40代が知っておくべき物価上昇の3つの真実と4つの老後対策
2月に入ってから、値上げの発表が相次いでいます。
最初は食品・飲料メーカーの値上げラッシュでしたが、半ばになるとスターバックス、CoCo壱番屋といった飲食チェーンも値上げを発表し始めています。
思い出すと、子どもの頃、赤城乳業のガリガリ君は1本50円でした。
それがいまや100円の時代です。
30年の時間をかけて、価格が2倍になりました。
そしてこれからもきっと上がり続けることになるでしょう。
私たちは上昇を続ける物価に対し、どのように向き合っていけばよいのでしょうか?
そこで今回は、物価上昇における真実と老後に向けた対策について考えていきます。
物価上昇の真実1 20年後には物価が1.5倍になる計算
そもそも安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」では長期のデフレから脱却し、景気回復と経済を成長させることを掲げています。
その1つに物価上昇率2%の目標があります。
これは毎年物価が1.02倍になっていくということを意味しています。
現在1万円のものは、1年後には1万200円になっていることになります。
その翌年は1万400円ではありません。
1万200円が1.02倍になるのですから、1万404円になります。
ということは20年後には14,859円となり、ほぼ1.5倍に。
30年後には18,114円となり、1.8倍になります。
一方で貯金のようにただ保有していただけのお金は、物価上昇により価値を下げてしまいます。
国が政策として物価を上げることを掲げている以上、将来の物価上昇は避けて通れません。
これが特に近年、投資を推奨する声が多くなっている理由です。
現在の低金利ではお金を保有していても、物価上昇率ほどお金が増えません。
物価上昇の真実2 物価が上昇しても年金は増えない
年金の額は毎年物価の変動に合わせて調整が行われることになっています。
2019年度の年金額は、2018年度の0.1%増になると決まりました。
「年金は増えることもあるのか?」と驚かれた人もいるかもしれません。
時に増えることもあるのです。
しかし、金額が少し増えたといって手放しに喜ぶことはできません。
年金額は増えていますが、物価は1%増だったので、年金の実質的な価値は目減りしているからです。
物価が上昇しても、物価上昇率ほど年金は増えないのです。
物価上昇の真実3 給料が増えても物価はそれ以上に上昇している
「給料が増えたから、何か買おう」
昇給して、そう思ったことのある人は多いことでしょう。
しかし、給料が多少上がっても、それ以上に物価が上がっているので、お金を使ってしまっては生活が苦しくなるだけです。
自分の給料が上がったときには、何%上がったのかを確認しておきましょう。
物価上昇率よりも低ければ、実際は給料は下がったのと同じです。
物価上昇に打ち勝つには、企業の賃上げを待っているより自衛しなければなりません。
では、私たちは老後に向けてどのような対策を立てればよいのでしょうか?
老後対策1 老後資金がいくら必要か算出する
老後資金の準備は、まず年金以外にいくら必要かを算出し、貯蓄できる期間がどれくらいあるかがわかれば具体的な方法を検討しやすくなります。
そのために、これから起こるであろうライフイベントを洗い出し、それぞれいくらかかるのか予想金額を算出します。
ネットで検索すれば、だいたいのイベントはざっくりいくらくらいかかるのか分かります。
各イベントでかかる金額と何歳まで生きるかを仮定して生活費を算出し、2つを足せばおおよそ必要となる老後にかかる費用は算出できます。
次に、「ねんきんネット」の「年金見込額試算」で、自分が将来受け取ることになる年金額をシミュレーションしてみましょう。
今後どのような人生を送ろうと考えているのかを入力していけば、将来の年金額が算出されるようになっています。
老後にかかる費用と受け取る年金額を差し引けば、貯めなければならない老後資金が分かります。
よくあるネット記事の3000万円とか5000万円という金額は、あくまで平均の支出などを元に計算されていますから、あなたがあてはまるとは限りません。
実際に自分に置き換えて計算するようにしないと、あとあと大きな失敗に気づくことになります。
老後対策2 支出を減らす
年金の他に老後に必要なお金を用意しておくとなると、今から少しずつ貯金することができます。
コツコツと貯めていくことで老後に備えることができます。
そのためには何をするべきかというと、支出を減らすことです。
ある意味、最も簡単にできる対策です。
本当に必要な支出を見極め、不要な支出はカットしていきます。
老いていくにつれ自然と減っていく支出もあります。
老後に全方位的な支出をしていては、老後資金は間違いなく枯渇しますので、今からカットできる支出はカットしておきましょう。
老後対策3 年金以外の収入源を確保しておく
年金だけでは収入が少なく、生活が赤字になる可能性を持った人もいるでしょう。
また、「ねんきんネット」で算出される年金額を将来受け取ることができる保障もありません。
ですから、年金をあてにしなくてもいいように、別の収入源を作っておくと精神的にゆとりを持つことができます。
年金以外の収入源をつくるには、年金を受け取る年齢になる前から準備をしておかなければなりません。
現役時代の経験や人脈を活かすのが最も堅く収入を得る仕組みをつくりやすいのではないでしょうか。
老後対策4 iDeCoを始める
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、掛金を自分自身で運用しながら積み立てて原則60歳以降に受け取る個人年金です。
iDeCoの掛金は月額5,000円から、1,000円単位で自由に設定できます。
iDeCoの最大のメリットは、支払った掛け金が全額所得控除となることです。
そのために注目を集めていいます。
60歳にならないと受け取ることができませんので、60歳まで払い続けることができるかどうかを見極めなければなりません。
もし60歳まで安定した収入を得ることができる見込みがあるのであれば、iDeCo加入は非常に大きなメリットになる可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は『40代が知っておくべき物価上昇の3つの真実と4つの老後対策』をご紹介しました。
あまり不安をあおりたくないですが、どんな未来が待ち受けているか分かりません。
将来受け取ることのできる年金の額は、満足に生活できるものなのかも分かりません。
今からできる限りの準備をしておき、来たるべき老後に備えましょう。