貯金したいならクレジットカード・スマホ決済をやめて現金払いにすべし

 今日はテレビの番組から。

 昨日放送されたNHKスペシャル『マネー・ワールド~資本主義の未来~ 第1集 お金が消える!?』です。

 番組を見ていたところ、貯金をする方法のヒントが見つかったため、今回取り上げることにしました。
 
 

番組のあらすじ

 番組の内容については、公式ホームページから。

爆笑問題とともに、最前線の「マネーの秘密」に迫る経済エンターテインメント・シリーズ第3弾。初回は、世界中から現金が消えていくキャッシュレス化の“深層”に切り込む。ポイントカードやモバイル決済、仮想通貨やブロックチェーンの拡大・・・。いま私たちの暮らしから、どんどん現金が姿を消している。スウェーデンでは、街中からATMが撤去され、現金流通量の割合は1%台にまで激減。中国では、のべ13億人がスマホ決済を利用、ヨーロッパでも高額紙幣の廃止が進むなど、キャッシュレスへの動きが加速。その理由は単に「便利だから」だけではなく、現在の貨幣の“限界”も指摘されている。一方、国家に代わって、世界中のユーザー自らが信用を支える「仮想通貨」や、お金という概念そのものを見直し“時間”の交換に着目した「時間通貨」など、史上類を見ない“ネクスト・マネー”も次々と生まれ始めた。人類誕生後、貝殻、硬貨、紙幣へと進化を続け、世界経済の血流を生み出してきた「現金」は、このまま消えてしまうのか?そして未来のお金の姿とは?

 人類に繁栄をもたらしてきたのは、まぎれもなく資本主義でした。

 資本主義とは、働いたらその労働力に応じて報酬が得られるという制度であり、自由に経済活動を行える社会です。

 モノやサービスの価格は自由な競争の中で変動し、需要と供給のバランスで決定されていきます。

 人のお金の稼ぎ方も自由。

 多くの報酬を得ることができる人もいれば、お金を稼ぐことができず、貧しい生活を送らなければならなくなってしまう人もいる。

 人々の経済格差もまた自由な競争の中で生み出されたものです。

 資本主義の原動力となっていたものは、お金、現金でした。

 しかし、今、世界から現金が徐々に姿を消し始めています。

 決済の場面ではクレジットカードやスマホ決済が増え、現金を使う場面が減少しました。

 経済の停滞に、現金が関与しているのです。

 今、資本主義が新たな時代へと向かおうとしています。

 我々の未来には一体何が待ち受けているのでしょうか?
 
 

現金が経済の"癌"になり始めた

 これまで、資本主義経済は順調に成長を遂げてきました。

 順調に経済が回っていれば、お金もうまく回っています。

 政府、企業、個人など、いろいろな人たちがお金の循環サイクルを作っていました。

 ところが昨今、この循環サイクルが徐々に機能しなくなってきました。

 お金の供給量を増やしても、お金の動きが活性化しないという問題に直面しています。

 増やしたはずのお金は一体どこへ行ってしまったのか?

 その最たるところは、企業と個人です。

 お金が貯め込まれ、使われなくなっているのです。

 日本企業の内部留保は446兆円、日本人のタンス預金は47兆円にものぼっています。

 下のグラフは、日本のお金がやりとりされる頻度を現したグラフです。

 年々お金が動かなくなっていることが分かります。

 それどころか、お金を増やしてきたことで悪影響が出ているとも指摘され始めました。

 実は、大量に発行されたお金は、犯罪などのいわゆる"地下経済"に向かっていることが分かってきたのです。

 "地下経済"とは、犯罪、汚職、不法移民、賄賂など、いわゆる税金が支払われない非合法な経済取引のことを指します。

 そこへ発行した現金が流れているというのです。

 重要なポイントになるのは、現金の匿名性です。

 履歴が残らないため、追跡ができないため、税金を取ることもできません。
 
 

現金の問題点

 一方で、お金を増やしすぎたことで、お金の信用低下を招き、経済が破綻寸前になっている国も出てきています。

 番組では、ベネズエラの事例が取り上げられました。

 すでに餓死者も出始め、治安も悪化。

 殺人などの凶悪犯罪の多さも世界トップクラス。

 物価が高騰して、ハイパーインフレに陥っています。

 もはや現金取引が崩壊し、人々は物々交換で窮地を凌いでいます。

 現金の匿名性があるがゆえに、地下経済の実態を捉えることができない。

 ベネズエラのほかにも、アルゼンチンやトルコ、ブラジルなどでも通貨の信用が低下し始めています。

 要はモノの動きとお金の動きのバランスが取れなくなってきているのです。

 これら新興国の場合は、モノがないのにお金がジャンジャン流れていまい、お金の信用が低下することとなりました。

 一方、日本をはじめとした先進国では、モノが多いのにお金が回らないという状況に陥っています。

 日本の個人は、なぜお金を使わないのか?

