年金生活の実態とは?実例に抱いた6つの疑問と7つの学び

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

年金生活の先にあったのは“理想とかけ離れた老後”…加藤綾子キャスターが見た、高齢者の現実

参議院議員選挙を控え、テレビ局側としては老後資金2000万円不足問題に絡めて、できるだけ年金・老後の不安を煽るような映像を作りたいのではないかと思います。

ただ、今回の記事内で紹介されていた事例の人がどうにもおかしい気がしてなりません。

はたして、この人を典型的な年金生活と捉えてよいのか、正直言って疑問です。

むしろ、ちょっとおかしいのではないかとも感じました。

そこで今回は、テレビの年金生活者に抱いた疑問を通じて、我々は現役時代に何をしておくべきなのか考えてみたいと思います。

年金生活者の実際の収支

今回の記事は、加藤綾子がメインキャスターを務めているフジテレビの『Live News it!』と連動しているようです。

参院選当日にも特番がある模様。

どの局の特番を見ても、横並びで特に代わり映えがしませんから、特にどこを見ようとあまり差異がないように思いますが。

さて、本題の年金生活者について、下の画像がその収支です。

(引用元:https://www.fnn.jp/posts/00047266HDK/201907161855_livenewsit_HDK)

いろいろと疑問や違和感を感じませんか?

「こんなに苦しい老後を迎えるとは夢にも思ってなかったです」とは、この年金生活者の言葉。

でしょうね。

年金生活者の実態が見えてくるものと思いきや、年金生活者の抱える矛盾が見えてきたように思います。

疑問1 家賃が高すぎる

今回の年金生活者の人は、次のような人です。

東京都内で2Kのアパートに1人で暮らす女性、鈴木ミヨ子さん(66)。11年前に最愛の夫・博さんを亡くし、子ども2人とは音信不通で頼れる親戚もいないという。

(引用元:https://www.fnn.jp/posts/00047266HDK/201907161855_livenewsit_HDK)

東京都内で暮らしているそうなのですが、家賃を見てギョッとしました。

年金生活者には高すぎる家賃なのでは?

年金生活者というか、もはや生活保護受給者なわけで、それなのに月5万3千円ってのはいかがなものかとおもいました。

収入の45%をも占める金額になっています。

これでは生活が苦しいはずです。

このような物件に住むに至った経緯が分かりませんから安易に批判すべきではないのですが、もう少し安い部屋に住むことはできなかったのでしょうか。

疑問2 光熱費・電話代が高すぎる

次に、光熱費・電話代が3万円というのもいかがなものかと。

僕個人で毎月2万円程度です。

記事を読むと、普段は電気をつけないと書いています。

大変なご苦労をなさっているのだとは思いますが、それなのに月3万円の光熱費・電話代とはどういうことでしょうか?

大手キャリアのスマホを2台持ちでもしているのでは?と思わざるを得ません。

光熱費・電話代を1万円削れるだけで、だいぶ生活が変わるのではないでしょうか。

疑問3 生活保護と年金を合わせて月10万円以上もらっている

最も驚いたのが、生活保護を受けていることです。

年金は3万9500円しか受給できていないため、さすがにこの金額では生活していけず、生活保護を受けているとのこと。

生活保護を受けるためには、資産を持っていないことが条件になるため、先ほどの疑問1で見た家賃を支払って暮らしている理由はこれでしょう。

おそらく生活保護を受けるために、所有していた家を売却したのではないかと推測できます。

で、何が疑問だったかというと、生活保護で7万9000円ももらえるのかという疑問というより率直な感想といったところです。

老後資金が2000万円不足するといっても、最後の最後に生活保護というこれだけ手厚いセーフティネットがあるならば、老後をそこまで恐れることもないのではと思いました。

