「老後資金2000万円問題」は本当に”単なる作り話”にすぎないのか?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「プレジデント・オンライン」に掲載された、おなじみ大江英樹氏の書いた記事です。
「大江氏の記事なので話半分に」と思いつつも、珍しく共感できる部分もあったのでご紹介していきます。
老後が不安なのに何も対策しない人たち
私が共感できたのは、大江氏が「とても面白い現象」として紹介したエピソードです。
「みなさん、老後は不安ですか? そう思う方は手を挙げてください」と言うと、ほとんどの人が手を挙げます。
ところが、次に「では、みなさん、自分が受け取れる年金額を知っていますか?」、そして「毎月の支出をきちんと家計簿につけていますか?」と聞くと、ほとんどの人が逆に手を挙げないのです。
これです。
老後に対する不安は私も含め、多くの方が多かれ少なかれ抱いていることでしょう。
しかし、その割には本気で老後の対策を考え、実行している人は少ないのではないかと感じていました。
その典型的な疑問がまさにこの引用部分に書かれている「自分が受け取れる年金額を知っていますか?」です。
「年金では暮らしていけない」「老後にお金が必要」との考えに至る最重要ポイントである自分の年金額を知らないとはおかしな話ではないでしょうか?
これが日本人の大半の姿です。
結局何もしない。
だから不安は解消せず、気づけば老後になり、「もっと貯金しておけばよかった」と嘆く。
“その他大勢"の人たちの実態はそんなもんです。
年金だけで夫婦二人暮らしは可能?
今回の記事で大江氏は「老後資金2000万円問題は作り話」と断定し、実際に年金だけで夫婦二人暮らせるかという実験を行ったとしています。
実際には71歳現在で年金を受け取っていないようで、自らの経営する会社から月24万円の給料を受け取り、その金額の範疇で生活できるかどうか実験したようです。
結果は「夫婦2人でまったく問題なく、赤字にもならずにこれまでずっと生活できています」と書かれていました。
しかし私は懐疑的な見方をしています。
まず「老後資金2000万円問題は作り話」という点については同意します。
これは当時の平均の年金額と支出額の差分から単純計算して算出した数字でしかなく、実態とは乖離したものだからです。
そもそも収入より支出が多くなるなんてことはあり得ない話です。
支出が多い理由は老後資金を保有している世帯が「消化」しているためでしょう。
平均の数字は実態を覆い隠すので要注意です。
そしてこの実験最大の問題は「全世帯が厚生年金加入者とは限らない」ことです。
大江氏は夫婦二人で24万円と仮定していますが、二人とも国民年金のみの場合、受け取れる金額は13万円程度まで減少します。
最近は単身世帯も増えていますから、単身で国民年金のみであれば6万円ちょっとです。
さらに、大江氏夫妻は二人とも元気なはずですが、老後最大の懸念は医療・介護です。
もしどちらかが医療・介護の必要な状態になっても13万円でやりくりできるのか、といったところまで踏み込まなければならないはずです。
私は冒頭に「話半分」と書いた理由は、この実験の結論の不十分さにありました。
老後を過剰に心配しすぎないためには?
では、老後の暮らしが不安で仕方ない人はどうすべきなのか?
とにもかくにも、自らの老後の収支がどうなるかを知ることから始めるべきでしょう。
将来の年金額はある程度予想できますし、支出も現在の支出をベースに考えれば、ある程度予想できるはずです。
この収支予測を立てられないのだとすれば、これは大問題です。
予測を立てておくことで、用意すべき老後資金が判明します。
もしかしたら2000万円より少ないかもしれませんし、人によっては多いかもしれません。
まずは自身の状況把握はマストで行わなければなりません。
プラスして介護費として1人600万円を用意できれば十分でしょう。
最後は大江氏の言葉に同意しますので、引用して今回の記事を終えたいと思います。
もちろん、将来は予測できない、不確実なものであるのはその通りですが、老後を心配し、お金を増やしたいという気持ちばかりを過剰に持ってしまうことで、勧められるままに変な金融商品を買わされたり、不要な保険にたくさん入ってしまう可能性が出てきます。私はそのことの方が、老後不安よりもよほど深刻で問題は大きいと思います。
まとめ
以上『「老後資金2000万円問題」は本当に"単なる作り話"にすぎないのか?』でした。
いかがでしたか?
「老後資金2000万円問題」は確かに作り話です。
しかし、だからといって2000万円は不要とは限りません。
人によって条件が異なるため、自分はどうか、調べる必要があるのです。
そして、予測される金額に見合った対策を立て、実行していかなければならないのです。
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