インフレで老後資金は4000万円必要?5年前は2000万円だったはず
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「老後資金は2000万円必要」と急に叫ばれたのは2019年の話。
あれから5年が経過し、世の中の情勢は変化しました。
老後資金界隈も変化し、気づけば「老後は4000万円必要」と叫ぶ人も登場しました。
実際に老後資金として4000万円も準備しなければいけないのでしょうか?
今回は『産経新聞』に掲載された老後に関する記事をご紹介しながら、本当に必要な老後資金を考えます。
物価の上昇が止まらない
最近は、物価の値上がりに関するニュースを定期的に見ているような気がしました。
そして、実際にその感覚は外れているわけではなさそうです。
記事によれば、食品の値上げは帝国データバンク調査によると、なんと1万2458品目にのぼるのだとか。
年間の平均値上げ率は17%だそうです。
あなたは食費の値上がりを実感していますか?
私は普段の買い物で細かく商品の金額を気にするタイプではないため、あまり実感もないのですが、ちゃんと見返すと食費が増えているのかもしれません。
物価の上昇は食費に限りません。
私にとって大きなショックだったのは、仕事の時に愛好している革靴です。
私の所有する革靴のうち、確か2016年に購入した一足のシリーズが現在も販売継続されています。
当時37,800円で購入したのですが、2024年現在52,800円と1万5000円も値上がりしていました。
あまりの値上がりぶりに大きな衝撃を受けました。
おそらく人それぞれで驚いた品目があるでしょう。
なぜ老後資金は4000万円に肥大化したのか?
いろいろな品目で値上がりが続いていますが、値上がりは今後も続くと想定されます。
ということは、未来の支出は増加の一途を辿る可能性が高いと言えます。
ここで本題の「老後4000万円問題」の登場です。
2019年当時、年金暮らしの高齢無職世帯の収支は月5.5万円の赤字になり、30年続くと1980万円で、老後のお金は約2000万円不足するという資産が発表されました。
この2000万円という金額は非常にセンセーショナルに報じられ、瞬く間に「老後は2000万円必要」というのが定説であるかのごとく広まりました。
しかし、現在は物価が上昇し続けています。
よって、支出は増加するはずですから、資産しなおしたのが今回の記事で紹介された「老後4000万円問題」です。
毎年3.5%の物価上昇が続くと仮定すると、20年後に必要な老後資金は3980万円、約4000万円に拡大するという資産です。
「老後4000万円問題」に対する評価
この試算に対しては異論があるのも事実です。
主な指摘ポイントは2つ。
1つは年率3.5%が高すぎるのではないか、もう1つは基準が2019年当時のままはおかしいのではないか、です。
私もこの2点については疑問があります。
しかし一方で、この試算をしたFPさんは「強い注意喚起」だと話していることから、インパクトが重視されたものだと推測できます。
確かに2000万円が倍増して4000万円になれば、嫌でも注意を引き、自らの老後資金を考える上で一石を投じることになるかもしれません。
では、他の専門家たちはどのように考えているのでしょうか?
記事で紹介されていたのは某エコノミストが試算したパターンです。
最近の高齢夫婦世帯の赤字が3.8万円に縮小し、物価上昇率は日銀目標の2%だった場合、老後資金は2033万円必要となり、4000万円の半分で済みます。
さらに、世帯主の加齢に伴い支出が減少することから、年々赤字幅が小さくなる可能性も指摘しており、その場合は1144万円まで減少する試算となっていました。
1144万円なら、そこそこの企業なら退職金でカバーできる金額であり、無理に現役時代に貯金しておかなくてもよくなります。
本当に必要な老後資金はいくら?
1144万円から4000万円まで、必要な老後資金の試算に大きな幅が生じました。
一体どれを信じればよいのか、悩む人が出てくるかもしれません。
しかし、悩む必要など全くありません。
なぜなら老後資金は結局のところ世帯ごとに必要な金額が異なるからです。
自分の条件で試算することが大事です。
今回の記事で学べることの1つは、未来のお金を試算する際、支出が年々増加する想定をしておかないと危険であることです。
もう1つは、支出の額次第で必要なお金が大きく変動するということです。
老後資金がいくら必要か、という議論以上に「いかに支出を抑えるか」を真剣に考えたほうが老後資金の有効な対策になる可能性があるのです。
まとめ
以上『インフレで老後資金は4000万円必要?5年前は2000万円だったはず』でした。
いかがでしたか?
本当に老後資金が4000万円必要かどうかは分かりません。
ただ、何もやらずにいざ老後を迎えたとき、お金が足りないのは悲劇でしかありません。
本人には悲劇ですが、周りの目からは喜劇に映るでしょう。
お金が足りずに後悔するか、お金が余り後悔するか。
どちらかと言えば、お金の足りないほうが苦しい人生になるのではないかと考えています。
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「老後資金4000万円必要」という意見が出てきましたが、それは誤解と言えるでしょう。では、本当に必要な金額は一体いくらなのでしょうか?