なぜ不幸に?FIREに成功した人が打ち明けた「まさかの本音」
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
今回は「ダイヤモンド・オンライン」に掲載された記事からです。
2023年出版の注目マネー本『JUST KEEP BUYING』の紹介記事です。
本書ではFIREに対して真正面から正論をぶつけてきています。
FIREを目指している方は一読の価値がありますので、早速見ていきましょう。
「何のために」リタイアするのか?
『JUST KEEP BUYING』の著者ニック・マジューリは、著書の中で「FIREはおススメしない」と明言しています。
「FIRE」は「経済的自立と早期リタイア」を意味します。
そしてFIREを目指すとなったとき、どうしても経済面に目が行きがちですが、ニック・マジューリは「ライフスタイルの問題」であるとして、以下のように語っています。
リタイアは単なる経済的な問題ではなく、ライフスタイルの問題だ。「いつ」リタイアできるかを知るには、「何のために」リタイアするのか、よく考えておかなければならない。
リタイア後の時間をどんなふうにすごしたいか?
どのような人づき合いを望んでいるか?
リタイア生活で一番大切なことは?これらの問いに対し納得のいく答えを導けたら、幸せなリタイアができるだろう。
あいまいな答えしか浮かんでこないなら、せっかくリタイアしても、失望したり、失敗したりしてしまうかもしれない。いくら経済的にうまくいったとしても、心身の健康が満たされていなければ意味がないからだ。
私が「FIREムーブメント」をあまり好きではないのはこのためだ。
当ブログでは常に述べていますが、「何のためにFIREしたいのか?」が最大の問題です。
人が「FIRE達成」と言っているのは、資産額が本人の立てた目標金額に到達し、会社を辞めた状態になっただけの話です。
本当のFIREは、むしろ達成後の暮らしにあります。
働くことなく長きに渡り暮らしていけるかどうかが本当の勝負です。
そして、長い人生において会社を辞めたと、一体何をするのか?
嫌だった会社から逃れるだけの目的では、まず長続きしないでしょう。
それは「FIRE卒業」で実証されたと言ってよいはずです。
何でもよいと思いますが、「FIREした後、どんな生活を送るのか」をイメージしておかないと、結局会社に戻る結末を迎えることになりかねません。
FIREしたら、自分の存在意義を見失った
また、FIREでは「孤独対策」が重要となります。
会社を辞めることにより、どうしても外部の人との接点が減少します。
そのあたりは本書内で実際にFIREした人の声が紹介されていました。
たとえばテレンス(仮名)という男性は、リタイアして自由に好きな場所を移動しながら暮らす「FIREノマド」としての生活がどんなものかを私に説明してくれた。
テレンスは2年前にリタイアし、現在はバケーションレンタルサイトの「エアビーアンドビー」を利用し、1~3ヵ月単位で世界各地を転々としている。そのライフスタイルは多くの人に華やかでうらやましいと思わせるものだ。
だがテレンスは、「孤独を感じている。たいていの人はこの生活を楽しめないだろう」と言った。
「FIREノマド的なライフスタイルを受け入れるのは、自分はもはや世の中にとって重要な存在ではないと受け入れることである。存在しているのかしていないのかわからない、手応えの感じられない世界で生きていかなければならないのだ」
なんとFIRE生活を送っている人が「たいていの人はこの生活を楽しめない」と述べています。
孤独はそれほどつらいということなのでしょう。
会社に行かず、誰とも接触せず、誰にも認められない人生に耐えられるかどうか。
特に他の人と一緒にいることのほうが好きという人にとっては、想像をはるかに超えて苦痛を感じるかもしれません。
FIREは早まらないほうがよい
こうして見てくると、FIREを達成するのは経済面だけをクリアすればよいわけではありません。
経済面に加え、「やりたいこと(生きがい)」と「孤独対策」が必要であることが見えてきます。
また、早くFIREしたいと考えている20代・30代にとっては、会社生活で得られる経験を放棄することにもなります。
あとは将来的な年金受取額が他の人たちより少なくなります。
よって、個人的にはFIREは早まらないほうがよいと考えています。
もちろん、明確に「これがやりたい」というものが見つかれば話は別です。
その時にやりたいと思ったことを優先させたほうがよいです。
しかし特別な何かが見つからず、ただ単に「会社を辞めたい」だけでFIREするのは推奨しかねます。
資産を形成しつつ、その時が来るのを待つほうが賢明ではないかと思っています。
まとめ
以上『なぜ不幸に?FIREに成功した人が打ち明けた「まさかの本音」』でした。
いかがでしたか?
会社を辞めて、自由に生きることに憧れは抱くものの、デメリットもあることは理解しておくべきです。
そのデメリットを打ち返すのは、本人の強い意志なのかもしれません。
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