夢はFIRE、iDeCoにお金を回しすぎた40代独身男性の現実と後悔
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
今日は「まいどなニュース」に掲載されたFIRE関連の記事です。
よく読むとFIREではなくiDeCoの記事でした。
NISAが新NISAに生まれ変わり脚光を浴びた一方、ちょっと地味で目立たない印象のiDeCo。
しかし制度としては良い制度ではあります。
ただ、うまく使わないと面倒な問題が起こるというのが今回の記事です。
それでは記事の中身を見ていきましょう。
FIREを目指してiDeCoを使った末路
今回の主人公は都内在住・40代独身のAさん。
彼もまたFIREを目指すサラリーマンのひとりです。
AさんがFIREを目指すために利用したのはNISAではなくiDeCoでした。
iDeCoはNISAのつみたて投資枠と同様に、毎月自分で決めた金額を積み立てられます。
そしてiDeCoのメリットは何と言っても掛け金が所得控除の対象で、発生した利益は非課税であることです。
Aさんは自分でいろいろと調べた結果、iDeCoの掛金をサラリーマンの上限金額である23,000円に設定し、毎月の拠出を開始しました。
年収500万円のAさんは、開始当初は未来の自分のための投資ができて満足していました。
しかし物価が上昇し、日々の生活費はどんどん高くなり、生活が苦しくなってしまったAさんは苦肉の策として、iDeCoから今まで支払ったお金の一部を引き出そうと考えました。
ここで大きな問題が生じます。
詳しい方であればiDeCoは60歳まで引き出せないことは当たり前のこととしてご存知でしょう。
しかし、Aさんはこの当たり前のことを知らなかったのです。
Aさんは、節税効果にばかり注目してしまい、掛け金を大きな金額にしてしまったことを後悔したのでした。
なぜiDeCoの拠出金も捻出できない?
この手の記事はメディア掲載用の作り話だと思っています。
とはいえ、あえてツッコミを入れると、「23,000円を拠出できないの?」という点でしょうか。
ぶっちゃけ毎月23,000円は大した額ではないはず。
iDeCo以前の問題のような気がします。
記事では、このあとで「生活に困ることなくiDeCoを使うコツとは?」といった流れになっていくのですが、こうなると疑問しかありません。
ちなみにFPさんは回答として以下のように答えています。
原則60歳まで解約できないのが欠点です。そのため、今の生活に影響が出ない程度の掛け金に抑える必要があります。また、もし今の掛け金の拠出が厳しい場合は、1000円単位で掛け金の引き下げができますので、Aさんの場合はこまめに収支バランスを見て掛け金を調整するべきだったのでしょう。
また、iDeCoに代わる方法としては次の方法を答えています。
NISAや貯蓄型の終身保険の活用を検討してみてはいかがでしょうか?NISAは基本的にいつでも解約ができるので、iDeCoのように資金が縛られてしまう心配はありません。
また貯蓄型の終身保険に関しては、10年程度保有をすれば、解約しても入金した保険料を上回る金額で戻ってくる商品が多いです。
うーん、頭に入ってきません。
「今の生活に影響が出ない程度の掛金に抑える」のではなく、まずは他の無駄な支出を見つけて抑えることのほうが重要のような気がするのですが。
FIREならiDeCoよりNISAのほうが良い
そもそもFIREとはどういうものかを考えると、AさんがiDeCoを選択したことに疑問が生じます。
FIREでは「4%ルール」という考え方がよく取り上げられます。
「4%ルール」とは、年間の生活費の25倍を貯めることで、その後は生活費を資産運用額の4%未満にしておけば、30年経っても暮らしていけるというルールです。
Aさんの場合、iDeCoを活用して目標の資産額に到達したとして、その後リタイアした場合、どこから生活に必要なお金を引き出してくる想定だったのでしょうか?
繰り返しですが、iDeCoは60歳まで取り崩せません。
何歳からFIRE生活に入る想定だったのかが分からないので何とも言えないところがありますが、AさんはFIRE後の取り崩しなども想定していなかった可能性があります。
FIREを目指すならiDeCoよりNISAを利用したほうが無難だと思います。
そして投資に回せる資産が増えたらiDeCoも活用する、というのが良いのではないでしょうか。
どちらにせよ今回のAさんの場合は「まず投資に回すお金を捻出できない」という根本的な問題にぶち当たりました。
FIREできる器ではなかったということで諦めてもらいましょう。
そもそも何の目的でFIREを目指したのか?
そして、改めて記事を読むと新たな疑問が生じました。
それは「FIREを目指した理由」です。
理由については言及されていませんでしたが、文章の構成としては次のように書かれていました。
いずれ迎える老後の生活に金銭的な不安を感じているAさん(都内在住・40代独身)も、FIREを目指すサラリーマンのひとりです。
老後の生活に金銭的な不安を感じている?
だったら目指すべきは早期リタイアではなく「より長く働き続けること」では?
目的と手法が全く噛み合っていないように感じます。
老後資金のためにiDeCoを始めたのであれば、それは十分理解できます。
しかし、たかだか物価上昇だけで投資に回せるお金が捻出できなくなるということは、普段のお金の使い方に問題があることは容易に想像できます。
あとは、何のためにFIREしたいのか?という当ブログでは毎度おなじみとも言える目的論になってきます。
会社を辞めて何をしたいのか?
FIREを目指すなら、有り余る時間で何をするのかは計画を立てておくべきです。
あなたがFIREを目指している理由は何か、明確な回答ができますか?
そして、どのように時間を使うのか、時間割は作れていますか?
おそらく細かく落とし込めていないと、時間を持て余して暇を持て余し、再就職を選択するのがオチとなるでしょう。
まとめ
以上『夢はFIRE、iDeCoにお金を回しすぎた40代独身男性の現実と後悔』でした。
いかがでしたか?
記事はネタだと思いますが、NISAとiDeCoをどう使うかについては反面教師として参考にはできそうです。
あとは、やはりFIREする目的の重要性です。
お金の貯め方の前にFIREの明確な目的から考えていきましょう。
というか、おそらく自分の本当にやりたいことが見つかったら、「だったらFIREしたほうがよい」と選択肢として浮上するのが自然な話。
「FIREしたい」とFIRE自体が目的になっている時点で失敗は見えています。
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