インデックス投資派におススメの本『お金は寝かせて増やしなさい』
どうも。『毎日が祝日』いわいです。
つみたてNISAを始めたけれど、コロナショックに伴う暴落でつみたてをやめてしまったという声を聞くことがありました。
投資は常にプラスでい続けられるはずなどありません。
時に上がり、時に下がります。
むしろリーマンショック以降の約10年間があまりにも恵まれすぎていたのです。
マイナスに転じたときにこそ投資家としての真価が問われるように思いますが、途中退場者が続出する光景は日本に長期投資の文化が根付いていないことの表れなのでしょう。
では、日本でこれから長期の積立投資を始めたい、つみたてNISAを始めたい、インデックス投資を始めたいと思ったとき、何を・誰の意見を参考に始めればよいのかよく分からないと思います。
そこで今回ご紹介する本は、日本のインデックス投資の教科書とも言えるのではないしょうか。
その本のタイトルは、著者自身のインデックス投資経験を存分に盛り込んだ『お金は寝かせて増やしなさい』です。
『お金は寝かせて増やしなさい』とは?
著者は「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」というブログを運営している水瀬ケンイチ氏。
投資のプロではなく、普通のサラリーマン投資家です。
15年のインデックス投資経験をもとに書かれた本となっています。
この15年の長さこそ、本書の最大の強みと言っても過言ではありません。
なぜなら、日本でインデックス投資がまともにできるようになってからまだ約10年しか経っていないからです。
日本の投資環境はアメリカと比較してはるかに遅れているのです。
インデックス投資のバイブル的書物としては『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理』が知られています。
この非常に分厚い本は当然アメリカを舞台に描かれたものであり、その厚さゆえに読み進めるのも非常に困難を極めます。
それに比べ『お金は寝かせて増やしなさい』は日本のインデックス投資黎明期からの実体験を元に描かれていますから、大変興味深く読み進めることができます。
そして何より、ライブドアショック、リーマンショック、ギリシャショック、東日本大震災など、これま株式市場に起こってきた数々の暴落を乗り越えてきた実践記が秀逸です。
この実践記は、今回の"コロナショック"で打ちひしがれている投資家を勇気づけてくれます。
この点につきましては、後で詳しくご紹介していくことにします。
他にも途中には漫画をはさみながら、インデックス投資を分かりやすく教えてくれます。
『お金は寝かせて増やしなさい』の目次
インデックス投資の教科書としておススメする理由は、目次を見てもらえれば分かると思います。
あなたが気になる内容がいくつも並んでいるはずです。
目次を列挙しておきましたので、じっくり眺めてみてください。
コミック 第1話「未来、投資の神様と出会う」
プロローグ 私がたどり着いた「寝かせてお金を増やす方法」
インデックス投資の長期実践者が少ないのはなぜ
私がインデックス投資をおすすめする理由
銀行や証券会社を信じてはいけない!
第1章 金融のど素人でもプロと互角以上に叩ける「インデックス投資」
インデックスファンドは「投資信託」の一種
投資信託のメリットとデメリット
「専門家が運用してくれる」のはメリットにならない?
投資信託の99%は不要!
アクティブファンドのほとんどがインデックスに勝てない皮肉な現実
基本はひたすら「積み立て投資」
いざ始めてしまえば、やることはほとんどない!
なぜ、銀行や証券会社はインデックス投資をすすめないのか?
第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法
インデックス投資を始める前に最低限しなくてはいけないこと
なにが起きても自分と家族を守るお金「生活防衛資金」
100年に一度の金融危機のなかでもぐっすり眠ることができた理由
インデックス投資でいちばん大切なのは自分のリスク許容度を知ること
自分のリスク許容度を知る方法
分散投資のスゴいところ
お金の世界で使われる「リスク」という言葉の意味
「将来の不確実性」のリスクは数で確実に表現できる
期待リターンも数字でズバッと表現できる
インデックス投資は究極の分散投資
資産配分(アセットアロケーション)がすべての勝敗を決める
資産配分を決定する「ひとつの大前提」
資産配分を決定する「2通りの方法」とは?
数字を入力するだけでリスクと期待リターンがわかる便利ツール
資産配分の「キモ」は意外にも国内債券だった
最悪の事態が起こったときの損失額を計算する方法
それでも心配な場合はどうすればいいか
投資すべきインデックスファンドはズバリこの3本!
国内債券のインデックスファンドはどれがいいの?
あとはひたすら積み立てて寝かせて増やすだけ!
楽ちんだけど、年に1回だけやったほうがいいこと「リバランス」
投資銀行の大物も「インデックス投資の勝利」を認めざるを得なかった
コミック 第2話「堅実貯金派の未来がいよいよインデックス投資を始める! 」
第3章 おすすめの金融機関&口座開設の手順と気になるNISAとiDeCo
インデックス投資に最適な金融機関はズバリここ!
ネットで完結! 口座開設の7ステップ
「NISA」と「つみたてNISA」はどちらを選択すべきか
少額投資非課税制度NISAのデメリットとは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)はあくまでも「年金」であることを忘れずに!
「NISA」「iDeCo」は損得に振り回されずにうまく活用しよう
第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい
投資で一喜一憂する凡人から抜け出よう!
