年収600万円台の45歳の普通の会社員が3年でFIRE達成できた理由
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「日刊SPA!」に掲載されていたFIREに関する記事です。
年収600万円台の普通の会社員がわずか3年でFIREできたという話です。
「わずか3年でFIRE」という点が妙に引っかかります。
普通に考えれば極めて可能性の低い話です。
一体どういうことなのでしょうか?
記事の中身を見ていきましょう。
年収600万円台の45歳サラリーマンはなぜ3年でFIREできたのか?
今回の記事は谷村さん(仮名)という北九州でサラリーマンをしている方の話でした。
そして谷村さんは自己資金500万円で不動産投資を始めて3年ほどでFIREに成功したとのことです。
出ました、不動産投資です。
最初に購入したのは、なんと60万円ほどの物件。
しかも築87年の平屋。
物件購入後に行ったリフォームは美装と壁のクロスを張り替えたくらいだったが、募集を開始してすぐに飲食店で働くネパール人のご家族が入居したとのこと。
この1件目の成功を背景に、2件目以降も100万円以下の物件をメインに購入。
その後は100万円以上の戸建や200万円台のアパートにも手を出し、日本政策金融公庫や地方銀行の融資を利用して購入しました。
すると、不動産投資を始めて3年目に突入した頃、突然1億5000万円の物件を購入したそうです。
その物件は、知り合いの大家さんから紹介してもらった築15年のアパート。
田舎の方でしたがかなり土地が広く、一世帯あたり車が2台停められるような物件で、1棟あたり8世帯が住める建物を4棟まとめ買いしたとのこと。
購入後に毎月後の家賃収入が200万円を超えたことで、会社を辞めFIREしたそうです。
不動産投資で融資が残った状態の退職はFIREなのか?
率直に抱いた疑問としては、「これってFIRE?」でした。
FIREとは「経済的自立と早期リタイア」と訳されています。
確かにこの人は早期リタイアしたかもしれませんが、それはあくまで会社を辞めたに過ぎません。
そして1億5千万ものローンがある状態を「経済的自立」と呼んでよいのでしょうか?
「毎月200万円の家賃収入」とアピールしていますが、手取りではないと推測しています。
返済と各種税金を支払うと一体いくら残るのでしょうか?
全貌が全く見えないので、信ぴょう性が低いです。
ちなみに記事の最後にはこんな一節が書かれていました。
谷村さんは退職後、不動産を増やしながら旅行も満喫して悠々自適なアーリーリタイア生活を送っているそうです。この記事を読んでいるFIREを夢見る皆さんも谷村さんの立ち回りを参考にしてみてはいかがでしょうか。
こんな立ち回りを参考にできるはずがありません。
一方で勇気と行動力については目を見張るものがあり、参考というか見習う点はあります。
今回の記事はFIREの記事というより「不動産業界で起業した人の記事」という見方のほうが近いのではないかと思いました。
不動産投資のFIRE記事は要注意
たまに不動産投資でのFIRE記事を見かけますが、読む際には注意しなければいけません。
理由は、お金の動きが見えない記事が圧倒的に多いからです。
今回の記事も「月の家賃収入がいくらになった」、「会社を辞めた」というアピールしかありません。
本来であれば「借り入れがいくら残っているのか」「返済や税金を引いた実際の手取りの月収はいくらなのか」といった点に言及が全くありません。
さらに不動産投資は何年も経過すれば、物件が劣化していきますから、さらなる修繕は不可避です。
今回のようなボロ物件の場合ならなおさらでしょう。
大事なのは「FIREを達成したとアピールすること」ではありません。
FIRE生活を何年にも渡って継続することです。
「FIRE達成」は始まりに過ぎないのです。
ですから私は「FIRE達成」には何の意味もないと考えています。
FIRE生活を送り、年金を受けとるまで乗り切るのが一つのゴールとなるでしょう。
これは不動産投資でのFIRE記事に限りません。
FIRE関連記事を読む際には、達成したことばかりをアピールするような場合、気を付けて読むべきです。
まとめ
以上『年収600万円台の45歳の普通の会社員が3年でFIRE達成できた理由』でした。
いかがでしたか?
あまりにも短期間でFIREを達成したという記事は、怪しい雰囲気がプンプン漂っています。
内容は鵜呑みにせず、よく読んで本当に参考になるのか見極める必要があります。
以下関連記事です。
「FIRE:投資でセミリタイアする九条日記」さんは、分散投資と本業の重要性を語っています。
FIRE4%ルールはあくまで目安です。自分なりのルールで資産を枯渇させないよう注意が必要です。
FIRE達成後に待っているのは天国とは限りません。落とし穴もあることは知っておくべきです。