老後が不安なら知っておくべき「老老格差」の本当の原因6選
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
あなたは「老老格差」という言葉を聞いたことがありますか?
「老老格差」とは、高齢者の間にみられる貧富の世代内格差のことを表した言葉です。
老後に不安を抱えている人も多く、特にお金に関しては不安の割合が多いようです。
そこで今回は「老老格差」の原因を知り、対策を立てるきっかけとなればと考えています。
老老格差の実態
そもそも「老老格差」は本当に怒っているのでしょうか?
そこで世帯主の年齢が70歳以上世帯の貯蓄額を調べてみました。
元データは毎度おなじみ金融広報中央委員会の「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」です
金融資産保有額は以下のとおりです。
金融資産非保有 | 18.6% |
100万円未満 | 4.3% |
100~200万円未満 | 4.1% |
200~300万円未満 | 2.6% |
300~400万円未満 | 3.0% |
400~500万円未満 | 2.6% |
500~700万円未満 | 6.5% |
700~1,000万円未満 | 6.3% |
1,000~1,500万円未満 | 11.9% |
1,500~2,000万円未満 | 8.0% |
2,000~3,000万円未満 | 10.4% |
3,000万円以上 | 19.0% |
無回答 | 2.6% |
ちなみに平均値は1,786万円、中央値は1,000万円でした。
なお単身世帯の調査結果は60歳代までしか公表されていないため、今回は二人以上世帯のみご紹介しておきます。
「老後資金2,000万円問題」がありましたが、2,000万円以上をクリアしている世帯が29.4%いる一方、100万円未満の世帯が22.9%います。
「金融資産非保有」がどこまで本当かわかりませんが、もし本当に貯金がないとしたら非常事態です。
とにかく年金内で生活を収め、ギリギリで生活しなければいけない人たちが多数いるのかもしれません。
この老老格差は何が原因で起こるのでしょうか?
老老格差の原因1.現役時代に貯めたお金の差
まず老老格差が起こる最大の原因は「現役時代に貯めたお金の差」です。
働きながらどれだけお金を貯められたかが最重要と言えます。
高齢者になると働けない人も徐々に増えてきますから、現役時代に貯めたお金の差はそのままダイレクトに格差に反映されます。
資産形成について考え方は人それぞれです。
老後が常に不安で貯金に励む人もいれば、長生きするつもりもないし今が楽しければそれでいいという人もいるでしょう。
しかし残念ながら寿命は平均でも80歳以上です。
現役時代にもらえた給与と比較して大幅に減少した年金での生活を余儀なくされます。
そこで初めて現実を知るのかもしれません。
老老格差の原因2.退職金の有無
老老格差が起こる原因2つめは「退職金の有無」です。
長期間に渡り働き続け、そして仕事を辞める際には退職金が支払われる会社があります。
年々その金額は少なくなっている傾向のようですが、あるに越したことはありません。
私のように退職金の無い会社に勤務している者からすれば、退職金があるだけうらやましい限りです。
人によっては数千万円規模になりますから、一気に老後へ向けた資産を増やせます。
先に紹介した70歳以上世帯の金融資産にも退職金が反映されているはずです。
逆に退職金の無い人は現役時代に毎月の給与で資産形成しておかないと退職後、一気に生活が苦しくなる危険性を抱えています。
老老格差の原因3.受給年金額の多寡
老老格差が起こる原因3つめは「受給年金額の多寡」です。
老後の収入は年金に頼る人が多くなります。
よって年金が多ければ多いほど生活は楽になりますし、少なければ生活は苦しくなります。
厚生年金未加入者は厚生年金加入者と比較してさらに年金が少なくなります。
年金が多い人は現役時代にもそれなりに収入を得ていたでしょうし、さらに資産形成をしていれば資産から何らかの不労所得を得られるかもしれません。
格差は広がる一報です。
老老格差の原因4.支出の多寡
老老格差が起こる原因4つめは「支出の多寡」です。
仮に収入が多くても支出が多ければ資産形成できません。
逆に収入が少なくても支出を少なく抑えれば資産形成はそれなりにおこなえます。
また支出が多ければ収入が少なくなると一気に生活が苦しくなり、破綻しかねません。
老後を想定すれば、退職後に収入が年金のみになり、支出を減らせず貯蓄を取り崩す生活を指します。
収入が少ないのに何歳まで生きるか分からない老後において、早々に貯蓄を取り崩し始めるのは恐怖以外の何物でもありません。
