ド田舎出身者が斬る!「地方移住のメリット6選」は本当か?

2022年12月25日

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

出ました、久しぶりの移住問題です。

コロナ禍に入ってからリモートワークが定着したこともあり、会社へ出社する必要がなくなり、地方へ移住する人もいるようです。

また都会で疲れたのか、地方への憧れを抱く人も少なくありません。

しかしド田舎出身者として私は「ちょっと待って!」と強く言いたい。

そして「地方ってそんなに良い面ばかりじゃないよ」と注意喚起したいです。

そこで今回は地方を知らない都会の皆さまに地方の現実を知ってもらう企画です。

「地方移住のメリット6選」は本当か?

今回紹介した記事の中には「地方移住のメリット」が6つ紹介されておりました。

気になることばかりありますので、あえて一つずつ否定していきたいと思います。

メリット1 生活費が安い

東京圏と比較すると住宅費が安いので、広い家に住むことができます。また、近所の人が農家をしていれば、ただで野菜をもらえるかもしれません。

まず「生活費が安い」ということですが、これは疑問です。

確かに住宅費については地方はピンキリですが地方は平均的な水準としては安いと思います。

確か私の実家近くにできた分譲住宅は建物面積が約100平米で1700万円くらいだったように記憶しています。

東京の郊外だと同じ面積なら5000万円は下らないのではないでしょうか。

またスーパーの食品などは東京に出てきて「ちょっと高い」と感じたので、地方の方が安い可能性が高いです。

ですが、他の費用はどうでしょうか。

水道料金は意外と地方のほうが高かったりします。

ガスはプロパンガスになる可能性もあり、一般的には都市ガスより高いと思われます。

さらに地方在住なら自動車が必須となる可能性も高く、都市部で自動車を所有していなかった人の場合、大きなコスト増になる可能性があります。

あと引用内の「野菜をもらえる」のは、お返しをするのが慣例となります。

地方は人付き合いが重要ですから「野菜をタダでもらってラッキー」などと言っていられません。

お返しをして、人間関係を構築していく必要があります。

お返しをしないと「あの家はお返しをしない」と近所で評判になる可能性があり、その地域で済みづらくなる可能性すらあります。

よって「タダでもらえる」かもしれませんが、お返しで出費が生じますからトントンどころか高くつくかもしれません。

メリット2 満員電車に乗らなくてすむ

地方では、ほとんどが車で移動するので、満員電車に乗るストレスや、電車の遅延にイライラすることもないでしょう。

私は一時期電車通勤をしていたことがあります。

確かに東京の満員電車に比べればはるかにマシです。

地方に住んでいた時、東京の満員電車と同レベルの混雑を体験したことはありません。

よって満員電車に乗らなくてよいかもしれませんが、自動車通勤なら場所によっては渋滞に巻き込まれます。

私は自動車通勤を経験したことはありませんが、父親は裏道を利用しないと車が動かないと嘆いていました。

また雪の降る地域だと、朝、雪で車庫が埋まって車を出せないといった弊害もあります。

だから家を出る前の除雪作業をしなければならず、車もスピードを出せませんから普段より早起きをしないと遅刻します。

また路面が凍りますから冬の自動車の運転は非常に危険です。

普段から慣れている人たちでも一瞬でも運転を誤れば、道路の外へダイブすることになります。

現に私は田んぼに突っ込んでいた車を何台も見た経験があります。

メリット3 自然に囲まれて生活ができる

山や海がすぐ近くにあるので、小さな子どもがいれば一緒にキャンプに行ったり、海に潜りに行ったり、気軽にレジャーを楽しむことができます。

たまにならいいかもしれませんが、毎日なら確実に飽きます。

また私は山沿いの人間ですが、山沿いは熊が出ます。

これ、マジです。

私の田舎は今年7月も熊の出没情報が自治体のホームページに掲載されておりました。

また窓を開ければ虫が入ってきます。

普通の虫ならまだしも、なかなかの大きさの蜂が入ってきて軽くパニックになることもあります。

そして自然すぎるので周囲に店が何もなく、コンビニへ行くにも車が必要です。

あと散歩しようにも歩道が整備されていません。

