積み立て投資最大の不安は投信業界?低手数料路線が招いた消耗戦

2022年2月23日

積み立て投資最大の不安は投信業界?低手数料路線が招いた消耗戦

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

先日発表された楽天証券の制度改悪に関する実情を語った記事です。

何やら証券会社の厳しい状況が見えてきます。

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楽天証券が発表した制度改悪

2021年12月27日、楽天証券はとある発表をおこないました。

内容は保有する投資信託に対するポイント付与の方法を変更を発表でした。

従来は残高10万円ごとに3〜10ポイントを毎月還元していましたが、2022年4月からは残高が一定の額に達した際にポイントを付与する形に切り替えます。

これに対し、私を含めユーザーが一斉に反応しました。

大半は「制度改悪である」としたネガティブな反応でした。

すかさずSBI証券は対抗策を出し、ポイント付与率を年0.15~0.25%と最大5割引き上げると発表しました。

投信の移管手数料を負担するキャンペーンも恒久化しました。

記事によれば「楽天証券からの移管申し込みが増えている」そうです。

楽天証券が見直しに動いた背景とSBI証券の動向

記事によると楽天証券が制度見直しに動いた理由は「ポイント付与などに伴う販促費用が膨らんでいるため」だそうです。

18年4~9月期の売上高営業利益率35%に対し、21年4~9月期の売上高営業利益率は14%と半分以下にまで低下していました。

ここでユーザーが理解しておかなければいけないのが証券業界の売上の構図です。

背景には投信業界の事情がある。投信では投資家から得る運用管理費用(信託報酬)を、投信の販売窓口である証券会社、資産を管理する信託銀行と分配する。

たとえば、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS SLIM 米国株式(S&P500)」の信託報酬は年0.09%強。このうち楽天証券が得るのは0.0374%だ。楽天銀行と連携する顧客には現状、残高10万円ごとに年0.036〜0.12%を還元する。投信の種類や残高によって条件が異なるため単純比較できないが、ポイント分を除くと収益はごくわずかだ。

つまり楽天証券は投信が売れても利益を上げられていないことになります。

長期的に見るとポイント還元し続けられないという判断になったのでしょう。

よって私が当初抱いていた楽天証券が状況を見て制度改悪を見直すのではないかという楽観的な考えは捨てなければいけないようです。

一方のSBI証券はどうでしょうか。

現在楽天証券からの乗り換えが進んでいるようですが、SBI証券も台所事情としては楽天証券同様苦しいのではないかと推測されます。

楽天証券に対抗して引き上げたポイント付与率を今後恒久的に維持できるかと言われると、厳しいのではないかと思えてきます。

運用会社も苦しい台所事情

苦しいのは証券会社だけでなく運用会社も同じです。

運用会社の業績面で起きている現象も同じ構図だ。新型コロナウイルス禍の株価急落や「老後2000万円問題」を受け、多くの20~30代が投資に踏み出した。投信の運用残高は21年に164兆円と過去最高を更新したものの、報酬が目減りしているため運用会社の実入りは横ばいが続く。

「貯蓄から投資へ」との流れが徐々に顕在化し、NISAやiDeCoといった制度面の充実も後押しとなり確実に投資を始める人が増えているのですが、儲かっていないというのが実情のようです。

私はここ最近の流れで証券会社や運用会社はウハウハで笑いが止まらないのではないかと思っていたのですが、どうやら勘違いだったようです。

純資産高は増加し続ける一方、投信の手数料もどんどん低下しています。

投信の手数料率は低下が続く

三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS SLIMシリーズ」はその代表例でしょう。

「とことんコストにこだわり続け、業界最低水準の運用コストを目指す」としています。

私もつみたてNISAでeMAXIS SLIMシリーズのオールカントリーとS&P500を利用しています。

選択した理由はなんといっても低コストだったことでした。

しかし選択理由だった低コストはどうやら運用会社を苦しめていたのかもしれません。

確かに安ければ利益も減るわけですが、正直運用会社の台所事情までは思考が及んでいませんでした。

投資益だけで本当にFIREし続けられるのか?

ここまで分かるとおり、証券会社も運用会社も非常に厳しい現状が見えてきました。

となると、今後はいろいろな改悪が待っているかもしれません。

一番は怖いのは信託報酬の値上げでしょうか。

実際に値上げをする可能性は低いような気もしますが、こればかりは分かりません。

信託報酬率が上がればおのずと還元される投資益は縮小していきますから、投資家にとっては痛手です。

特に投資益がすべてとも言えるFIRE民にとっては恐怖かもしれません。

FRE民だけでなく全投資家最大の関心事と言えば「金融課税強化」ではないでしょうか。

2022年7月に参議院選挙が控えているため、自民党は一旦隠していますが、自民党が勝利して実際に強化に向けた動きが表面化していくことになるでしょう。

金融課税強化はかなり高い確率でおこなわれると思います。

一方で物価は上がり続けます。

はたして投資益だけで今後もずっと生活し続けられるのでしょうか?

結局何の贅沢もできない「消耗戦」のような生活を強いられる続けるだけかもしれません。

まとめ

以上『積み立て投資最大の不安は投信業界?低手数料路線が招いた消耗戦』でした。

いかがでしたか?

楽天証券の改悪から始まった騒動は、投信業界全般が抱える問題を表面化させたきっかけにすぎません。

投資家にとっては厳しい未来が訪れる予兆と言えるのではないでしょうか。

以下関連記事です。

2022年に考えるべき楽天銀行・楽天証券の改悪対応です。

テレビでも紹介された積み立て投資で絶対にやってはいけないことです。

積み立て投資派も参考になる億り人が大事にしている「投資鉄則7箇条」を紹介しています。

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