5000万円以上あるのに「お金が使えない症候群」の正体と処方箋

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
51歳、独身、資産5000万円どころか6000万円超。
一般的には「老後資金は十分」と言われるレベルにもかかわらず、なぜかお金が使えない。
そんな「お金が使えない症候群」に悩んでいる方は少なくありません。
かくいう私もその一人です。
『DIE WITH ZERO』に共感しておきながら、全然お金を使えず、思い出作りができません。
本記事では、資産が十分にあるにもかかわらず、心のブレーキがかかってお金を使えない心理とその解決策について、じっくり解説していきます。
なぜお金が使えないのか?─「症候群」の原因を深掘り
「お金があるのに使えない。」
それは決して「ケチ」ではなく、いくつかの心理的・文化的な背景があります。
何も私だけが陥るわけではありません。
以下に主な原因を挙げてみましたので、順に見ていきましょう。
1.将来の不安
「今は大丈夫でも、病気になったら?介護が必要になったら?インフレが進んだら?」という将来への漠然とした不安。
さらに「年金は大丈夫なのか?」という不安もあります。
日本は長寿国ですから、「90歳まで生きる前提」で資金を考える人も多いでしょう。
私の場合は100歳まで想定し準備しています。
しかも、独身であればこそ「自分の面倒を見てくれる人がいない」ことがリアルなリスクとしてのしかかってきます。
だからこそ、「まだ使ってはいけない」「将来のために取っておかなければ」というブレーキがかかりやすいと言えます。
2.節約習慣が抜けない
長年コツコツと資産を築いてきた方ほど、「浪費=悪」という価値観が染み付いています。
節約が習慣化している人にとって、お金を使うことそのものに罪悪感があるのです。
特に、若いころから苦労して節約・貯金を続けてきた方ほど、「贅沢=敵」「お金は増やすもので減らすものではない」という考えが無意識に刷り込まれています。
結果、資産がいくらあっても、心が“節約モード”から切り替わらないのです。
しかし私の場合、お金を使うこと自体を「悪」だとは思いません。
3.「お金が減る」ことへの恐怖
一度築いた資産が減ることに強いストレスを感じる人も多くいます。
特に独身の場合、「自分ひとりで生き抜かねばならない」という思いから、より慎重になります。
「もしこの先10年以内に大きな出費があったら?」と考えると、たとえ今の生活に余裕があっても、「現金を使うこと=安心を手放すこと」と感じてしまうのです。
特に金融ショックや経済不安を経験した世代では、この傾向が強く表れるようです。
私自身もタイプとしてはこれだと思います。
もともと決して裕福な家庭とは言えない家で育ったため、お金持ちに対する憧れのようなものもありました。
それ故に、一度貯めたお金は手放したくないという恐怖とは少しことなる感情を抱いているのは間違いありません。
そして、まだまだ資産を増やしたいと考えており、ここで使って減らすわけにはいかないとの想いのほうが強いのだと思います。
4.楽しみ方が分からない
現役時代は仕事が生活の中心。
引退後に「やりたいことがない」「何をしたら楽しいか分からない」という状況では、そもそもお金の使い道が思い浮かばないという問題もあります。
また、「贅沢の仕方」を学んでこなかったため、いざ自由にお金を使っていいと言われても、ピンとこないかもしれません。
「本当にこれにお金をかける価値があるのか?」と考え込んでしまい、結局使えないまま時間だけが過ぎていきます。
支出の削減をしっかりしてきた人ほど、娯楽に対して「無駄」と判断してお金を出さないかもしれません。
5.社会的な視線
特に日本では「堅実・質素」が美徳とされやすく、「派手にお金を使う人=軽薄」という目で見られるのを気にする傾向があります。
「独身なのに贅沢三昧なんて…」と思われたくない、という無意識の“同調圧力”が、使うことに対する遠慮やブレーキを生んでいるのです。
SNSや周囲の声が気になる方ほど、慎重になりがちです。
ちなみに、私の場合は周囲の声など気にならないので、社会的な視線は気にならないです。
「お金を使える自分」になるための5つの処方箋
では、どうすればこの「使えない症候群」から抜け出し、自分の人生に資産を活かすことができるのでしょうか?
以下に、具体的な5つのアプローチを挙げてみました。
1.自分の価値観と欲求を棚卸しする
「何にお金を使いたいのか」「どんなことに価値を感じるのか」を自分なりに言語化することから始めましょう。
たとえば、以下のような問いを自分に投げかけてみましょう。
・今しかできないことは何だろう?
