資産1億円でFIREした41歳が、わずか半年で会社員にカムバックのワケ

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
唐突ですが、あなたは何歳まで働くつもりですか?
定年まででしょうか?
それとも、定年以降もお金が不安だから働き続けるのでしょうか?
もし十分なお金があれば、早期リタイアを夢見ているのではありませんか?
今回は毎度おなじみ煽り系メディア「THE GOLD ONLINE」に掲載されたFIREの記事です。
タイトルを見る限り何となく中身は予想できますが、あえて見ていくことにしましょう。
念願のFIREを達成し、自由を得たはずが
今回の記事の主役は、元会社員のAさん(41歳)。
20代の時から「できるだけ早く自由になりたい」とFIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指しまてきたらしいです。
確かFIREは、アメリカで2010年代に入って提唱され始めたライフスタイルですから、20代のときに「FIRE」とは言われていなかったはず。
早期リタイアの概念はもちろん存在していましたが。
一旦この手の揚げ足取りは辞めておきましょう。
Aさんは資産運用や節約、さらに親からの相続も加えた結果、40代でついに1億円の資産を達成しました。
Aさんには奥さんと娘さんがいました。
がおり、看護師として働き続け、仕事を辞める気はありませんでした。
そこでAさんは自分が退職し、「主夫」として家事や子育てを担当すると宣言しました。
しかし、実際に退職してその生活を始めてみると、家事や子育てを一手に担う生活は想像以上に大変だったのです。
日々の食事、掃除、洗濯、子どもの学校や習い事の調整といった日々の"仕事"は、思っていた以上にAさんの体力も時間も奪っていきました。
条件を絞った再就職で得た「安心感」
Aさんは、完全な無職では家族との関係や自分の生活リズムが保てないと判断し、再就職をする決断をしました。
家庭、仕事、資産運用の三つの軸をほどよく回すことこそ、生活と心のバランスを保つ最適解だと考えたのです。
結局、FIREからわずか1年でAさんは再び仕事を始めることにしました。
月収は23万円強。
Aさんは働き始めることで、社会的なつながりが増え、生活リズムも安定し、自分のペースで仕事と家庭を両立できるようになりました。
奥さんと家事や子育ての負担も分散され、今のところ分担はうまくいっているそうです。
人には「適性」がある
今回の事例は、私には理解できない点があります。
仕事と家庭のバランスというより、単にAさんが家事の負担に耐えられなかっただけではないかと思いました。
人それぞれに適性というものがあり、いくら時間があっても苦手なものはできません。
Aさんは仕事や資産形成はできたのでしょうが、家事や子育ては不得手だったのでしょう。
だからこそ、あれだけ望んでいたFIREを捨ててでも、会社に戻る決断をしたのではないでしょうか。
これはFIREも同じです。
会社を辞めて自由になると、圧倒的に時間が増えます。
そして、時間を持て余しすぎた結果、暇すぎて孤独にも陥り、自分に存在価値を見出せなくなった結果、会社に戻るという人がいます。
FIREは誰しもが適しているわけではなく、人を選びます。
FIRE後の生活をどこまで具体化できているか?
そもそも、FIREしたい人の大半は「仕事を辞めたいから」だと思っています。
「こういうことをやりたい」と考えている人は少数派だと思っていますし、「やりたいことがある」という人もその理由は後付けなのではないかと勘繰っています。
なぜなら、本当に「やりたいことがある」ならば、すぐに会社を辞めて始めればよいからです。
資産がいくら貯まるまで我慢するというのは、時間の無駄でしかありません。
人間にとって最も大事な資産はお金ではなく時間であるという視点が欠けています。
ある程度の年齢まで重ねて、FIREというか引退ということであれば、話は変わってきます。
人生の最後に娯楽を目一杯楽しむことは何ら悪いことではありません。
そして、お金もそれなりにかかるでしょうから、「資産をいくら貯めたら辞める」という現実を見据えた目標設定になる可能性のほうが高いでしょう。
ただ、この場合にも「会社を辞めて、どのような生活を送るのか」を具体的にしておかないと、退職後の生活が行き詰まる可能性があります。
そんなにしょっちゅう娯楽ばかりをしていては、お金が足りず、間違いなく生活は破綻します。
そのため、娯楽以外も含め、どのような生活をするのか、それこそ学校の時間割ではありませんが、ある程度の計画は立てておくべきでしょう。
しかも、中長期で見据えておかないと、やりたいことが尽きてしまい、結局暇を持て余すことになります。
FIREはお金を貯めることも大事ですが、退職後が本当のスタートなのですから、退職後まで見据えた準備が必要であることを念頭に置いておくべきです。
そして、自分が本当にやりたいことが会社を辞めなければ手に入らないのか、今一度考えるとよいでしょう。
まとめ
以上『資産1億円でFIREした41歳が、わずか半年で会社員にカムバックのワケ』でした。
いかがでしたか?
FIREする場合、結婚して家族がいる場合は家庭との兼ね合いも関係してきます。
独断で推し進めると、Aさんのように自分の適性に気づかず、失敗する可能性があります。
会社を辞める前に、FIREしたらどうなるかをもっと具体的にイメージしておけば、今回の記事のような失敗はせずに済んだはずです。
FIREの「会社を辞められる」という面ばかりに目が行くと、真実を見失います。
FIRE後を具体的にイメージし、どのような生活が待っているのか、それが自分に合うのかどうか、よく見極める必要があるのです。
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