約4割が年金10万円未満。老後も続く氷河期世代の貧困スパイラル

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
ついつい見てしまう「就職氷河期世代」ネタの記事。
読むたびに「どれだけ悲運の世代なのか」と思ってしまう今日この頃です。
今回は氷河期世代を襲う可能性のある年金に関する話題についてです。
今後の年金は老後のプランニングにも関わってくるところです。
どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
氷河期世代を襲う年金問題
記事の冒頭は、"煽り"になっています。
直近の2023年であれば、年金支給額は夫婦2人世帯の場合、平均で月20万5060円を受け取っているそうです。
一方の支出は、65歳以上の夫婦2人世帯(無職)で月25万6521円となっており、5万円ほど不足しており、現時点で年金だけでは暮らせないと述べています。
しかし、この理屈は「老後2000万円問題」と同じです。
平均で見ればそうですが、各世帯ごとに見れば事情は異なります。
そのため、数字は平均から算出されたデータを鵜呑みにするのではなく、「自分の場合はどうか?」と実際に計算してみることが大事です。
この手の記事の場合、読み手が不特定多数になる以上、個別の数字で語るわけにもいかないため、どうしても平均に頼らざるを得ません。
ですので、参考程度にとどめるべきです。
氷河期世代の年金は約4割が月10万円未満
では、就職氷河期世代が65歳になったときに受け取れる年金額はどれくらいになるのでしょうか?
昨年、厚労省が公表した財政検証によれば、氷河期世代(現51歳の場合)の夫婦2人世帯では月21万7000円となる見込みだそうです。
先ほど紹介した直近の支給額は月20万5060円でしたから、若干増加しています。
この点について弁護士の解説が入っているので引用しておきます。
「年金支給額は物価に連動して毎年改定されますが、年金が破綻しないよう、『マクロ経済スライド』によって物価が上昇しても年金の増額が抑制されています。しかも、物価上昇率が賃金上昇率を上回った場合、賃金上昇率に連動する仕組みなので、年金受給額はより少なく抑えられてしまうのです」
要するに、物価が上昇しても年金はそこまで増えないよ、ということです。
また、氷河期世代の大学新卒就職率は低く、現在も非正規雇用を余儀なくされている人も多くなっています。
そのため、経済的余裕がなく、国民年金の未納・免除率は50%を超えているそうです。
私はこのデータを初めて知り、驚愕しました。
厚労省の試算では、氷河期世代の18.1%が月7万円未満、39.1%が月10万円未満の年金しか受け取れないとのことです。
この時点で老後がかなりヤバい人が多そうということが分かります。
年金制度には第3号被保険者、つまり会社員の妻の問題もくすぶっているようですが、私は単身世帯のためここでは割愛します。
医療・介護でもリスクが続々
年金以外の老後のお金と言えば医療・介護が気になるところではないでしょうか。
思い出されるのは今年3月、政府が高額療養費制度の自己負担額引き上げに動こうとしたことです。
一気に反発が広がり、見送られましたが、引き上げリスクは燻っているのでしょう。
この点については生活経済ジャーナリストなる人の解説が書いてありましたので引用します。
「生涯にかかる医療費の6割は、65歳以降に発生します。そんな高齢者が今後激増するのだから、患者負担額の引き上げは避けられないでしょう。今回見送られた高額療養費制度の引き上げが実施されれば、高収入とは言えない年収260万~370万円の人でさえ、月額で上限5万7600円だった自己負担額が7万9200円に上がり、月2万1600円の負担増になります」
これを読む限り、上昇するのは時間の問題としか思えません。
また、介護保険料も上昇しており、生活経済ジャーナリストなる人が解説してくれていますので引用します。
「介護費用は、介護保険制度ができた’00年度から約3.7倍に急増してます。これを賄うため65歳以上の介護保険料も’00年度の月2911円から倍以上に高騰しており、厚労省によれば氷河期世代が65歳になる’40年には9000円を超える。少なく見積もっても、月3000円ほど出費が増えることになります」
個人的には介護保険料のことは無知で、全く把握していませんでした。
65歳で9000円を超える可能性があり、月3000円ほど出費が増えるとのことですが、その後も増え続けるリスクもあるのではないでしょうか。
最後のセーフティネットとなるのが生活保護ですが、ここにもリスクが潜んでいると先ほど登場した弁護士さんが説明しています。
「’24年の生活保護の申請件数は25万件超と過去最多。特に、非正規雇用や国民年金の未納が多い氷河期世代の“生活保護予備軍”は170万人という試算もあり、これは’24年の全受給者数201万人の8割強に当たる。社会保障予算では到底賄えません。生活保護要件の厳格化が予想され、セーフティネットからこぼれ落ちる氷河期世代が増える危険性がある。皮肉にも、ちょうど彼らが65歳を迎える’40年頃に、日本の社会保障制度の破綻リスクが高まるのです」
生活保護要件の厳格化はあくまで"予想"です。
よって、今後どうなるかを見守るしかありません。
各制度がもはや維持困難な状況にあり、これまでの無策のツケを被害者であるはずの氷河期世代が払わされ続ける構図は老後も変わらないようです。
この構図から抜け出すには、残念ながら自力で資産形成するしかないと思われます。
まとめ
以上『約4割が年金10万円未満。老後も続く氷河期世代の貧困スパイラル』でした。
いかがでしたか?
最後に記事内に登場したマネーリスクのまとめです。
1.年金受給額の実質減額と支給開始年齢の引き上げ
2.「第3号被保険者」制度廃止
3.高額療養費制度の見直し
4.介護保険料の上昇
5.生活保護要件の厳格化
これらのリスクを踏まえ、老後のプランニングをおこない、死ぬまでお金が維持できるか計算するとよいでしょう。
こういうリスクを知ってしまうと、現在のお金を使いづらくなってしまい『DIE WITH ZERO』どころの話ではなくなります。
今後も氷河期世代にとって"制度改悪"が続くことが予想されます。
残された人生も自分で資産形成を行い、自己防衛を図っていくほかなさそうな状況です。
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