年金だけで生活している高齢者世帯が24%に急減!何が起きているか?

東洋経済の「変わる老後設計 年金大激震!」を読む

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

65歳以上になると年金をもらえますが、どうやら年金だけで生活している世帯は激減したようです。

一体何が起きているのでしょうか?

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たった2年で年金だけで生活している高齢者世帯が激減

まずは当ブログでも事象を分かりやすく伝えるため、記事内の円グラフを引用します。

年金を受給している世帯のうち総所得に占める年金の割合がどれだけかを表す円グラフです。

まずは2021年から。

年金のみで生活している世帯(2021年調査)

・100%の世帯:24.9%
・80~100%未満の世帯:33.3%
・60~80%未満の世帯:15.9%
・40~60%未満の世帯:14.0%
・20~40%未満の世帯:8.4%
・20%未満の世帯:3.6%

これが2年前の2019年の調査結果は以下のようになっていました。

年金のみで生活している世帯(2019年調査)

・100%の世帯:48.4%
・80~100%未満の世帯:12.5%
・60~80%未満の世帯:14.5%
・40~60%未満の世帯:12.7%
・20~40%未満の世帯:8.1%
・20%未満の世帯:3.9%

100%の世帯、すなわち総所得が年金のみだった世帯が2年間で48.4%から24.9%へ半減したことが分かります。

一方で80~100%未満の世帯が12.5%から33.3%へ20.8%増加しています。

この2年間で約20%の世帯が年金以外の収入を得るようになった計算になります。

コロナ禍に入った2020年を境にそれほど高齢者の生活苦を招くような事態になったのでしょうか?

実は同調査では「生活が苦しいかどうか」についても聞いています。

その結果が2021年と2019年で比較すると以下の通りです。

【2021年調査】
・大変苦しい…21.3%
・やや苦しい…29.1%
(合計50.4%)

【2019年調査】
・大変苦しい…19.7%
・やや苦しい…31.9%
(合計51.7%)

「大変苦しい」「やや苦しい」と「苦しい」とする回答をしている人は約50%でほぼ同じ。

コロナ前から「生活は苦しい」と考えている人の割合は大きく変わっていません。

だとしたらこの2年間に一体どのような変化が起きたのでしょうか?

年金以外の収入が増えた理由とは?

今回の記事では「なぜ変化が起きたのか?」の考察がありません。

そこでいくつかの理由を考えてみます。

記事には2021年の夫婦高齢者無職世帯の家計収支のグラフが出ていましたので、こちらも転載します。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計修正(2021年)

一方、なぜか比較対象の2019年は掲載されていませんでした。

そこで総務省の家計調査結果から2019年はどうだったか、グラフを持ってきました。

高齢夫婦無職世帯の家計収支(2019年)
引用元:総務省「2019年 家計調査」より転載

こうして見ると「不足分」が3.3万円から1.8万円へ縮小しており、家計的には改善されていると言えます。

これはコロナ禍の影響で消費支出が減少したのではないかと推測しています。

そしてもう一つ気づくのは社会保険給付が216,910円から216,519円へ減少していることです。

金額としてはごくわずかですが、年金受給額が減少しています。

ただ、「その他収入」の割合が増えておらず、先の円グラフと辻褄が合わなくなっています。

よく分からなくなりましたが、とりあえず年金以外の収入として考えられるのは2つです。

1.労働収入を得るようになった
2.投資等による資産からの収入があった

まず一つは年金の減額を受け、少しでも補うために短時間の労働収入を得たのではないか。

もう一つはコロナショック以降の反動による株式投資益を得たのではないか。

この2つの可能性が高いと考えられます。

少なくともこの2年間で一気に生活苦に陥ったとか、深刻な状況ではないと思われます。

今後は老後も短時間労働をおこなうのがスタンダードに

今回の調査結果は謎な部分も多いですが、今後については予想できます。

それは「老後も働き続ける世帯が増える」ことです。

定年の延長、年金不足、現役世代の労働力不足、健康寿命の長期化、などなど様々な理由により働く高齢者が増えるでしょう。

本来であればお金を目的とするのではなく、やりがい・生きがいを求めて働くのがベストです。

出世競争からは外れることで、過度なプレッシャー・ストレスから解放され、働くことの本質的な喜びに気づけるかもしれません。

現に高齢者の労働満足度は高いというデータも出ています。

わずかでも労働収入を得られれば、経済的にも若干の余裕ができるかもしれません。

おひとりさまであれば、社会ともつながり、孤独を回避できます。

他人と会話したりできますから、認知症対策になる可能性もあります。

若い人の中には働くことに意義を見出せず、FIREを希望している人もいるでしょう。

しかし、長い人生を考えるとフルFIRE(Fat FIRE)は極めて難しいです。

労働から得る収入が安定を呼びますし、できるだけ長く働き続けることが資産を増大させます。

その意味では私が目指す50代半ばでフルタイム勤務を卒業しセミリタイアを実現させるプランは、これからの時代の「勝ち組」と言えるのではないでしょうか。

まとめ

以上『年金だけで生活している高齢者世帯が24%に急減!何が起きているか?』でした。

いかがでしたか?

明確な答えが分からなかった一方で、今後目指すべき道筋は見えたように思います。

完全にリタイアするよりも多少の労働をしながら送る老後のほうが実は幸せかもしれません。

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