ファイナンシャルプランナーは知識はあるが貯金があるとは限らない
『毎月3万の貯金で"暗黒人生"は変えられる』という記事を読みました。
タイトルを見たときには、毎月3万円貯金することで大きなお金を貯めることができるようになっていく、みたいな記事だと思いました。
しかし、その印象は全然違いました。
なぜなら冒頭の一節にこんな文章があったからです。
ファイナンシャルプランナーの水野綾香さんは「私は『貯められないFP』でした。そのため自分に自信が持てず、自己肯定感がどん底という『暗黒の時期』がありました」と話す。
ファイナンシャルプランナーといえばお金の専門家。
それがお金を貯められないのだというのですから驚きでしかありません。
お金のプロも所詮は人間であるということです。
彼女は今、貯金ができなかった自分を克服したようですから、ここに貯金ができるようになるヒントがあるのではないかと思い、今回記事に取り上げてみました。
貯められないFPの実態
まずはこの貯められないFPは、どんなことにお金をつかってしまっていたのでしょうか?
ここに貯金ができない最初のヒントが隠されています。
「先月はだめだったけれど、今月こそはお金を残して貯めよう」。そうやって意気込んではみるものの、時間があれば自己投資をしていろんな人と会いたいという気持ちが先走り、自分の中の小さな決め事を守れずに、挫折をくり返していました。
はい、出ました「自己投資」。
僕は正直なことを言うと、自己投資という言葉は決して好きな言葉ではありません。
理由はなんとでもいいように解釈できてしまうからです。
自分にとってプラスになると思われることであれば自己投資。
エステやネイルや飲み会も全部自己投資になります。
記事中に「支出の中心は週5日の外食(交際費)と趣味のビジネス系セミナーへの参加」とあるのがまさにそれ。
結局、飲んで楽しみたいだけです。
先の引用文の中に書いてある「自己投資していろんな人と会いたい」と書いて、「あそびたい」と読むのです。
また、こんな記述もあります。
「なんとなくの購買」も多く、給料日前に通帳をみると「あれ? お金が残ってない?」という残念な生活でした。「自分はなんてダメな人間なんだ」と自己肯定感が下がると同時に、落ち込んだ気分で過ごす日も増えていきました。
自己責任です。
そもそも落ち込む前に十分楽しんだわけですからプラスマイナスゼロであって、勝手に落ち込んでいるだけです。
きっとこの人の話を読んでみて、思い当たる節のある人は多いかもしれません。
こういう人は、口ではお金を貯めたいとは言うものの、本気で貯めようという気はさらさらないのです。
きっかけは「先取り貯蓄」
こんなFPが貯金できるようになっていくきっかけとなったことは一体何だったのでしょうか?
それが分かるのはこちらの一節。
年間60回ほど行うマネーセミナーの中で、「先取り貯蓄をしましょう」と、私自身が参加者のみなさんに声高に訴えていたのです。しかし私は「知っている」だけで「やってみる」ということをしていませんでした。
「知行合一」という言葉があります。
本当の知とは実践が伴わなければならないという意味です。
その意味で言うと、このFPは知識だけです。
うわべだけということです。
先取り貯蓄をやったことがないのに、セミナー受講者に先取り貯蓄を訴えていたというのですから呆れてものも言えません。
ただ、気づいて実行に移そうと思ったのは良いことです。
では、どうすればお金を貯められるのだろうと悶々としているときに、ただ一つ「できていた貯蓄」があることに気づきました。
勤務先で加入していた「確定拠出年金」です。
先取り貯蓄は先取り貯蓄でも、確定拠出年金にたどり着いたのはラッキーです。
確定拠出年金は60歳まで引き出すことができません。
強制的に貯金せざるを得ない状況を作ることになりますから、お金が足りなくなって貯金を取り崩すということを繰り返してきた人にとってみては極めてハードルの高い方法です。
貯金が苦手なら、このように一度貯めたら引き出しにくいハードルの高い方法を利用するのがよいということです。
今ならiDeCoが一番良い制度ではないでしょうか。
ただし、引き出すハードルも高いですが、始めるまでのハードルも高い(苦笑)
手続きが面倒くさいです。
ここで心が折れなければ、iDeCoは使える制度だと思います。
キーワードは「ほったらかし」
貯金が苦手な人にとって、もう一つハードルがあります。
貯金が苦手な人は、ルールを決めて細かなことをいろいろとやることを苦手にする傾向があります。
その点、先取り貯蓄はいろいろとやる必要がありません。
銘柄選びや証券会社の口座開設など、はじめての方は少しだけ手間に思うかもしれません。でも、一度投信の積み立てをはじめてしまえば、毎月決まった金額が銀行口座から自動で引き落とされて勝手に貯まっていきます。ときおりポートフォリオを見直すなどメンテナンスの必要はありますが、基本的には“ほったらかし”にすればいいのです。
面倒なのは最初の手続きのみ。
始めてしまえば、あとは何もする必要はありません。
貯金が苦手な人にとっては、これほど楽なものはないでしょう。
ですから、貯金したいのであれば、何もしなくても貯まっていく仕組み作りが重要であるということが分かります。
小さな成功体験が自信につながる
貯金できないと嘆いている人にとって、貯金を成功させるには小さな成功体験を積み重ねることが大事です。
このFPの言葉を見ても、それは一目瞭然です。
積み立ての習慣さえできてしまえば、あとは運用額が数値として目にみえるかたちで増えていきます。それが「自分は貯金できている」という小さな成功体験になり、自信をもてるようになっていくのです。
このFPにできたことと言えば、毎月3万円の積み立てです。
年間36万円の貯金でしかありません。
それなのに、記事の最後には冗談で「貯められるFP」を名乗るほどの前向きっぷり。
おめでたいです。
しかし、このポジティブさは貯金できるようになったという成功体験があってのもの。
たとえ小さな目標であっても達成できたというのは自信になるという証拠です。
いきなり大きな目標を設定するのではなく、大きな目標の達成のための小さな目標を段階的に設定して、それを一つずつクリアしていくことを心掛けたほうがよいでしょう。
まとめ
以上「ファイナンシャルプランナーは知識はあるが貯金があるとは限らない」でした。
お金の専門家であっても、自分では貯金できない人がいることがよく分かりました。
そして、このFPの経験から、貯金が苦手な人に適した貯金法が見えてきました。
ズバリ、iDeCoです。
なかなか貯金ができないと嘆いている人は、iDeCoを始めてみませんか?
iDeCoなら毎月積み立てで、最初の面倒な手続きだけすればあとはほったらかしでOK。
60歳になったとき、びっくりするような金額が貯まっていることでしょう。
始めてみようと思った人は、SBI証券で口座開設してみませんか?