「人生100年時代」に「FIRE」したがる人の問題点
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
最近はFIREに関する記事が本当に増えました。
今回は東洋経済に掲載された山崎元氏による記事です。
FIREの「問題点」とは一体何でしょうか?
まさにFIREムーブメント到来か?
私が最初に当ブログで「FIRE」という単語を使用したのは2018年12月のことです。
実際Googleトレンドを見ると2018年12月に大きな山ができています。
Googleトレンドを見ると新型コロナウイルス感染拡大が大きなニュースになり始めた2020年3月あたりから検索される傾向が強くなっているように見えます。
そしてグラフの底が以前より高い位置に来ています。
FIRE関連書物も増えましたし、記事も増えました。
有名な人もFIREという言葉を口にする機会が出てきており、テレビで取り上げられることもありました。
徐々に認知が拡大しているのは間違いないと思います。
みんな「長く働く」路線を歩みたくない
さて記事についてですが、1ページ目の終わりから2ページ目にかけて以下のような一節があります。
さて、2021年、「2000万円」や「人生100年時代」ほどではないが、投資家の関心を集めているキーワードは「FIRE」だ。「FIRE」とは、「Financial Independence, Retire Early」から来る略語で、早期リタイアを可能にするような金融資産を形成することを指す。言葉の定義上、「FIRE」に関心を持つのは相対的に若い投資家だが(年を取ってから「FIRE、FIRE」と言うと少しイタい感じになる)、生活を切り詰めて投資額を増やして、本気で「FIRE」を目指している若い投資家は少なくない。
投資に関連する近年の流行の推移を駆け足で振り返ってみたが、気がつくと、「LIFE SHIFT」の「長く働く」路線から、「早期リタイア」へと、目指す方向が真逆になっているように見える。これはいったいどうしたことか?
『LIFE SHIFT』という本などすっかり忘れていました。
「目指す方向が」真逆になっているように見えるとありますが、そもそも若者は「長く働く」路線を目指していないと思うのですが。
いや若者だけでなく多くの人は「長く働く」路線など歩みたくないのではないでしょうか。
年金が当てにならず、きちんと蓄財してこなかったがために長く働かざるを得ない人が多くなっているだけです。
本音は「早期リタイア」なのではないかと思います。
もちろんこの考え方は私の「早期リタイア」希望が中心にあるからだとも言えます。
山崎元氏の経歴から記事の視点を考える
一方で改めて考えなければならないのは、この記事の筆者である経済評論家の山崎元(やまざき・はじめ)氏の経歴です。
1958年札幌市生まれ。東京大学経済学部卒業。経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、獨協大学経済学部特任教授、株式会社マイベンチマーク代表(投資と投資教育のコンサルティング会社)と複数の肩書を持つ。三菱商事、野村投資信託、住友信託銀行、メリルリンチ証券など計12回の転職経験を生かし、お金の運用、経済一般、転職と自己啓発といった分野で活動中。著書に『超簡単 お金の運用術』(朝日新聞出版)『「投資バカ」につける薬』(講談社)、『お金がふえるシンプルな考え方』(ダイヤモンド社)など著書多数。競馬での馬券戦略は馬連が基本。
金融系の大手企業を次々に渡り歩いて、多分バリバリに働いてきた人だと思われます。
大手金融企業なら収入もそれなりに多かったと推測されます。
相当な努力もしてきたのでしょう。
つまり若い頃は自己投資を推奨するのは自分が自己投資をしてきた結果、上手くいったという認識があるのではないでしょうか。
時代が違うという一言で済ませてしまえばそれまでなのですが、やはり時代背景の違いは大きいと思います。
また業界によっても異なるような気がします。
結局考え方は人それぞれで「正解」はない
「FIRE」を目指す若者について心配なのは、人的資本への投資効果が大きい人生の大事な時期に、金融資産の蓄積に励むあまり、爪に火(fire!)を灯すようなつましい生活をして、人間がツマラナク小さくまとまるのとともに、将来「稼げない人」として人生を送るようになることだ。
若い人にあえて言いたい。「もっと、自分のためにお金を使おう!」。
どうやら今回の記事で指摘したかった問題点とは「若い人が自分のためにお金を使わなくなること」らしいです。
確かに私も若い頃の自己投資は重要だと思っています。
給料が上がりにくくなっているとはいえ、一部の勝ち組は給料を増やせています。
給料を増やせれば投資に回せる金額も増えていきますから、そのために自己投資も悪くないと思います。
結局のところ、その人がどういうライフプランを描くかによるということです。
すべて一括りにすることなどできません。
多様性が語られる時代において「人的資本に投資すべき」と押し付けるのは違うと思います。
いずれにせよ、好きなことにお金と時間を使える余裕があって、しかも好きな仕事が稼ぎにつながっていて、願わくは、よりリッチな状態を獲得するのが「より幸せ」だろう。
今回図で示したアイデアは体系的な「幸せを目指すための人生戦略」の一部にすぎないが、読者には、なるべく大きな人的資本を獲得・活用して、より幸せになってほしい。
また「大きく稼ぐ方が幸せ」という発想も何とも古いというかバブル的というか(苦笑)。
これからの人口減少時代は最大化より最適化、自分の身の丈にふさわしい幸せの在り方を模索するほうが良いのではないでしょうか。
黙々と貯蓄するアリさんの何が悪い?
また最後の一節も非常に気になりました。
わが国では、イソップ童話のアリとキリギリスの噺を引いて、刹那的にお金を使うキリギリスを責めて、堅実なアリを手本とすべしとの論調が優勢だ。
しかし、読者の皆さんには、若い頃から好きな仕事で働くいっぽう、自分自身の知識・スキル・経験などに惜しみなく時間とお金を使って、それを高齢まで維持できるような、「冬でも(高齢でも、不景気でも)食べていけるたくましいキリギリス!」のような大らかで強い人の人生を歩んでほしい。黙々と貯蓄するアリさんばかりではつまらない。
「冬でも食べていけるたくましいキリギリス」はやはり大きく稼いできた経験のある人だからこその発想だと思いました。
根本的に働くことが好きなのでしょう。
残念ながら働きたくないという人のほうが多いでしょうから、多数派の指示は得られない意見のように感じます。
それに黙々と貯蓄するのがつまらないとバッサリ斬ってますが、つまらなくて結構です。
結局これからの時代はどのような手段を使おうと年金を受け取れる年齢になったとき、お金のために働かずに済んでいる人が「勝ち組」となるはずです。
まとめ
以上『「人生100年時代」に「FIRE」したがる人の問題点』でした。
いかがでしたか?
結局は筆者がFIREを問題視しているだけという記事でした。
記事中にも述べましたが、考え方は人それぞれです。
厳しい時代になった今、勤労から離れたいと思うのは自然です。
一方で若い人には働く楽しさを知り、人や社会に貢献する喜びを知り、たくさん稼ぐことのメリットを享受してもらいたいという想いもあります。
人生一回きりですから人それぞれが後悔しない生き方をすればよい、ただそれだけではないでしょうか。
以下関連記事です。
FIRE関連の記事が徐々にですが増えてきました。
それだけFIREが認知され始めたということです。