氷河期世代に広がる悲惨すぎる収入格差。非正規から正規へ移行の実態は?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
現在40代で非正規の人にとって、今後逆転が可能なのか、現状を見ていくことにしましょう。
正社員になるハードルが高かった氷河期世代の40代
大学を卒業しても就職できず、非正社員の道を歩んだ人が多かった氷河期世代。さまざまな説がありますが、1993年から2005年卒と定義するものが多く、いまの40代はほぼこの世代に当たることになります。
かくいう私も就職氷河期世代の一人です。
私の場合は幸運にも紆余曲折ありつつ正社員のルートを辿ってこれました。
厚生労働省『労働力調査』の正社員率・非正社員率を年代別に見てみましょう。
労働力人口 | 正社員率 | 非正社員率 | |
20代 | 1,047万人 | 63.1% | 29.5% |
30代 | 1,215万人 | 66.7% | 22.5% |
40代 | 1,610万人 | 60.3% | 25.5% |
50代 | 1,419万人 | 55.3% | 27.2% |
60代 | 544万人 | 30.9% | 45.0% |
40代の非正社員率は30代よりも高くなっています。
本来働きざかりの世代ですから30代と同じくらいでもよさそうですが、これが正社員になれなかった氷河期世代を表しているのでしょうか。
また労働力人口に対する「パート・アルバイト」の割合をみていくと、20代では21.6%、30代では16.3%、40代で18.6%。いわゆるフリーターも多い20代で割合が高いのは分かりますが、年齢が上がるにつれて低下していくのではなく、40代で再び増加。ここからも「正社員を諦めた氷河期世代」。そんな実態を垣間みることができます。
また40代になるとパート・アルバイトの割合も30代より高いそうです。
これも氷河期世代の実態を表したものなのでしょうか。
これだけで判断するのは早計のような気もしますが、データとしては浮き彫りになっています。
氷河期世代の40代…正社員と非正社員の間に広がる格差
雇用の差はすなわち収入の格差につながります。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出した大卒の年齢別の正規・非正規の推定年収を比較してみましょう。
正社員 | 非正社員 | |
20~24歳 | 330.2万円 | 263.7万円 |
25~29歳 | 427.7万円 | 324.3万円 |
30~34歳 | 506.5万円 | 319.2万円 |
35~39歳 | 586.5万円 | 331.9万円 |
40~44歳 | 657.2万円 | 336.4万円 |
45~49歳 | 736.2万円 | 330.8万円 |
50~54歳 | 850.7万円 | 352.9万円 |
55~59歳 | 830.4万円 | 373.5万円 |
60~64歳 | 640.4万円 | 452.2万円 |
40代を過ぎると2倍以上の開きがあることが分かります。
確かに「格差」と言いたくなるのが理解できます。
私は正社員の側にずっといましたから全然気づきませんでした。
同じ大卒でも、倍以上の収入差…これが氷河期世代の現実。就職が厳しかったなかでも会社人としてキャリアを重ねてきた人たちも多く、「氷河期世代と一括りにされたくない」という声も多く、同年代でも意識の差は大きいようです。
いやはや手厳しい一言です。
同じ氷河期世代で一括りにするなと。
確かに収入が多く一定以上の資産を形成した人と非正規で苦しみ続けた人とは大きく異なる状況にあります。
自分は「勝ち組」で「負け組」のやつらと一緒にするなということでしょうか。
なんともむなしい気分になります。
中年層男性の非正規から正規への移行確率は7~9%?
たまたま週刊ダイヤモンドの2022年2月5日号を見ていたところ、非正規から正規への移行に関する調査の結果が出ておりました。
とある調査チームが政府統計の「労働力調査」が同一個人を複数月にわたり繰り返し調査していることを生かし、1カ月前に非正規労働者だった者が今月に正規労働者になる確率を計算したそうです。
すると男性に関して30歳から49歳の年齢階層で非正規から正規への移行確率が7~9%に及ぶことが明らかになりました。
この結果をどう考えるべきでしょうか。
そもそも政府が氷河期対策事業として正社員化を図る施策を行っているようですが、正直なところあまり効果はないだろうと考えていました。
結果として7~9%の確率で正社員化しているとなれば、まったく無駄な事業とも言い切れないのかもしれません。
実際に政府の事業がどれだけ影響したかの調査結果も待たれるところです。
ただしこの数字は30歳からになっているのがポイントです。
「40歳から」で調査した場合どうなるかが気になります。
また遅ればせながら正社員になれたとしても、そこから他の人たちに追いつくのは極めて難しいと言えるでしょう。
これまでに開いた差はあまりにも大きすぎます。
非正規の人たちすべてを救うことは到底不可能なため、今後どのような対策を立てていくかは気になるところです。
各世代にいろいろな影響を与えることになるかもしれません。
まとめ
以上『氷河期世代に広がる悲惨すぎる収入格差。非正規から正規へ移行の実態は?』でした。
いかがでしたか?
氷河期世代の記事を読むたびに「自分は正社員で良かった」と思います。
そしてその正社員の座をセミリタイアという形で手放すのが本当に正しい選択なのか、常に考えます。
残された社会人人生も長くはありません。
後悔だけはしないよう慎重に判断したいと思います。
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