セミリタイアはアンダークラスへの転落を意味するのか?

セミリタイアはアンダークラスへの転落を意味するのか?

昨今の日本は、「格差社会」と呼ばれるようになっています。

収入の多い人と少ない人が二極化し始めています。

このままいくと、格差はさらなる拡大を続けていくことになるでしょう。

そんな日本に警鐘を鳴らしたのが、早稲田大学人間科学部教授である橋本健二氏です。

橋本健二氏は、著書『新・日本の階級社会 (講談社現代新書)』の中で、「アンダークラス」と呼ばれる階級を提唱しています。

アンダークラスとは一体何なのか?

そして、誰しもがアンダークラスに転落する恐れのある今後の日本において、アンダークラスに転落しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

「アンダークラス」とは?

橋本健二氏は著書の中で、現在の日本の階級を、資本家階級、新中間階級、正規労働者、旧中間階級、アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)の5つに分けています。

具体的な階層と人口は以下の図のようになります。

平成に出現した階級社会の最底辺は「アンダークラス」

ここでいうアンダークラスとは、労働者階級の一部ではあるが、労働者階級としての基本的要件すら欠いているために、極端に貧困で、多くの困難をかかえる人々のことを指します。

分類は収入をベースに行われており、アンダークラスはパート、アルバイト、派遣社員といった低収入の非正規雇用が該当します。

平均年収は186万円。

確かに普通に生活にするには、なかなか厳しそうな金額です。

さらに驚かされるのが、アンダークラスに該当する人が929万人いて、就業人口における割合が14.9%を占めていることです。

就職氷河期世代の非正規雇用労働者の多さが原因の一つと考えられており、政府による対策が待ち望まれるところです。

アンダークラス転落への6つの可能性

一方、今はアンダークラスではない普通の人でも、今後アンダークラスに転落する可能性があります。

どのような可能性があるのか、ご紹介します。

1.リストラ

まずは、リストラです。

今年に入ってからも、早期退職者希望のニュースが後を絶ちません。

特に話題になっているのは、45歳以上を対象としたリストラを行っている会社が多かったこと。

NEC、富士通、コカ・コーラなど。

就職氷河期世代は、やっとの想いで正社員となり、会社の中枢を担い始めようかというタイミングで、給料が高いので不要ですと言われてしまう。

一生厳しい生き方をしなければならない、「不遇の世代」とはよく言ったものです。

一度リストラされれば、元の収入に戻るのはなかなか難しく、一気にアンダークラスへの転落の可能性もありうるでしょう。

2.介護離職

これから40代を迎えるのが、親の介護です。

親の介護をどのように行っていくのか、ちゃんと決めている人はどれだけいるのでしょうか?

介護費用を捻出できないからなのか、責任感からなのか、介護離職を選択する人がいます。

しかし、収入が途絶えるわけですから、一気にアンダークラスへ転落する可能性をはらんでいます。

介護は期間が明確ではありません。

長期化すればするほど、社会復帰が難しくなります。

3.離婚

アンダークラスに転落する意外な可能性が、離婚です。

離婚によって、一気に収入が減少してしまう恐れがあります。

特に女性。

収入を夫に任せ、専業主婦をしていれば、離婚に伴い一気にアンダークラス行きとなる可能性があります。

離婚に限らず、死別ということもあり得ます。

高年齢化してからの死別は、主婦をますますアンダークラスへ転落させる危険性があります。

4.病気

それまでは一生懸命働いて、収入を得ていたとしても、働けなくなることがあります。

それは、大きな病気です。

大きな病気に伴い、入院・手術を要することになれば、場合によっては離職せざるを得ないこともあります。

となると、一気にアンダークラスに転落することを意味します。

5.独立開業の失敗

最後に、会社を辞めて、独立開業した場合。

独立開業は夢がありますが、必ず成功するとは限りません。

自分のやりたいこと、理想を実現するために独立することで、収入が激減したという話はいくらでも聞きます。

ゆえに、独立開業をきっかけに一気にアンダークラスへ転落する可能性があります。

もちろん、事業が好転すれば、中間階級どころか資本家階級までのし上がる可能性も持っており、諸刃の剣と言えそうです。

セミリタイアはアンダークラスへの転落なのか?

では、セミリタイアは、一体どのように考えればよいのでしょうか?

セミリタイアは会社を辞める行為であり、収入が激減するはずですから、表面上はアンダークラスへの転落にも見えてしまいます。

収入確保の方法がアルバイトなどの仕事であれば、定義上はアンダークラスに含まれるのかもしれません。

しかし、資産運用による不労所得でのセミリタイアの場合であれば、アンダークラスではなく資本家に分類されることになるでしょう。

今回紹介した分類は、資産の有無ではなく収入のあり方に重きを置いています。

もちろん大きな額の貯金があれば、定義的にアンダークラスになっても、何ら問題はないのかもしれません。

まとめ

以上『セミリタイアはアンダークラスへの転落を意味するのか?』でした。

セミリタイアをする人であれば、投資や少ない労働で収入を確保することで生活をすることを想定しているはず。

ただ、きちんとした準備をしてセミリタイアしないと、社会復帰しようとしても正規労働者階級に復帰できる保証はありません。

年齢が高ければ、なおさらです。

セミリタイアをしたい気持ちは分かりますが、現代社会の状況も踏まえて慎重に行動する必要がありそうです。

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