疑問4 60歳から年金をもらっている

ふと気づいたことが、「年金生活7年目の現実」という言葉が書いてあったことでした。

この人、66歳です。

ということは、60歳から年金を受け取っているということになります。

改めて調べてみると、現在は厚生年金が65歳支給開始になる移行期間で、早い人はこれまでどおりの60歳から特別支給を受けているとのこと。

厚生年金が完全に65歳支給開始になるのは、男性が2025年度、女性は2030年度かららしいです。

これは全然知りませんでした。

そして、この人がどうこうというより、自分の親は何歳から年金を受け取り始めたのだろうかとふと疑問を抱いた次第です。

疑問5 年金保険料の未納期間がある

記事を読み進めると、この年金生活者の人は年金保険料の未納期間があることが分かりました。

どうやら病気のため、働くことができなかったようです。

ただ、10年前の国民年金であれば、月1万5千円を少し下回る程度の金額。

現役時代にいざというときに蓄えていなかったであろうことが容易に伺えます。

もちろん、いろいろな事情があるでしょうから、一概には言えません。

ただ、どういう理由であれ年金を納めていないのに、老後が苦しいと言ってはいけません。

疑問6 子どもが音信不通

最後の大いなる疑問は、子どもが音信普通であることです。

一体どのような子育てをしてきたのでしょうか?

ちゃんと親子の関係を築いていれば、子どもは少なからず心配してくれるはず。

そのような形跡が全く見られません。

お金がなくなった時点で親戚に頼るのは、いかがなものかと思います。

それでも、それまでに親戚とどのような関係を築いてきたのかは疑問が残ります。

以上が年金生活者の実例に感じた6つの疑問でした。

年金生活者の実例からの7つの学び

さて、ここからが本題。

実例に疑問を抱いただけでは、何の意味もありません。

この実例を反面教師にして、自分が老後に生活保護を受けないよう準備をしていかなければなりません。

その意味では、非常に有意義な記事であったとも言えます。

では、今回の年金生活者の実例から、我々はどのような準備をしておかなければならないのでしょうか?

以下、思い当たる7つの学びです。

  • 1 持ち家を所有し、支払いは済ませておく
  • 2 節約術を磨いておく
  • 3 年金は完納する
  • 4 貯金しておく
  • 5 親族・友人・近所との関係性を築いておく
  • 6 健康に気をつける
  • 7 お金のリテラシーを高めておく

今回は生活保護を受けており、持ち家を手放さなければならない事情だったのではないかと思いますが、それにしても老後の家賃の負担は大きいと改めて痛感させられました。

また、物件を購入していたとして、住宅ローンを引きずっていた場合も同様です。

住宅費は、老後の生活を大きく左右するように思いました。

また、光熱費・電話代のかかりすぎは、どう考えても節約術を知らないと言わざるを得ません。

徹底した節約術を知っていれば、おのずと支出は少なくなります。

それから、何と言っても年金は払っておくということです。

年金廃止、金を返せ、といった声もあるようですが、実は年金ほど多くの金額が返ってくるものは、他を探してもそうそう見つかりません。

生活のすべてを保証してくれるといった過剰な期待はいけませんが、ある程度は信用できる収入源となってくれます。

もちろん、40代が年金をもらう頃、年金のみで生活できる人など少なくなっているでしょうから、ちゃんと貯金して、老後資金を貯めておくのは必須といっても過言ではありません。

また、親族・友人・近所との付き合いも、ほどほどにやっておかないと、老後に一気に孤立してしまう危険性があります。

そして、何と言っても健康第一。

健康であれば、何とでもなるのが今回の年金生活者の事例からもよく分かります。

最後は、お金に関する知識を勉強しておかないと、老後に「こんなはずじゃなかったのに」と後悔してしまうことになるというのがよく分かりました。

まとめ

以上『年金生活の実態とは?実例に抱いた6つの疑問と7つの学び』でした。

いかがでしたか?

年金生活者の実態から浮かび上がってきた事実から、将来自分が何に気をつけるべきかお分かりいただけましたでしょうか?

楽しい老後を迎えるためには、今から準備をしておくに越したことはありません。