投資は孤独な道のり―なにを信じればいいの
グルグル回って自己増殖する「資本」
あとでドッカーンと効いてくる「複利」の力
「前年同期比でプラス」は資本主義経済の強烈なエンジンとなる
「資本主義経済の拡大再生産」のパワーの取り出し方
プロは絶対教えてくれない「インデックス投資を続けるコツ」
「今さら始めるのは……遅い」?と迷っているあなたへ
相場が大暴落したらどうすんのよ!?
相場が好調なときにこそ「リスク許容度の確認」をすべし!
どうしても売りたくなったときにふれるべき言葉①②③
売るに売れない「仕組み」をつくっておく裏ワザ
新しいインデックスファンドが登場したら乗り換えるべき?
コミック 第3話「100年に一度のリーマン・ショックの危機到来! 」
第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記
2004年から2016年の投資成績を初公開!
(2006年 ライブドア・ショックもなんのその など)
インデックス投資を15年間実践してわかったこと
第6章 貴重情報! インデックス投資の終わらせかた
インデックス投資の出口戦略に関する情報が少ない理由
「出口戦略」という魔法の言葉の罠
インデックス投資の出口戦略1~3
「リタイア直後に大暴落が来たらすべてが水の泡じゃん! 」という誤解
コミック 最終話「人が幸せを望む限り……」
エピローグ 寝かせて増やすことはつまり人の未来を信じるということ
インデックス投資をする上で気になる項目がいくつもあったのではないでしょうか?
1つでもあったのであれば、買って読んでみることをおススメします。
暴落で落ち込んだ人に伝えたい3つの言葉
今回のコロナショックの暴落で投資の怖さを知った人、資産を減らして落ち込んでしまった人にはぜひとも読んでもらいたい場所があります。
それは、第5章の「インデックス投資を15年間実践してわかったこと」です。
この場所は暴落時の心の支えにならないはずがありません。
あのリーマンショックを始め、いくつもの暴落の局面を乗り越えてきた人の言葉には重みがあります。
ここで「インデックス投資を15年間実践してわかったこと」を3つご紹介しておきます。
1.最悪の事態の想定は「厳しめ」に見積もるべきだった
2.相場が永遠に下がり続けることはない
3.インデックス投資家の仕事は「売りたくなったときに我慢すること」
1つめは、「最悪の事態の想定は「厳しめ」に見積もるべきだった」ことです。
これは著者がリーマンショックの年にたった1年でマイナス53.6%という下落を記録した経験から学んだことです。
ここ最近はずっと右肩上がりの相場が続いており、投資しないほうが損するような状態でした。
それゆえに投資へのハードルは下がり、つみたてNISAなどの制度整備もあり、最近投資を始めた人も多かったはずです。
「投資は自己責任」とは言われながらも、投資の本当の怖さを知らなかったはずです。
だからこそ本当に暴落が起こったとき、予想していなかった事態に狼狽売りした人が続出したのだと思います。
「投資は自己責任」であり、「余裕資金」で行うべきものです。
常に最悪の事態は想定しておくべきですし、最悪の事態は厳しめに見ておいた方がよいというのはリーマンショックを経験した著者ならではの助言でしょう。
2つめは、「相場が永遠に下がり続けることはない」です。
これもリーマンショックを乗り越えた著者ならではの言葉です。
暴落が起きると「二度と立ち直れないのではないか?」という精神的なダメージを負います。
しかし、長い歴史を見てもらえれば分かるように、暴落してもその後は這い上がってきています。
現時点ではまだまだ株価は下がることになるでしょう。
しかし、いつかはきっと上昇に転じるはずです。
インデックス投資派は、上昇する時が来るのをじっと待ち続け、積み立てを続けるのみです。
そして3つめは、インデックス投資家の仕事は「売りたくなったときに我慢すること」です。
今回のコロナショックで、株価暴落に耐えかね保有する銘柄を売却した人も多いことでしょう。
しかし、先ほどの2でご紹介したように、相場はいつか上昇に転じます。
その時を待って我慢し続けなければインデックス投資の意味がありません。
インデックス投資は、とにかくバイ&ホールドに尽きます。
今回残念ながら売却してしまった人たちが改めて投資の世界に戻ってくるときには、絶対に一度買った銘柄は手放さないという信念を持っておいていただきたいです。
出口戦略にも触れられている
株価が上昇していた局面で、投資を勧める人・企業は増えていました。
そして、どうやって投資を始めるか、どの銘柄が良いのかに触れることは多くなりました。
その一方で、どうやって投資を終えるのか、出口戦略を目にすることはほとんどありませんでした。
それもそのはずです。
最近定着し始めたばかりのインデックス投資ですから、まだ出口を迎える人がほとんどいないからです。
しかし、始めがあるなら終わりは必ずやってきます。
いかに投資を終えるかを考えておかなければいけません。
その点『お金は寝かせて増やしなさい』は出口戦略にも触れており、シンプルな方法が3つ紹介されています。
リアロケーション、定率の取り崩し、必要な分だけ取り崩しの3つです。
極めてシンプルですが、納得できます。
ぜひともご一読ください。
まとめ
以上「インデックス投資派におススメの本『お金は寝かせて増やしなさい』」でした。
いかがでしたか?
日本におけるインデックス投資を最も分かりやすく書いた本と言っても過言ではありません。
コロナショックの暴落で落ち込んでいる人は、この本を読んで勉強をしてもらいたいものです。