「持ち株ゼロ」の岸田首相が掲げる「1億総株主化」は現実的か?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「1億総〇〇」という言葉はいろいろありましたが、とうとう「1億総株主化」ですか。
とんでもない言葉が出てきました。
今日は個人的な考えを述べていきます。
「貯蓄から投資」への流れは理解できる
まず、昨今の「貯蓄から投資」への流れについては、私は理解できます。
なぜなら日本の現金・預金の割合が欧米と比較して圧倒的に多いからです。
下のグラフは金融庁が発表したデータになります。
明らかに日本の現金・預金の割合が高いと分かります。
現金としてタンスの中に眠っていては全く増えることはないですし、預金として銀行に預けてもほぼ利息がつかない昨今です。
ですからどんどん投資を推奨し、お金を投資に回していき、できるだけ投資から利益を得てもらおうとする考え方は悪くないと思います。
金融所得課税強化はあり得ない
だとすれば、金融所得に対する課税強化はあり得ないと思います。
選挙前だからなのか一旦議論は先送りになったようですが、明らかにおかしな話です。
「1億総株主化」と言って投資させておいて税金を増やすという手法です。
そもそも金融所得の課税強化は格差是正を目的としていたはずです。
ところが単純に税率を上げるだけでは全員に対する課税強化ですから格差が縮まることはありません。
もし格差是正のために制度を変えようというのであれば、所得税と同様に累進課税にして金融所得の多い人ほど税率を上げ、金融所得の少ない人は非課税にするとかしないといけないはずです。
今後どのような展開になっていくか分かりませんが、動向には注視する必要があります。
「1億総株主化」は現実的に不可能
そもそもですが「1億総株主化」は不可能です。
なぜなら「投資が怖い」という理由で投資しない人が一定数いるからです。
例えば私の母親は絶対にやらないと思います。
年配の人は昔の高い銀行の預金金利を知っていますから、投資に対して抵抗のある人が多いはずです。
若い人であっても一定数はいるでしょう。
そもそも投資は自己責任であって強制されるものではないはずです。
投資したい人が投資したい金額を投資したい商品でおこなえばよいはずです。
SNS上でも多くの批判が渦巻いたそうです。
《自民党、『1億総玉砕』ならぬ『1億総株主』と来たか》
《1億総株主…投資費用くれ》
《『1億総株主』また凄いパワーワードですね…貯蓄→投資は正解だと思いますが、知識のない高齢者が新聞やテレビに煽られて銀行や証券会社に手数料の高い商品を買わされるのがオチかと》
この最後の指摘は正しいですね。
金融機関が年配の人たちを相手に自分たちに都合のいい商品を売りつけたり、胡散臭い新手の詐欺が登場したりするのがオチではないでしょうか。
そもそも岸田首相が株式投資をやっていません。
そんな政府から「1億総株主化」などと言われても、反発を喰らうのは当然と言えます。
もし投資を強制するのであれば、何かしらのセーフティーネットが必要なのではないでしょうか。
投資への流れは不可避
それでも「貯蓄から投資」への流れは不可避と言えます。
なぜなら物価上昇に伴い現金の価値が低下していくことになるからです。
これまでは長らく物価が上がらないデフレの時代が続きました。
そのため現金の価値の低下についてはかろうじて大きな問題にはなりませんでした。
しかし、インフレとなれば話が大きく変わります。
もはや預金で何とかなることはないでしょう。
また収入やリスク許容度によって投資できる金額が大きく変わります。
投資にお金を回せる人は積極的にどんどん回していくでしょうし、日々の生活で精一杯という人はこれまでの何ら変わらぬ生活を送ることになります。
よって、政府の意図とは裏腹に格差がさらに広がっていくのかもしれません。
まとめ
以上『「持ち株ゼロ」の岸田首相が掲げる「1億総株主化」は現実的か?』でした。
いかがでしたか?
はっきり言って非現実的なスローガンであり、まず実行不可能だと思いました。
ただ、投資をしないと資産形成がしづらくなっていく時代に入ったようにも思います。
その意味では投資家ができるだけ気分よく市場にお金を出せるような仕組みづくりに期待したいところです。
個人的には、つみたてNISAの期間延長でしょうか。
以下関連記事です。
これからの時代、投資は避けられないと思います。
これまで投資をしてきた人も物価上昇局面ではこれまでと同じ投資行動では足りなくなります。
1000万円貯めるくらいなら投資せず貯蓄だけでも十分達成できます。