『NHKスペシャル「“中流危機”を越えて」』を見て暗い気分になる

2022年9月23日

『NHKスペシャル「“中流危機”を越えて」』を見て暗い気分になる

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日は先日見たテレビ番組から。

9/18(日)に放送していたNHKスペシャルです。

『“中流危機”を越えて』とのタイトルがついており、NHKがどのような内容を伝えるのか興味がありました。

放送を見て、気になったところをご紹介していきます。

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所得が25年で131万円減少する衝撃

まずは番組冒頭の全世帯所得の分布から。

下のようなグラフが紹介されました。

中央値は1994年に505万円だったのに対し、2019年は374万円へ実に131万円も減少しています。

「失われた30年」と言われていますが、まさにその通り。

どんどん所得が低下し、人々の暮らしが豊かになっていかない様を表しています。

NHKではこの中央値が低下した状況を「沈む中間層」と表現しました。

そして以前は「一億総中流」と呼ばれ、経済成長を支えた中間層が危機を迎え、大きく崩れつつあると指摘しました。

間違ってはいないと思いつつも、違和感も感じました。

それはグラフを見れば分かりますが、1000万円以上の人も減少しており、沈んだのは中間層ばかりではないのです。

要するに、ここ20年から30年の間に日本は国全体が沈んだのです。

(※ただし、このグラフは気になる点が一つ。それは「世帯」の構成が大きく変わっていること。単身世帯や高齢者世帯がここ30年で増えていますし、高齢者は「団塊の世代」たちで人口も多いです。このような理由から所得の少ない世帯が増えている可能性も考えられます。年齢別に比較できれば良かったのでは?)

賃金の上がらない"揺らぐ"正社員の暮らし

今回の番組では2つの世帯に取材していました。

1組目は世帯主が55歳で世帯年収は派遣社員の妻の分も合わせて750万円です。

子どもは3人を育て上げ、すでに独立していました。

バブルの絶頂期に結婚。

しかし、その後給料が抑制される想定外の状況になっていったそうです。

番組には子どもが一人登場したのですが、29歳でまだ奨学金の返済が100万円残っているそうです。

もう1組は番組後半に登場した世帯主28歳、世帯年収500万円の世帯です。

妻と3人の子どもがいるのですが、住宅ローンを支払えなくなり、購入済の家を売却することとなったのです。

個人的に思うのは「将来の見通しが甘すぎないか?」ということです。

私も48歳で、働き始めて25年が経過しました。

同じ時期を私も過ごしてきています。

バブル崩壊後の日本経済を見れば、少なからず将来について警戒はしなければいけなかったはずです。

「こんなはずじゃなかった」というセリフが番組内でたびたび聞かれるのですが、いかがなものかと思いました。

新たな稼ぎ方を探る若い世代

そして今度は29歳の会社員が登場します。

年収は400万円。

入社以来給料が上がらず、明るい未来が見えないとのこと。

そして収入を増やすために「株式投資」を始めたそうです。

毎月給料の半分を投資。

半年間で100万円の利益を出しました。

目標は年間600万円の利益を上げることだそうです。

投資で生活水準を維持することを考えている若者が増えていると紹介されました。

株式投資セミナーに通う人にインタビューしたのですが、この人の回答には大きな違和感を感じました。

「自分がやりたい人生をやろうと思えばサラリーマンの給与だけじゃ絶対に実現できない」

おそらく投資益があっても無理だと思います。

この人は相当な金額のかかる夢を抱いているのでしょう。

大半の人がお金を使うことを夢見ているのでしょうが、それが今の日本の現実とはそぐわないことに気づかなければいけなかったのです。

多分利益を得るのはセミナー参加者ではなく投資セミナー運営会社と金融機関になるのでしょう。

沈みたくなければ意識の転換を図るべき

番組終盤は企業の人材投資についてなどでしたので、個人にスポットを当てたのはここまで。

派遣社員の方のくだりはここでは省略します。

ここまで日本が"堕ちた"原因は政策によるところも大きいと思います。

ですから政治家は責められて然るべきだと思います。

一方で"中間層"であっても「こんなはずじゃなかった」と思うことなく日々を過ごしている人たちもいるわけです。

現在生活に苦しんでいる人たちとそうでない人たちの差は普段からの意識の差でしょう。

それはお金を使うことで生活を充実させようとする人たちと「いざ」というときに備え、資産形成してきた人たちの差です。

仮に給料が増えなくても、いかに充実した人生を送るかを常に考えてきていればこんなことにはならなかったはず。

「金は天下の回りもの」と言われていたのは昔の話。

もはや庶民には回ってきません。

それにいち早く気づき、お金の使い方・お金に対する意識を転換しなければいけなかったのです。

本来は政治で何とかすべきだったのですが結局何もせず、もはや手遅れと言える状態にまでやってきました。

残念ながら個々で対応していくしかないというのが私の見立てです。

まとめ

以上『『NHKスペシャル「“中流危機”を越えて」』を見て暗い気分になる』でした。

いかがでしたか?

番組は非常に悲観的にならざるを得ない内容でした。

NHK的には「政府のせい」とは言えないのでしょうから企業や個人による努力を求める結論のように見えました。

実際のところ、もはや個人でなんとかするしかなく、支出の見直しから行っていくべきです。

そしてもう一つ個人でできることと言えば、やはり選挙に行くことではないでしょうか。

以下関連記事です。

日本の格差社会は富裕層の成長ではなく中間層の没落から生じました。

日本はこのまま行くと「1億総貧困」の状態に陥る可能性があります。

今の日本の状況を考えれば、お金の使い方を見直す必要があるでしょう。

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