・お金が無限にあったら何がしたい?
・誰かのためにできることは?
・過去に楽しかった経験は?
・自分が本当に大切にしているものは?
こうした問いを通じて、自分が何に満足を感じるのか、何に心を動かされるのかを明確にしていきます。
その先に「使ってみたい」と思えるお金の使い道が浮かび上がってきます。
2.お金の取り崩し計画を立てる
「いつ、どのくらい使っても大丈夫か?」を数値で明確にしてみましょう。
以下は簡単な試算例です:
資産:6000万円
想定余命:30年(〜81歳)
年間使える額=6000万円 ÷ 30年 = 200万円
年200万円ずつ使っても、元本がゼロになるまで30年かかります。
実際には年金もある、投資益もある、すべて使い切る必要もない……と考えれば、むしろ「使わないほうがもったいない」と思えるのではないでしょうか。
さらに細かく家計シミュレーションをしたり、ファイナンシャルプランナーに相談してみたりすることで、「計画的に使うなら大丈夫」という安心感を得られます。
3.小さな贅沢から始める
いきなり高級車を買う必要はありません。
まずは「気になっていたレストランに行ってみる」「国内の高級旅館に一泊してみる」「好きなブランドの服を一着買ってみる」など、日常にちょっとした“ごほうび”を取り入れてみましょう。
その体験が「お金を使ってよかった」という成功体験となり、次第に使うことへの抵抗感が薄れていきます。
また、経験に投資することで心が豊かになることを実感すれば、「お金を減らすこと=損」ではなく、「心を満たすための交換」と考えられるようになるかもしれません。
4.他人の後悔から学ぶ
人生の終盤で語られる後悔の多くは「やったこと」より「やらなかったこと」に関するものです。
・「もっと旅行しておけばよかった」
・「人との時間を大切にすればよかった」
・「お金があったのに、使えなかったのが悔しい」
特に、体力があるうちにできることは限られています。
時間と体力、そして資金がそろっている“今”こそが、人生における黄金期なのです。
後悔しないためにも、まずは「今、この瞬間を楽しむ」ことの大切さに気づき、未来の自分から「よくやった」と言ってもらえるような選択をしていくべきです。
5.他者のために使ってみる
自分のために使うことに抵抗があるなら、「誰かのため」に使うという方法もあります。
・両親や兄弟姉妹との家族旅行をプレゼント
・若い世代を応援するクラウドファンディングへの支援
・医療・教育・災害支援などへの寄付
こうした“社会貢献的な消費”は、心理的にもポジティブに作用しやすく、お金を使うハードルを下げてくれます。
また、感謝される経験は自尊心にもつながり、「お金を使ってよかった」と心から思えるきっかけになるかもしれません。
「お金を使うことは、自分の人生に責任を持つこと」
資産形成は大きな努力の結果です。しかし、それを「活かせなければ宝の持ち腐れ」と言われることもあります。
お金を使うということは、単に「モノを買う」ことではありません。
・自分にごほうびを与えること
・他人を笑顔にすること
・人生の時間を豊かにすること
このような時間や人間関係や価値体験に「命の時間」を重ねる行為でもあります。
また、お金を使うことは「自分の人生に責任を持つこと」とも言えます。
「お金があるから安心」ではなく、「お金を使って自分の望む人生を実現する」という視点が大切です。
もし、まだ使うことに不安があるなら、信頼できるファイナンシャルプランナーと一緒にシミュレーションを行うのも良いでしょう。
「大丈夫」という確信が得られれば、安心して“今を楽しむ”ことができるようになるはずです。
まとめ
以上『5000万円以上あるのに「お金が使えない症候群」の正体と処方箋』でした。
いかがでしたか?
5000万円の資産は、普通の人にとって一生に一度築けるかどうかの大金です。
しかし、それは「使ってこそ意味がある」ものでもあります。
あなたが人生の後半を迎えた今こそ、お金を恐れるのではなく「味方」として使うタイミングではないでしょうか?
老後の安心だけでなく、“今日をどう豊かに生きるか”。
その選択は、いまのあなたにしかできません。
お金に支配されるのではなく、お金を活かして、自分の人生をもっと自由に、豊かに、幸せに生きていきましょう。
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