 これは、やはり将来に対する不安が最も大きな要因と考えて間違いないでしょう。

 企業においては、有望な投資先がない、将来的な経営不安に対するリスクに備えたい、という理由が大きいでしょう。

 現行経済において、特に先進国ではいかにお金を使ってもらうかが非常に重要であることが分かります。

 そこでようやくここからが今回の本題ですが、いかに人にお金を使ってもらうかという世界各国の取り組みが紹介されました。
 
 

デジタル決済をやめて現金払いにすれば貯金できる

 "ある試み"で経済が活性化した事例として紹介された国は、スウェーデンです。

 その試みとは、「現金お断り」です。

 現金を使うことをやめることです。

 ほとんどのお店で現金が使えなくなり、現金流通量の割合が、名目GDPの1.3%しかないところまで激減しました。

 代わりに決済で使われているのは、スマホ決済です。

 レストラン、買い物、路上パフォーマンスのおひねり、教会の寄付までスマホで支払います。

 その結果、GDPは5年で24%増加したというのです。

 なぜ現金をやめて、スマホ決済にしたことで、経済が活性化したのか?

 その原因をスウェーデンの経済学者が登場して、簡単に説明しています。

 スマホ決済にすることで、人はモノを買う心理的なハードルが下がり、より手軽に支払うようになると分析しています。

 経済にポジティブな影響を与えるのは間違いないとまで断言しています。

 産業や社会にお金を回すには、現金をなくすことはとても有効だと指摘しています。

 一国の経済を動かしてしまうほどキャッシュレスすればお金を使うようになるというわけです。

 これはものすごいことです。

 一方で、この見解は、我々のような貯金をしたいと考えている人に対しても、一つの答えを与えてくれています。

 裏を返せば、いかにお金を使わないようにするかが分かりました。

 浪費癖のある人は、キャッシュレス決済をやめて、現金決済にすべきであるということです。

 ちなみに、お金を使うハードルを極限まで下げる技術として紹介されたのが、人間の体にICチップを埋め込む方法です。

 スマホのアプリを開いて決済するのに比べ、50%もスピードアップするとのことで注目を集めています。

 昔、UFO特集で見たことのある"インプラント"が、まさか自分の生きているうちに現実のものとなるとは夢にも思いませんでした。

 ただし、この後紹介された犯罪も減少にもつながるということで、スウェーデンの銀行強盗発生件数が激減しているとのことだったのですが、これはいかがなものでしょうか?

 2008年から2009年にかけて激減しているわけですから、ICチップなどのキャッシュレス化のせいではないように思います。
 
 ちなみに、番組はさらにお金を使わせる方法の紹介、仮想通貨、さらに時間通貨なるものも紹介され、終わることになります。
 
  

現金払いの注意点その1 銀行からお金を引き出すのは月1回に限定する

 さて、今回の本題、現金払いについてです。

 現金払いにしただけで貯金が増えるほど甘いものではありません。

 現金払いにした上で、いかにお金を管理していくかということが重要になります。

 そこで、まず1つめの提案は、生活費を銀行から引き出す際は、細かく引き出すのではなく、1回だけまとめて引き出します。

 理由は、1つが覚悟です。

 「このお金だけで1ヶ月生活するんだ!」と自分の意識を引き締めるという意味を持っています。

 もう1つは、手数料の支出を発生させないことです。

 今ではコンビニをはじめとしていろいろなところにATMが置いてあり、便利になりました。

 ただ、お金が無くなったからといってお金を引き出していては、時に手数料を取られてしまうことになります。

 ただでさえ金利が低い中で、数百円に引き出し手数料は非常にもったいない。

 引き出し手数料は絶対に発生させないよう意識することが大切です。

 手数料を発生させないためには、現金を引き出す回数を最小限度に絞ればよいわけです。
 
 

現金払いの注意点その2 1ヶ月だけはきっちり家計簿をつける

 次に、1ヶ月だけでいいので、きっちりと家計簿をつけることです。

 これは、支出の把握と引き出す金額の確認を目的としています。

 そもそも自分にはどのような支出の傾向があるのかを知らなければ、節約などできません。

 レシートをちゃんともらって、ノートに貼っていくという方法でもよいでしょう。

 家計簿アプリを使う方法でも構いません。

 家計簿をつけることができれば、結果として、1ヶ月に必要となる金額を知ることもできます。

 まずは使った金額を1ヶ月の予算として引き出すようにすれば、2回目の引き出しは理屈の上では不要となります。

 そのためにも、最初の1ヶ月だけは家計簿をしっかりとつけてみてください。
 
 

現金払いの注意点その3 週単位で家計をチェックする

 そして3つめは、1ヶ月単位で家計を管理しようとせず、週単位で家計をチェックすることです。

 家計管理が苦手な人は、お金を使うペースが不規則になりがちです。

 そのために当初用意していたお金が足りなくなり、ATMに走ることになるわけです。

 ですから、1度家計簿をつけて、支出のペースを把握しておくのです。

 そして、そのペースよりも少ないペースで進捗しているかどうかを週単位でチェックするわけです。

 週単位でチェックをした方が赤字に陥る前に調整することが可能となります。
 
  

まとめ

 以上いかがでしたでしょうか?

 貯金が苦手な人にとって、現金払いの方がよい理由はご理解いただけましたか?

 ただし、時代の流れは確実にキャッシュレスへ向かっています。

 現金払いでなくとも自分の消費をコントロールできるようになっていなければいけません。

 無駄な支出を抑えることのできるよう、今のうちから習慣づけておきましょう。