晴らしいです。
この本ではお金を貴重な経験に変えられる体力が残っている45歳から60歳を資産のピークに持ってきて、老後に向けて資産を減らしていくことを提唱しています。
ではFIREを目指す人、FIRE生活を送っている人はどうでしょう。
先に述べたように、資産を減少させることは収入減に直結します。
そのため、年金を受け取れるまで、ないし年金受け取りまでの資産の目途が立たない限り、「思い出作り」などできず、質素な生活を続けなければならないかもしれません。
理由4.物価は上昇し続ける
四つ目の理由は「物価は上昇し続ける」からです。
最近は物価上昇が激しくなっています。
激しいとは言い過ぎかもしれませんが、30年に渡りデフレが続いたことを考えると、最近の物価上昇は急激なものと捉えてもよいでしょう。
そして、物価上昇は単年で終わるわけではありません。
今後もずっと上昇し続けます。
よって、単純に言えば支出額は増加し続けます。
支出額の継続的な増加に耐えうる資産を築くか、収入を得るかしなければFIREは失敗します。
理由5.年金が少ない
五つ目の理由は「年金が少ない」からです。
FIRE民は『アリとキリギリス』で言えば「キリギリス」です。
早く会社を辞め、自由な生活を送れますが、老後に事態は一変します。
アリの如く長く働き続けた人たちのほうが年金額は多くなるからです。
ちなみに令和6年度の老齢基礎年金の満額は816,000円。
ということは月68000円から健康保険料などを差し引いた金額が手取りで受け取れます。
あとは人によって厚生年金分が上乗せされます。
これだけの金額を毎月安定的に受け取れるだけで十分かもしれませんが、他の人たちより少ない年金でやりくりしなければならないのは間違いありません。
理由6.老後は長い
六つ目の理由は「老後は長い」からです。
現在の年金の支給開始年齢は65歳です。
一方、65歳の平均余命はというと、最新のデータでは男性19.44年、女性24.30年だそうです。
男性で20年、女性で24年くらい生きる計算になります。
年金を受け取るまでにも相当な時間を要するはずですが、さらに20年以上乗り切らなければなりません。
FIREした年齢が若い人の場合、トータルすると40年から50年もの長いFIRE生活を送ることになります。
あまりにも長すぎるFIRE生活を維持し続けられるだけの資産が必要となることをあらかじめ理解しておくべきでしょう。
そして、老後になっても物価は上昇し続けることも忘れてはいけません。
FIREの決断は慎重に下すべき
FIREを目指すのは自由です。
そして、やるよりやらなかったことの後悔のほうが強く残ります。
だからこそFIREしたいのであれば、FIRE実現のために徹底して努力すべきです。
しかし、「FIREして何かをしたい」のではなく「会社を辞めたい」だけなのであれば考え直すべきでしょう。
会社を辞めて安定収入と地位を失うのは非常に大きい影響のあることなのです。
それを理解した上でFIREを目指してみるとよいのではないでしょうか。
そして「貧乏FIRE」ではなく、より大きな資産を築いて真の「経済的自由」を目指してみましょう。
まとめ
以上『FIREを目指す人ほど老後資金問題をガチで考えるべき6つの理由』でした。
いかがでしたか?
最後にまとめです。
1.総資産の大きな上積みが難しくなる
2.FIRE後、時間が経過しているほど再就職が難しくなる
3.年金の受け取りまで資産を減らせない
4.物価は上昇し続ける
5.年金が少ない
6.老後は長い
若くして、少資産でFIREすると、おそらく苦労することになるはずです。
老後まで非常に長い時間を過ごすことを想定したライフプランニングが必要です。
後悔のない人生を送れるよう、FIREの準備は万全を期していきましょう。
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