それなのに大型トラックがバイパスへのショートカットとして実家の前の細い道を通るので、結構危険です。

メリット4 安くておいしい食べ物が多い

地域によっては、採りたての山の幸、海の幸をリーズナブルな値段で食べることができるかもしれません。

美味しい食べ物は地方のメリットと言えるでしょう。

しかし裏を返せば食べ物以外メリットがないのが地方の実情です。

ただし毎日食べていれば、いずれ飽きます。

メリット5 国の支援制度や自治体の補助金や助成金を受けられる

国による支援制度としては、地方創生交付金としての移住支援金や起業支援金があります。移住支援金は、首都圏に人口が一極集中することを回避し、地方の人口減少に歯止めをかけるために行っている支援事業です。

東京圏から地方へ移住したのち、起業や就職、テレワークによる業務継続をした場合、単身者なら60万円以内、2人以上の世帯で100万円以内の支援金を受け取ることが可能です。

お金がもらえるかもしれませんが、それはあくまで一時金です。

むしろ移住後の生活が重要です。

地方になじめなければ何の意味もありません。

現に本人が行きたくても配偶者がなじめずに都会へ戻ってしまうという事例も珍しくないです。

メリット6 移住創業者向けの融資制度を利用できる

日本政策金融公庫の制度で、地方に移住して新たに事業を始める人が対象で、一定の要件に該当をする場合は、特別利率での融資を受けられます。移住前から相談が可能です。

これは事業を始める方が対象ですので、ここでは割愛します。

地方移住のデメリット

ここまで地方移住を否定的に書いてきましたが、最大のデメリットは「自動車が必須」だと思っています。

もちろん場所によっては車なしで生活できるかもしれません。

しかし公共の交通機関が充実していないため、地方の県庁所在地の中心部とか、地方の中でも都市部でない限り車を所有していないと移動が不便なのは間違いないです。

夫婦や家族で移住するとなれば一家に一台どころか一人一台必要になります。

私は四人家族で母親は車を運転せず、父、私、弟が運転しましたので、家には常時3台の車がありました。

家に複数台の車があるのは地方なら普通のことです。

スーパーやコンビニ、病院など、普段の買い物からして移動は常に車です。

買い物なら「ネットスーパーがある」と思うかもしれませんが、対象エリアではない可能性があります。

事前にちゃんと調べたほうがいいです。

老後に移住するなら自動車が必要ないエリアのほうが圧倒的によいと思います。

私の父親は78歳になりますが、いまだに車を運転しており息子としては不安しかありません。

まだ若く、子どものいる世帯なら「教育レベル」が不安な点として挙げられます。

塾や習い事は充実していないため、選択肢は用意されていません。

より高い教育を求めるならネットを利用せざるを得ないはずです。

そもそも地方の場合、都心部ほど教育熱が高くない場合が多いです。

もちろん熱の高い親もいますが多数派とは言えない実情があります。

私立の高校は受験のすべり止めで、公立のほうが上位という場合も珍しくありません。

子どもがいる場合はどのような教育を受けさせたいかも考えるべきでしょう。

地方の現実は甘くありません。

候補のエリアがあるなら情報を収集し、実際に下見をして、住民の声を聞き、なんならしばらく住んでみてから決断するのが良いのではないでしょうか。

まとめ

以上『ド田舎出身者が斬る!「地方移住のメリット6選」は本当か?』でした。

いかがでしたか?

メリットを否定し、デメリットばかりを書いてきましたが、もちろん田舎はのんびりしていて雰囲気がいいです。

ただし生活するには明らかに不便です。

これから人口が減少し、地方の過疎化はさらに進むことは明白です。

老後を迎えた頃には今よりさらに不便になる可能性も考えられます。

住処を変えるのは大きな決断です。

家族がいるなら家族も納得した上で移住しないと、最悪家族関係が崩壊しかねません。

憧れや妄想で安易な決断をせず、地方の現実を知り、慎重に判断すべきです。

以下関連記事です。

2019年1月に書いた記事です。地方移住のデメリットをまとめました。

地方に移住すると意外な支出が待っています。

早期リタイアして移住し、カフェを開く夢は冷静に考え直したほうがよいと思います。