手取り22万円「非正規・氷河期世代」を襲う「一生氷河期」という悲劇
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
『資産形成ゴールドオンライン』の「統計から紐解く日本の実情2022」シリーズからです。
最近の私のお気に入りの一つとなっています。
今回は就職氷河期世代の話題です。
氷河期世代の「一時的な仕事に就いた者」の推移
まずは改めて「就職氷河期世代」とは何かの説明から。
氷河期世代とは、厚生労働省が2019年8月に発表した『就職氷河期支援施策の取り組みについて』において「おおむね1993年〜2004年に学校卒業期を迎えた世代」と定義しています。高卒であれば、1975年から1986年に生まれ、2022年時点で36〜47歳になる人たち。大卒(ストレートで大学に入り、4年で卒業した場合)であれば、1971年から1982年に生まれ、2022年時点で40〜51歳になる人たち。つまりいまの40代はまるまる氷河期世代だといえます。
私は1997年大学卒だったはずなので、まさに就職氷河期世代。
就職活動当時にはもちろんそんなことには全く気付いていませんでした。
バブルがはじけた後の私たちの世代はまだマシだったようです。
私より後の世代のほうがもっと厳しい環境にあったことが次の数字から伺えます。
【「大学卒業者数」と「一時的な仕事に就いた者」の推移】
1996年 512,814人/10,514人
1997年 524,512人/10,738人
1998年 529,606人/11,957人
1999年 532,436人/16,023人
2000年 538,683人/22,633人
2001年 545,512人/21,514人
2002年 547,711人/23,205人
2003年 544,894人/25,255人
2004年 548,897人/12,412人
2005年 551,016人/12,061人
2006年 558,18人/12,039人
2006年はデータの誤植と思われ、「大学卒業者数」の桁が一つ足りなくなっていますがご容赦ください。
「一時的な仕事に就いた者」、つまりパートやアルバイトの人数が2万人を超えているのは現在の40歳から46歳くらいの人たちの世代でしょうか。
相当求人が少なくなっていたのだろうと思われます。
そしてその結果、大学を卒業して非正規のままずっと正社員になれず、そのまま40代になった人が多いのでしょう。
いまだ約50万人が非正規雇用のままとなっているようです。
40代氷河期世代の非正社員の給与分布
続いて就職氷河期世代の具体的な給与に迫ります。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本調査』によると、大卒男性、非正社員の平均月収は31万1,400円、手取りにすると24万円ほどになります。
40代に注目すると、40代前半で月収28万9,200円、40代後半で28万6,900万円。手取りにすると22万円ほどです。また同時期の正社員をみていくと、40代前半で月収44万6,200円、40代後半で48万3,500円。
40代で手取り22万円。
大変申し訳ないのですが、これはかなりキツイと言わざるを得ません。
結婚して子どもを養うには厳しい金額です。
同世代の正社員が45万円前後に対して、非正規社員だと30万円にも満たないとは大変大きな差です。
大卒男性非正社員の40代前半・後半の給与分布は以下のとおりです。
【大卒男性・非正社員の給与分布】
20万円未満:27.3%/28.2%
20万~22万円未満:12.8%/15.3%
22万~24万円未満:16.5%/13.2%
24万~26万円未満:6.4%/6.7%
26万~28万円未満:4.6%/7.9%
28万~30万円未満:8.2%/4.7%
30万~32万円未満:4.8%/4.5%
32万~34万円未満:2.3%/2.1%
34万~36万円未満:2.6%/3.6%
36万~38万円未満:5.0%/1.5%
38万~40万円未満:1.9%/2.1%
40万円以上:7.7%/10.2%
見れば明らか、24万円未満で過半数を占めています。
これは厳しい。
私は「40万円以上」に入るのですが、こういうデータを見ると本当にラッキーなのだと感じます。
氷河期世代は一生救われない
就職氷河期世代を救うプロジェクトは動いているようですが、大きな成果を挙げているかと問われれば疑問です。
しかも新たな問題が発生しつつあります。
それはインフレです。
最近の物価の値上がりは将来に対する危険な兆候かもしれません。
食品を始めとした物価の値上がりは一時的なものとは思えず、今後も断続的に値上がり続けるだろうと予想されます。
そもそもここ30年くらいあまり物価が上がらなかったことの方が異常だったとも言えます。
低収入のところへ物価高。
物価高が今後も続くとなれば、将来は年金も受取額が減っていくのも合わせるとかなり苦しい老後が待っていることは間違いありません。
となると、残念ながら就職氷河期世代と呼ばれる世代は一生救われないことが確定したも同然です。
「貯蓄から投資へ」と促しつつも金融課税強化を目論む政府に何も期待できないことは明白です。
運よく正社員になれた人は、私も含む幸運だったと思い、しっかりと老後に向けて蓄財しておくべきでしょう。
まとめ
以上『手取り22万円「非正規・氷河期世代」を襲う「一生氷河期」という悲劇』でした。
いかがでしたか?
まさか20年以上前の選択が一生の重しとなるなど当時は誰も思わなかったはずです。
就職氷河期世代は団塊ジュニアとして人口が比較的多い世代にかかるところもあり、プラスで不運が重なったとも言えそうです。
この地獄から脱出したければ、残念ながら自力でなんとかしてくださいと言わざるを得ないのが現状です。
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