今から備えるべし!急増する老後破産とその6つの原因
今日は、ネットで見かけたこちらの記事から。
日本では「老後破産」という言葉をよく聞くようになりましたが、これは何も日本だけの話ではなかったようです。
アメリカでも65歳以上の破産が急増しているというのです。
アメリカでは、債権者からの保護を求めて、破産を申し立てる高齢者がこれまでになく増えている。1991年以来、破産を申請した人の割合は世代によっては200~300%増加している
40年以上の長きにわたり働き続け、地道に蓄財し、そして引退後は悠々自適の生活を送る。
そんな夢を抱いていたにもかかわらず、もろくも打ち砕かれているという人が増加しています。
その原因は一体何でしょうか?
今回は、アメリカの例をたどりながら、自らが老後破産しないために注意しなければいけない点を確認していきます。
老後破産の原因その1 年金の支給開始年齢の引き上げ
日本では、年金の支給開始時期が現在は65歳となっています。
そして、将来的な支給開始年齢の引き上げも避けられないところでしょう。
実は、この年金の支給開始年齢の引き上げは、日本だけでなくアメリカでも行われていました。
アメリカの年金の受給開始年齢は、1937年以前に生まれた世代では65歳ですが、1960年以降に生まれた層では67歳に引き上げられました。
老後破産の原因その2 収入の減少
これはアメリカでも日本でも同じです。
老後になれば、基本的には仕事を引退することになります。
よって、収入は年金のみとなるのが基本ですから、収入減は避けられません。
老後になってからも働くと仮定しても、現役時代ほどの収入になる可能性は低いでしょう。
よって、現役時代と同じような生活をしていた場合、老後になると赤字家計になってしまいます。
赤字を避けるためには、老後を迎えるにあたり、支出をスリムにしていく努力が求められます。
老後破産の原因その3 医療費の増大
United Health Foundationの2017年の調査によると、ベビーブーマー世代の高齢化が「高い肥満率や糖尿病、健康状態の良好な人の割合の低下」といったより大きな健康リスクとともに進んでいる。 これは、予期せぬ医療費の増大を招く可能性がある。
アメリカの場合、イメージとして肥満の人が多そうですから、それに伴っての健康リスクを抱えていそうです。
日本の場合はそこまでではありませんが、少なくとも現役時代に比べると、医療に頼る機会が増えていくことになるのは間違いないでしょう。
そこへ大きな病気をして、入院治療が必要となったとしたら、一定の金額を一気に失うこととなります。
老後破産の原因その4 子どもや親への金銭的な援助
また、破産に詳しいある弁護士は、ニューヨーク・タイムズの取材に対して、多くの親が子どものローンの連帯保証人になっていると語った。20~30年前には見かけなかった、学生ローンを抱えている高齢者もいるという。
老後にも関わらず、自分の子どもの資金的な援助を行わなければならない状況になっている高齢者は、日本でも増加傾向にあるようです。
さすがに日本では子どものローンの連帯保証人になっていることでの老後破産というのは耳にしませんが、自立できない子どもを抱えていることを原因としての老後破産が話題にのぼっています。
中高年の引きこもりも増加しており、本格的な調査に乗り出すことも報じられています。
老後に貯めたはずの資金を、まさか老後になっても自分の子どものために使うことになるとは予想だにしなかったことでしょう。
しかし現実として、自分の子どもの援助のために老後資金を使っている人たちが一定数存在しているのです。
ということは、子どもを抱えている人は、自分も将来そうなるリスクがあるということです。
また、自身がまだ老後を迎える前の段階では、自分の親の介護の問題も出てきます。
介護には一体いくらお金がかかるのか、正直言ってかなり多数に渡るパターンが考えられるため、自分でも想像つきません。
親の介護でどれだけの金額を使うかによって、老後に残る資金が大きく変わってきます。
ですから、自分のためだけでなく、親の介護のことも考えて貯金をしていかなければならないのです。
老後破産の原因その5 住宅ローン
さらに、ニューヨーク・タイムズは、定年を過ぎるにつれ、より大きな借金 —— 特に住宅ローン —— を抱える人の数が増えているという、Urban Instituteの分析を引用している。1989年から2016年で、住宅ローンを抱えている人の割合は2倍近く増加した。
住宅ローンについては、日本でも多くの方が抱えている問題でしょう。
家を買うとなると、現金一括で支払うことができる人は稀でしょうから、住宅ローンを組まざるを得ないと思います。
住宅ローンの返済が老後までに完済していればいいのですが、これが終わらなかった場合に大きな問題が生じます。
老後は確実に収入が減少するでしょうから、現役時代のうちに完済しておきたいところです。
老後破産の原因その6 不十分な預貯金
NerdWalletの調査によると、仕事をしているベビーブーマーは収入のわずか5%しか貯蓄に回しておらず、いざという時のための備えはほとんどない。
とにかくまずは貯金と考える僕からすれば、これは信じられないデータです。
収入の5%しか貯蓄に回していないとは、一体何を考えているのでしょうか?
そもそも、老後に対する備えをしていないということが浮き彫りになっています。
つまり、老後破産すべくして老後破産しているということが言えます。
貯金の目的は、旅行などのためではなく、老後破産を防ぐためにしましょう。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
老後破産の原因は、収入が減少し、支出も減らすことができておらず、十分な貯金ができていない、という複合的なものであるということが言えそうです。
また、自分だけの問題ではなく、親と子どものことも関係してくる問題でもあります。
自分のことだけを考えて貯金額を計算しておくと、後で後悔することにもなりかねません。
そして、健康問題。
最終的には病院のお世話にならざるを得ないのでしょうが、病院のお世話になる回数を減らす努力は今からでも可能です。
若い人たちにとっては老後破産の問題は、まだまだ先のことかもしれません。
しかし、確実に迫ってくる危機でもあります。
今からこの問題のことを意識はしておき、できることには取り組んでおきましょう。