年金の75歳繰り下げ受給があながち無意味とは言えない理由

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

年金の繰り下げ受給についてです。

おそらく大半が75歳まで繰り下げないとは思いますが、考え方次第では繰り下げ受給は使えるかもしれないという話です。

今年4月から75歳まで繰り下げ可能に

まずは改めて年金の繰り下げ受給について。

年金の受給開始は原則65歳です。

実際は受給開始を早めたり遅らせることが可能です。

早める場合(繰り上げ受給)は60歳0ヶ月まで早められますが、受給額は現行制度では1ヶ月ごとに0.5%ずつ減額していきます。

しかし今年4月からは減額が0.4%に変更となります。

よって最大で0.4%×12ヶ月×5年=24%の減額となります。

一方、年金の受給開始を遅らせる場合(繰り下げ受給)は現行制度では70歳0ヶ月まで繰り下げられます。

こちらも今年4月から制度変更となり、75歳0ヶ月まで繰り下げる期間が延長されます。

この結果、年金受給額は1ヶ月遅らせるごとに0.7%増えるため、最大で0.7%×12ヶ月×10年=84%の増額となります。

100万円もらえる人なら10年間繰り下げると184万円もらえる計算になります。

老後の人生最大の恐怖は「資産の取り崩し」

年金生活に入ったら、資産を取り崩して生活せざるを得ない人も多いかもしれません。

特に私のような現在40代だと、現在の高齢者が受け取っている金額より少ない年金額になっている可能性もあります。

早い年齢から取り崩しを開始した場合、自分がいつ死ぬか分からない以上、どの程度取り崩してよいのかも不明です。

また、住宅や家電など何かしらのアクシデントによる臨時の出費が発生することも少なからずあるでしょう。

徐々に資産を減らしながら生きていくのは経験がありませんが相当な恐怖かもしれません。

そこで「繰り下げ受給」を利用すれば資産取り崩しの恐怖から逃れられるかもしれません。

〇〇歳まで年金を繰り下げ受給する戦略

どんな人でも基本的には自分の生活費がおおよそどれくらいの金額がかかるか把握できるはずです。

そして60歳近くになれば自分の年金額もほぼ明確になるはずです。

そこで自分の生活費と年金受給額を比較し、〇〇歳からの受給額なら資産の取り崩しが必要なくなるという時点まで繰り下げるという戦略が可能です。

最大で75歳まで繰り下げ、年金受給額を84%増額できますから、自分の資産と相談しながら受給開始年齢を決めれば、生活費で資産を取り崩す必要はなくなる計算です。

いろいろ計算して68歳から受け取り始めるといった選択だって可能です。

もちろん75歳以降どれだけ生きるかは分かりませんし、75歳より前に亡くなる可能性もあります。

また何かしらのアクシデントで大きな支出が発生する可能性もあります。

あくまで毎月の取り崩しを無くすという目的に限られますが、資産寿命を延ばすには繰り下げ受給は有効活用できる可能性があるのではないかと考えます。

夫婦ならより戦略的に年金受給額を増やすことが可能

これが夫婦ならより戦略的に繰り下げ受給を利用できるかもしれません。

夫婦の年齢によって受給開始年齢が異なったりする場合には、どちらか一方は65歳から受給開始し、もう一方は資産の状況に合わせて繰り下げ受給を選択するといった利用法も考えられます。

もちろん夫婦二人とも繰り下げるという戦略でも何ら問題ないでしょう。

資産寿命を考えれば「長生きリスク」が実は最も怖いリスクかもしれません。

よって資産を延命するために「繰り下げ受給」は実は使える制度とも考えられます。

ただし年金受給額を増やせば税金や社会保険料の負担が増えることも無視できません。

負担を減らすことを優先するなら、繰り上げ受給の選択肢さえ浮上します。

自身にとって何歳から受給開始するか正解は人それぞれでしょうから、自分の健康や資産の状況などを総合してベストな判断をしたいものです。

まとめ

以上『年金の75歳繰り下げ受給があながち無意味とは言えない理由』でした。

いかがでしたか?

「繰り下げ受給」で受給額を増やすことも多少なりともメリットはあります。

資産を取り崩す晩年を送るよりは精神的にゆとりのある晩年を送りたいものです。

そのためにはせっかくの年金を有効活用しない手はありません。

繰り下げ受給を選択する人は少数派のようですが、頭から否定せず、何歳から受け取るのがベストなのか、いろいろと計算してみるとよいのではないでしょうか。

以下関連記事です。

「60歳、65歳、70歳、75歳」からもらって一番おトクなのは何歳かを考えてみました。

この記事を書いたときは75歳までの繰り下げは無いと考えていましたが、現時点では分からなくなりました。

現在の年金世代が後悔していることを参考にして、自分は後悔しないようにしたいものです。