いいことばかりとは限らない。FIREのデメリット8選
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
各メディアで取り上げられる機会の増えているFIRE(Financial Independence, Retire Early)。
経済的に自立することで、仕事から早期に解放され自分の時間を過ごせるようにする欧米を中心に流行し始めた新しい生活スタイルです。
やりたくもない仕事から解放されたいとFIREを夢見る人たちが増える一方でデメリットがあるのも事実です。
そこで今回はFIREのデメリットを考えていきます。
デメリット1 年利4%の運用益を毎年確保できるとは限らない
FIREの考え方の一つに「4%ルール」があります。
「4%ルール」とは「年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえる」という考え方です。
理屈で言えば簡単なのですが、4%の運用益は約束されたものではありません。
長期で見れば相場が好調な時期ばかりとは限らず、4%に届かない年もあるはずです。
時にはマイナスになったり、下手をすれば元本割れの事態に陥る可能性だってあります。
運用益が4%に届かない場合は資産を切り崩す必要が生じます。
それでも収入が不足するの場合は労働で収入を得なければなりません。
仕事から解放されたかったはずなのに、結局仕事をしなければいけない状況に追い込まれる可能性のあることは念頭に置いておくべきでしょう。
デメリット2 急な出費に弱い
FIREは理論上4%ルールを守れば半永久的に不労所得で生活できます。
しかし残念ながら人生を送る上で発生する費用は生活費ばかりではなく、時に想定外の支出を余儀なくされます。
病気やケガ、家電の故障による買い替え、住居の修繕、友人親族の冠婚葬祭などなど。
急な出費が重なったり高額に至った場合、支出の増加により4%ルールを守れなくなり、資産を取り崩す可能性が生じます。
また将来的には消費税率のアップ、社会保険料の増額といった懸念もあります。
支出が半永久的に「4%ルール」に収まり続けるとは限らない点も計算しておくべきです。
デメリット3 成長が止まり社会復帰が難しくなる
FIREのデメリットとして自身の成長が止まってしまう可能性も挙げられます。
仕事を辞めるためキャリアは途絶え、自身の成長の機会を失います。
仮に何らかの理由でFIREを辞めて社会復帰をしようとしても、しばらく仕事から離れていれば上手くいかないことも多いでしょう。
そもそも再雇用に至ることさえ難しいかもしれません。
雇用する企業側もキャリアが長期に渡り途絶えていた人を積極的に雇用したいとは思わないはずです。
またFIREとなると一定以上の年齢にも差し掛かっている可能性がありますから、年齢が高くなればなるほど正社員として再雇用される可能性は低くなるでしょう。
デメリット4 社会的信用がなくなる
会社を退職した場合、社会的な信用力が無くなります。
社会的な信用力がなくなると、お金に関するいくつかの場面で不都合が生じます。
例えばクレジットカードを作ること、賃貸物件の契約、ローンを組むことなどは難しくなる場合があります。
不動産投資で「億り人」になった人の中には、お金を借りて新たな物件を購入するためにサラリーマンを続けている人もいるくらいです。
会社に勤め、定期的に安定した収入を得ることが実は最大のメリットの一つだったとは、普段のサラリーマン生活では気づけないのではないでしょうか。
デメリット5 人間関係が希薄になる
FIREすると仕事から解放される反面、人や社会とのつながりが途絶えてしまうものです。
特に「会社人間」と呼ばれるようなの人ほど退職後に人間関係が希薄になりがちと言われます。
孤独に耐えられるメンタルの強い人ならともかく、そうでなければFIRE後に寂しい想いをするかもしれません。
FIREをしてやりたいことがあるわけではなく、単に仕事が嫌でFIREしたい人は注意が必要でしょう。
FIREしたけれど結局再就職先を探すなんてことになるかもしれません。
デメリット6 FIRE実現までに長い時間を要する
FIREを達成するにはなかなかの金額を用意する必要があります。
そのため蓄財に相当な時間を要します。
節約に節約を重ねて支出を抑え、余ったお金はすべて投資に回し、できるだけ早くFIREを達成しようとしても時間がかかります。
高収入であればどんどん入金力が加速していくのでしょうが、そういうわけにいかない人も多いはずです。
30代でFIREできる人などほんの一握りで、40代でFIRE実現できても相当ラッキーな部類に入ると思います。
50代でようやくFIREでは多少は自由を謳歌できるかもしれませんが、それまでの時間は取り戻せません。
デメリット7 豪遊できるわけではない
仕事を早期にリタイアできると聞くと、世間一般的にはクルージングに行ったり世界一周したりと旅行三昧、豪遊しまくりといったイメージがあるかもしれません。
しかし実際のところは4%の運用益の中で生活するわけですから、慎ましい生活になります。
毎日シャインマスカットを食べたりするわけではありません。
極めて質素な生活を送ることになるわけです。
常日頃から生活費はとことん抑えて貯金・投資に回す生活に慣れ親しんだ人なら何の抵抗もないと思います。
しかし単に仕事からの解放を求めたいがためにFIREを目指す人にとっては、待ち受ける現実は厳しいものかもしれません。
遊べるわけではないですからモチベーションも上がらず、必要な資金を貯める道半ばで挫折するでしょう。
デメリット8 将来の年金受給額が減る
FIREすると定期収入を失います。
その後65歳から年金を受け取れるようになりますが、FIREしていれば大きな障壁にぶち当たります。
サラリーマンとして働き続けた人に比べ少ない年金受給額になります。
老後に一定金額が定期的に入ってくることほどありがたいことはありません。
その受け取れる金額が他の人たちと比較して少なくなることはFIREを志す時点で受け入れておかなければいけません。
少ない年金でもやっていけるだけの資産を築いておく必要があります。
セミリタイア(サイドFIRE)が理想的?
実際にFIREしたと言っている人たちを見ると、本当に何もせず投資の運用益のみでやりくりしている人はほとんど見かけないように思います。
何かしら自分の好きだったこと、得意だったこと、やりたかったことで運用益以外の収入を得ている、完全なFIREと言うよりサイドFIREに見えます。
ただしサイドFIREに見える理由は、ネットで情報発信している人たちしか見えていないからかもしれません。
実際のところ運用益以外の収入があると安心感が全く違うと思います。
先にも述べましたが、運用益を毎年4%以上得られるとは限らないからです。
そもそもで言うと、何のためにFIREを目指すかと言うと「仕事からの解放」ではなく「自分のやりたいことの実現」のためのはずです。
よってFIREしたら何も働かないのではなく、本当にやりたかったことにとことん時間を使えますから、実質的にはサイドFIREの形態になる人が多いのだと思います。
まとめ
以上『いいことばかりとは限らない。FIREのデメリット8選』でした。
いかがでしたか?
最後にまとめです。
1 年利4%の運用益を毎年確保できるとは限らない
2 急な出費に弱い
3 成長が止まり社会復帰が難しくなる
4 社会的信用がなくなる
5 人間関係が希薄になる
6 FIRE実現までに長い時間を要する
7 豪遊できるわけではない
8 将来の年金受給額が減る
FIREは「目的」ではなく「手段」です。
考え抜いて辿り着くのはやはり「FIREして何がしたいのか?」でした。
FIREがゴールではなくスタートになるよう「FIRE後」をイメージしなければならないと思いました。
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億の資産を持ちながらFIREしない人もいます。
セミリタイアでさえ抵抗ある人だっているものです。
60歳でリタイアではなくセミリタイアにとどまる人がいるのも現実です。