「おひとりさまFIRE」を夢見る人が気づいていない意外な落とし穴

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

最近FIREは下火になっているのかと思いきや、水面下ではFIREを希望する若者は増加傾向にあるようです。

FIREとまで行かずとも、就業を希望する期間が過去と比較すると現在の若者は短くなっているとのこと。

早めに仕事を辞めたいという人は増加傾向にあるようです。

FIREというライフスタイルは、そんな若者には非常に刺さるものがあったのでしょう。

しかし、そう簡単にできるものでもありません。

今回はFIREについて、特に"おひとりさまFIRE"対して警鐘を鳴らす記事となっております。

独身の身としては非常に気になるところですので、早速記事を見ていきましょう。

“おひとりさま”は確実に増える

まずは単身世帯の増加についてです。

下のグラフは「二人以上世帯数」と「単身世帯数」の棒グラフと、単身世帯の割合の折れ線グラフです。

過去のデータに加え、未来の予測も含まれています。

このグラフを見ると、単身世帯の割合の増加が結構印象的です。

1980年は20%だったのが、直近では40%くらいまで増加しています。

さらに今後もじわじわと増加し続け、2050年には45%となり、日本の世帯数の半分近くが単身世帯になる予測となっています。

これほど単身世帯が増加する主な要因としては以下の3つが挙げられます。

(1)結婚の減少
(2)離婚の増加
(3)高齢化に伴う死別の増加

しかし何と言っても最大の要因は「(1)結婚の減少」でしょう。

1980年の婚姻数は77万組でしたが、今や47万組(2023年)まで減少しています。

婚姻数の増加は見込めないでしょうから、今後も単身世帯が増加するとの予測は的中することとなるでしょう。

二人以上世帯と異なる単身世帯の経済行動

ここで記事の筆者が単身世帯特有の経済行動について触れています。

これ、意外に重要な気がします。

それは何かというと「遺産動機は皆無」であることです。

単身世帯を独身・子供なしと捉えるならば、子供に財産を遺そうという発想がありません。

よって、自分で稼いだお金はすべて自分で使い切ってよいこととなります。

また、人生の三大支出の一つとされる「教育費」が発生しません。

そのため、生涯で稼ぐべきお金が子育て世帯よりは少なくて済みます。

筆者はこの両面から「多くのお金を稼ぐ必要が無いから、長期間に渡って働く必要もない」と続けています。

ちょっと無理があるかなと一瞬思いましたが、実はデータがありました。

下のグラフは「世帯主の有業率」、つまり仕事をしているかどうかの割合を示したものです。

「未婚単身者」と「全体」を比較してみると、50代から単身者の有業率が低下していることが分かります。

つまり、単身者は50代以降になると仕事を早期に辞める傾向があると考えられます。

FIREが日本社会全体に与える「落とし穴」とは?

記事の筆者は、みずほリサーチ&テクノロジーズの河田皓史氏というFPさんや経済評論家ではなく、主席エコノミストという役職の人です。

FIREの記事を書く人としては異色です。

なぜこのような方がFIREの記事を書いているのか?

それは「FIREが労働力不足を招く」という意外すぎる説を提唱しているからです。

もし仮に人生で必要な金額が貯まった時点で仕事を辞めるとした場合、単身世帯化が進むと、退職が早まっていく結果、労働力人口の減少が早まるとの仮説を立てています。

現在の日本において、今後も人口減少は避けられません。

よって労働力人口も減少するわけですが、そこに単身世帯化の増加とFIREを組み込むとは、頭の良い人の考えることは違うと思いました。

以前この説はネットの一部で注目を集めたようですが、私はそのときにじっくりと見ませんでした。

今回改めて河田氏の仮説を読んだわけですが、非常に面白いと思いました。

そして、「FIRE」というライフスタイルが改めて一定の認知をされているものなのだと感じました。

FIREの弱点と筆者の意外すぎる事実

最後はFIREの弱点について触れられています。

筆者によると、FIREはインフレに弱いことを指摘しています。

最後の最後で普通のことを述べています(笑)。

給与所得者であれば、物価上昇につれて給与も引き上げられ、生活が保障される可能性があります。

しかし、FIREして投資の収入だけで生活する人は、賃金増の恩恵も得られず、資産運用だけでインフレと戦わざるを得ません。

やはりFIREは物価上昇で難易度が上がりました。

以前から当ブログでは伝えていますが、フルFIREよりサイドFIREのほうが良いのではないかと考えています。

サイドFIREなら、何かしらの収入を得るわけで、投資益のみに頼るのは資産額がそれなりに大きい人でなければ厳しいのではないかと思います。

それにしても、労働力人口の減少に単身世帯の増加とFIREが影響を与えるといった、一見すると突拍子もない仮説が出てきたのでしょうか?

それは、記事の筆者である河田氏が自ら述べていますが、実は彼もまたFIRE志向者なのです。

「50歳までに完全リタイアしたい」と明言しています。

河田氏の別の記事も読んだことがありますが、別の記事でもFIRE志向であることを語っていました。

FIRE志向者だからこそ、FIREのことをしっかり調べ、そして現実的な厳しさも認識しているのでしょう。

日本の将来の状況に加え、河田氏の動向も気になるところです。

まとめ

以上『「おひとりさまFIRE」を夢見る人が気づいていない意外な落とし穴』でした。

いかがでしたか?

単身世帯の増加は避けられないでしょうし、早期リタイア者の増加ももしかしたら的中するかもしれません。

ただ、記事内での指摘のとおりインフレの与える影響は大きいような気がします。

さらに、石破茂新内閣総理大臣は「金融課税の強化」もぶち上げており、投資収入を頼りにしている人にとっては非常に迷惑な動きも出てきそうです。

これからFIREを志向する人は、従来よりも多めの資産を準備するか、労働収入を始めとした投資以外の収入源の確保をすべきかと思います。

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