私たちはいつから過度に老後資金問題を恐れるようになったのか?

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「現代ビジネス」に興味深いタイトルの記事が公開されていました。
私たちは「○○歳までに○○円が必要」というフレーズに踊らされてきました。
近年では2019年に登場した「老後2000万円問題」です。
しかし、それ以前から老後資金については語られていました。
今回は記事を元にそのきっかけから現在に至るまでを振り返っていくことにします。
過去の雑誌で取り上げられた「老後資金」
筆者によると、雑誌「婦人公論」で「○○歳までに○○円が必要」という言い方が目次に初めて登場したのは2008年(平成20)のことだったそうです。
ちゃんと調べればもっと前からありそうですが、一旦は話を進めます。
当時必要とされた老後資金は「必要なのは、65歳で1200万円!」だったそうです。
「婦人公論」という雑誌は40代女性向けとのことですから、当時の40代には老後に対する不安感が生じていたと推測されます。
これが2010年(平成22)にもなると「ゆとりある老後のためには3000万円が必要です」と金額が一気に跳ね上がっていました。
一方、男性向け雑誌だと「週刊現代」で高齢者向けの話題が目立つようになってきたのは、やはり2010年頃からだそうです。
それでも「○○歳までに○○円が必要」といった具体的な数字は登場しないとのこと。
このあたりは男性の場合、まだ現実を直視していなかったり、もっと別のことに興味関心があったのでしょう。
世を震撼させた「老後破産の現実」
老後の金にまつわる不安が広がっていったのは2010年代の半ば。
きっかけの一つとなったのは、2014年(平成26)に放送されたNHKスペシャル「老人漂流社会 “老後破産”の現実」だそうです。
一人暮らしの高齢者が急増している中、その半数は年金額が生活保護の水準を下回っているという現実を浮き彫りにしたことで、多くの人に不安感を与えたようです。
多くの人にとって老後とは、仕事を引退して悠々自適な生活を送るというイメージがあったはずです。
しかし現実にはお金がなく、破産してしまう人がいるのを目の当たりにし、我に返ったのでしょう。
これはあたかも2019年の「老後2000万円問題」と重なる部分があるように思います。
老後のお金のことなど考えもしなかった人たちにとって「2000万円」という大金はとてもセンセーショナルだったことでしょう。
おかげで5年たった今では「老後資金は2000万円必要」という考え方がスタンダードになったとさえ思われます。
時代を追って見ていくと、少子高齢化、そして年金不安、このあたりが登場して以来、老後のお金の不安が取り沙汰されることになってきたのではないでしょうか。
老後不安の正体は何か?
なぜ人は老後に対して不安を抱くのでしょうか?
私はその原因に「未知」があると考えています。
とにかく不確定な要素が多すぎます。
自分の寿命が何歳なのかは分かりません。
どんな病気になるのか、介護が必要な状態になるかも分かりません。
物価がどれだけ上昇するかも分かりません。
その他にもあらゆる場面でお金がかかります。
そのため「老後資金は〇〇万円必要」などという情報はあてにならず、自分事として計算する必要があります。
計算しても間違いなくシミュレーションどおりにはなりません。
結局、分からないことだらけすぎて不安になるのだと思います。
不安を抱いても仕方がない
老後に不安を抱くのは仕方のないことだと思います。
誰しも老後にまで苦しい思いはしたくないはずです。
しかし、だからといって今の楽しみを犠牲にし、資産形成に明け暮れるのはどうでしょうか。
せっかく今を生きているのに今を楽しまないのはもったいないことです。
ただし、楽しみ過ぎて老後のお金が無いのは避けたいところで、そのバランスが難しいのです。
だからこそ、老後に何をしたいのか、今は何をしたいのか、それぞれ明確にしておくのがよいのではないでしょうか。
私たちのほとんどは富豪ではないため、お金を使いまくってしまえば蓄えができません。
自分のやりたいことに優先順位をつけ、絶対にやりたいことからお金と時間を使っていくべきです。
まとめ
以上『私たちはいつから過度に老後資金問題を恐れるようになったのか?』でした。
いかがでしたか?
老後資金はいくら必要なのか?
その答えは「人による」と回答せざるを得ません。
メディアで紹介される金額は、平均などを用いて算出したあくまで参考値にすぎません。
老後資金は不足すれば後悔し、余らせても後悔するという何とも難しいものでもあります。
結局どう生きるかが大事で、生きるために必要になることが多いのがお金です。
よって、自分の老後の人生を思い描いてみることから始めてみるとよいのではないかと考えます。
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