元グーグル社員が金曜日にFIREして、月曜日には後悔していた理由
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
FIREに憧れる人は今でもまだまだ多いようです。
仕事のストレスから解放され、自由な生き方に憧れる人が多いと推測されます。
しかし、FIREして幸せになれるとは限りません。
人によってはFIRE適性が無い場合もあり、結局再就職する人もいるのが現実です。
そこで今回は「ビジネス・インサイダー」からアメリカのFIRE失敗事例をご紹介します。
40歳でFIREを達成するまで
今回の主役の女性はインド系の方です。
Googleで10年働き、その他スタートアップでも仕事をしたようです。
退職時には年収10万ドル(約1500万円)だったとのこと。
記事には残念ながらFIRE達成時の資産額までは書かれていませんでしたが、経済的には安定していたそうです。
そして、彼女のFIREプランのポイントは「インドで暮らすこと」でした。
インドはアメリカと比較してはるかに物価が安いため、インドであれば蓄えた資産で残りの人生を暮らしていくのが十分可能という判断だったのでしょう。
日本でもリタイアしたら地方へ移住したいと考える人がいます。
同じように物価を考慮する人も中にはいるかもしれません。
「インドなら、やりたいことのほとんどは可能で、贅沢な暮らしを維持できる」と語っていますので、それだけアメリカとインドの物価差は大きいのでしょう。
そして彼女は2022年、40歳のときにFIREしたのでした。
あっという間にFIREを後悔した理由
しかし、金曜日に退職した彼女は、月曜日には自分の決断を後悔したそうです。
あまりにも早すぎます。
その理由は一体何だったのでしょうか?
「人々のことが恋しくて、涙が涸れるまで泣き続けた」と語っています。
彼女のFIRE前のイメージは、退職したら3冊目の本を書き、昔の仲間に会い、コワーキング・スペースで起業家やアーティストとネットワークを築きながら暮らすことでした。
「友達もつくれなかったし、コワーキング・スペース環境から刺激を受けることもなかった」と語るように、彼女は一人で何かをするには不向きだったのでしょう。
FIRE達成後は孤独になることが多く、いかに一人で過ごすかが重要になります。
彼女は孤独な状態を「まるで宇宙空間を漂っているようだ」と語っていますから、彼女にとって余程のことだったのでしょう。
今回の事例はFIREを目指す人にとって非常に重要な示唆を与えてくれています。
FIREというと「経済的自立と早期退職」ですが、「経済的自立」の側面が強く、お金に対する準備ばかりに多くの人の意識が向けられているように思います。
しかし、本当に重要なのは「早期退職」のほうです。
要するに「退職してから何をするか」です。
彼女の場合は退職後のイメージは持っていたようですが、現実が全く異なっており、そのギャップで精神がやられました。
もし、FIRE前にコワーキングスペースを何か所も廻り、FIRE後に実際にどのような暮らしが待っているかを調査していたら、FIREを思い直したかもしれません。
悲しいかな「隣の芝生は青く見える」もので、早期に会社を辞めて悠々自適に過ごしている人の様子をネットで見ると、「自分もできるかも」と思ってしまうのでしょう。
多くの人がFIREに憧れますが、実際にFIREできる人は一握りです。
最大の難所は資産以上に「孤独対策」にあることを肝に銘じておくべきでしょう。
早期退職から生じる困難はさまざま
今回の主役である女性は孤独に耐えられず再就職を選んだわけですが、他にも様々な理由で会社に戻る人たちがいます。
まずは「経済的理由」です。
FIREを実行したものの、想定外の支出が続き、FIRE生活を維持できなくなり再就職するパターンです。
投資を収入の柱として考えていた場合、想定外の値動きにより資産収入を期待ほど得られなくなるというケースも考えられます。
また、FIREのために資産形成を優先させる生き方が嫌になったというケースもあるようです。
FIREを目指すデメリットの一つとして、資産形成のためにお金を使わず、楽しみを先送りにすることが挙げられます。
人間は今を生きているのであり、未来は何も保証されていません。
「何歳までに〇千万円貯めてFIREする」と言っても、何歳まで生きている保証はないのです。
にもかかわらず、今を犠牲にしてお金を貯め続けることが馬鹿らしくなりFIREを諦める人もいます。
あとは「生きがいの創出」です。
これは退職後の過ごし方を明確にしていなかった場合、実は働いて誰かに貢献することが生きがいだったことに辞めてから気づいた場合などが挙げられます。
多くの人は気づいていませんが、実は会社で働くことは良い意味で「暇つぶし」になっており、時間をほどよく使い、収入も得られ、自分を成長させてくれる場になっているのです。
その日常が当たり前になってしまい、感謝の念を忘れてしまっているのが多くの人の置かれている現状です。
会社を辞めたくてFIREするのではなく、何かをやりたいからFIREするというモチベーションでない限り、FIREしないほうがよい、というのが私の結論です。
まとめ
以上『元グーグル社員が金曜日にFIREして、月曜日には後悔していた理由』でした。
いかがでしたか?
それにしてもFIREしてわずか3日でギブアップというのもいかがなものかと思いました。
いかに準備不足だったか、そして自分を理解していなかったかが伺えます。
これからFIREを目指す人は、自分がどういう人間なのか、孤独に耐えられるタイプなのかは必ず把握しておくべきでしょう。
会社を辞めてから、延々と孤独が続くわけで、1日2日の次元ではありません。
会社を辞めたらどうなるかの想像力の欠如は大きな過ちを犯す原因となります。
FIREを実行したいのであれば、あらゆる方面の対策を万全にしてからでないと後悔することになります。
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