よく「退職時期が近づいたら生活のダウンサイジングを」という言葉を見かけますが、それは老後の収入減を見据えての話です。
支出を少なく抑えられるかどうかは現役時代の資産形成時にも大きく影響しますので、支出が少ないに越したことはありません。
老老格差の原因5.持ち家の有無
老老格差が起こる原因5つめは「持ち家の有無」です。
多くの人にとって毎月の支出の最も大きな割合を占める費目は住宅費になるのではないでしょうか。
賃貸であれば家賃、持ち家購入者であれば住宅ローンの返済です。
賃貸の場合は家賃を毎月払い続けなければいけませんが、持ち家で支払いが完了してしまえば毎月の支払いはなくなります。
一戸建てなら完全になくなりますし、マンションの場合は管理費や修繕積立金のみになります。
ですので、住居の保有形態によって老後の支出は大きく変わります。
単純に考えれば賃貸の人が最も大きな負担を強いられる可能性が高いでしょう。
また老後に部屋を借りれるかどうかの問題も出てきそうです。
制約が出てくるとなれば、希望する条件で部屋を借りれないことも想定されます。
あくまで家賃をベースに毎月の支出で論じましたが、修繕の必要が生じた場合はちょっと話が変わってくる点は留意すべきです。
老老格差の原因6.借金の有無
老老格差が起こる原因6つめは「借金の有無」です。
老後にも発生し続ける借金としては住宅ローンなどが思いつくところです。
ただ高齢になってまで借金を抱えている人はどれくらいいるのでしょうか?
そこで再び家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]から、借入金残高のデータをご紹介します。
借入金なし | 82.3% |
50万円未満 | 1.5% |
50~100万円未満 | 0.7% |
100~200万円未満 | 1.5% |
200~300万円未満 | 1.3% |
300~500万円未満 | 1.3% |
500~700万円未満 | 1.8% |
700~1,000万円未満 | 1.8% |
1,000~1,500万円未満 | 0.9% |
1,500~2,000万円未満 | 0.7% |
2,000万円以上 | 1.8% |
無回答 | 4.4% |
70歳代で借金のある人は13.3%でした。
なおこのデータでは平均の借入金額は187万円、中央値は0円でした。
しかしこれでは本当の借入金額が見えてこないので、借入金ありと回答した人のみで調べたところ平均は1,349万円、中央値は500万円でした。
さすがに平均は高すぎで、おそらく一部の世帯が平均を引き上げていると推測されます。
一部の高所得者層の相続対策や投資に関するものであれば別ですが、70歳代で借金がまだ残っている状況は本当に苦しいはずです。
中には生活費を借金している世帯もあるようで、明らかに格差が生じていると言えそうです。
老老格差が嫌なら少しでも早く資産形成し始めるべし
ここまで見てきましたが、老老格差の原因にはいろいろあることが分かったと思います。
では老後にお金で苦しまないためにはどうすればよいのでしょうか?
その答えは「すぐにでも資産形成を始めるべし」です。
支出を減らし、貯金に回すのが一番手っ取り早い方法です。
老後が近づいてから支出を削るのではなく、今から支出を減らせば資産形成に回す資金はどんどん増えていきます。
さらに貯金を一部を利用して投資を始めれば、資産形成のスピードがさらに上がることでしょう。
現在はつみたてNISAやiDeCoといった非課税制度もありますから、上手く利用することであなたの資産形成を助けてくれます。
結局は本人の努力によるところが大きいです。
もちろん運の要素もありますが、資産形成して老後資金に余裕のある人の多くは相応の努力をして、運を自ら引き寄せた人たちであることを忘れてはいけません。
まとめ
以上『老後が不安なら知っておくべき「老老格差」の本当の原因6選』でした。
いかがでしたか?
最後にまとめです。
1.現役時代に貯めたお金の差
2.退職金の有無
3.受給年金額の多寡
4.支出の多寡
5.持ち家の有無
6.借金の有無
豊かな老後とまでは言わずとも、お金をあまり心配せずに済む老後を送りたいと考えている人は多いでしょう。
それならば重要なのは現役時代の過ごし方です。
現役時代にいかに老後を見据えた準備をおこなうかで老後が決まります。
老老格差は現役時代からの「準備格差」の側面もあることは頭に入れておきましょう。
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老後資金は2000万円どころか3000万円必要です。