退職金の運用方法で考えておくべき4つのこと
『人生100年時代の老後は長い! リタイア後に投資を始めようと思っているなら、考えておくべき4つのこと』という記事を読みました。
老後に投資を始めようと考えている人は多いようですね。
しかも、退職金を投じて。
退職金を運用して、その運用益を年金にプラスして、老後資金を捻出する。
これができれば理想的です。
しかし、現実はそう甘くはありません。
悪いことだとは言いませんが、退職金の運用方法については、それなりに注意しなければいけない点もあるのが事実です。
そこで今回は、退職金を使った運用の方法について、あらかじめ考えておくべきことをご紹介していきます。
退職金の運用方法で考えておくべきことその1 投資に回せるお金があるか確認する
まずは、そもそもお金があるかどうかというお話。
退職金を運用するのはいいのですが、投資に回すお金があるかどうかはあらかじめ確認しておかなければなりません。
退職までには、さまざまなライフイベントが控えています。
結婚、出産、育児、住宅購入、進学など。
それに毎月の生活費がどうなっていくかを考慮して、どれだけの老後資金が貯まっていくのか計算しておく必要があります。
そして、その老後資金のうち、どれだけの金額を運用に回すことができるのかを考えましょう。
老後資金を全額投資に突っ込むのは絶対にやめるべきです。
退職金の運用方法で考えておくべきことその2 投資のリスクとリターンを理解する
これも当たり前のことですが、リスクとリターンの関係を理解しておかなければなりません。
当然、リスクをとれば高いリターンが得られますが、逆に損失した場合には、多くの資産を失います。FXでレバレッジを利かせた場合には、思った以上に損失が拡大することがあります。
これがハイリスク・ハイリターンの関係ですね。
例えば、単純にリスクを高い低いの2つにざっくり分けるとすれば、次のような感じになるでしょうか。
低リスク:預金や定期預金、国債
高リスク:金、不動産投資、日本株、外国株、FX
先にも述べましたが、老後資金の不足分を補うために退職金を運用して、増やすという気持ちは理解できますが、現実は甘くありません。
投資とは、必ず増えるものではなく、減ることもあり得ます。
時に暴落することさえあります。
特に、老後に退職してから運用して、老後資金を減らしてしまった場合、資金を回復させるのも一苦労するはずです。
再度働くにしても、仕事が見つかるかどうか分かりませんし、体力的にも衰えてきており、現役時代と同じような働き方はできなくなるでしょう。
あまりにも大きなリスクをとりすぎると、老後資金を想定外に減らしてしまう恐れがあるということを理解しておかなければなりません。
退職金の運用方法で考えておくべきことその3 投資知識とスキルを磨く
フィデリティ退職・投資教育研究所が2015年に退職金を受け取った8000人を対象に調査したところ、退職金で投資をした2676人の25.9%がそれまで投資をしていなかったことが分かったとのこと。
4人に1人は投資未経験者だったということになります。
投資未経験で、いきなり退職金という大金を運用しようというのは、かなりリスキーなことだと思いませんか?
必ず投資の勉強をしておかなければいけません。
これは必須です。
金融会社の社員にすすめられるがままに投資商品を選ぶのではなく、自分で選んで投資商品を購入しましょう。
また、ある程度投資を経験したことのある人であれば分かると思いますが、相場が変動したときに泰然自若としていられるかどうか。
必ず下がる局面が生じるわけですが、僕はその相場の変動に精神が耐えられないタイプだと分かったので、投資は控えているのです。
知識・スキルもさることながら、相場変動に耐えうるメンタルがあるかどうかも重要です。
退職金の運用方法で考えておくべきことその4 目的を明確にして身の丈で投資する
最後は、退職金を投じて運用する目的を明確にしておくことです。
老後資金の捻出が最大の目的になるのでしょうが、大きなリスクをとる必要はありません。
さらに言えば、死ぬときに大金を残す意味はないわけですから、言い方を変えれば、老後の運用は資金を上手に減らすことが大事です。
老後にまで働きたくはないというのが本音だと思います。
ゆえに、退職金の運用で資産を増やすことができれば、働く必要がなくなると考えるのは、ある意味自然な考えだとも言えます。
ただ、リスクを負ってまで運用する必要がないのが退職後の投資だったりします。
自分の身の丈に合わせた投資を心がけるべきです。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
退職金を運用する際に注意しなければいけない点はご理解いただけましたか?
特に投資経験なく、いきなり退職金を運用に回していくのは極めてリスクが大きいです。
幸い、近年になって投資を始めやすい制度も整いつつあります。
老後資金の確保という観点から言えば、iDeCoが最も適しているのではないでしょうか。
もし退職後に、退職金を運用したいと考えているのであれば、まずiDeCoを始めて、投資の勉強をしてみるのもよいのではないでしょうか。