老後に国民年金たった6万4800円だけで生活していけるのか?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
「プレジデント・オンライン」に掲載された経済コラムニスト・大江英樹氏の記事からです。
見つけた記事をキープしておいたら、公開が年明けになってしまいました。
今回のテーマは「人は老後に年金だけで暮らせるのか?」。
気になる人も多いのではないでしょうか?
それでは記事の中身を早速見ていくことにしましょう。
国民年金の満額は令和4年で77万7800円
私が記事の中で気になった一節はこちら。
以前、作家の吉永みち子さんと雑誌で対談したことがあります。その記事にも書かれていますが、吉永さんは国民年金だけなので手取り5万9000円だそうです。
そこで、コロナ禍で家にいるときに実験をしてみようと、国民年金のお金を財布に入れて1カ月間、それだけで食費を賄っていると2万円ぐらい余ったそうです。
記事は大江英樹氏が書いたものなのですが、大江氏はもともと証券会社に勤務していた人です。
よって、そこそこの年金額をもらっているはずで、大江氏は年金で十分生活できるだろうと思い、そこはあまり興味を持ちませんでした。
しかし、作家の吉永みち子さんの話はちょっと引っかかりました。
引っかかった理由は一つは私が吉永みち子を知っていたから。
今の若い人はあまり知らないですかね。
この人の夫は競馬騎手だった吉永正人(故人)。
日本競馬史上3頭目の三冠馬ミスターシービーの主戦騎手だった人です。
そんなこんなで吉永みち子の顔と名前は知っており、久しぶりに名前を見て反応してしまいました。
そして引っかかったもう一つ理由は、国民年金の手取りが5万9000円で1カ月の生活で2万円余ったとの記述です。
1カ月3万9000円で生活した計算になります。
老後のお金に大きな不安を抱えている人も多いでしょうが、一方で何に対する不安なのかも明らかにする必要があります。
「お金が足りなくなる」との不安であれば、実際に計算をしてみましょう。
国民年金の満額は令和4年で77万7800円です。
毎年変わります。
10年前の2012年は78万6500円で、1万円近く減っています。
この「年金額の減少」が老後不安を煽る理由の一つです。
老後の支出は一体いくら?(公的費用編)
では、国民年金だけで本当に生活できるのか計算をしてみましょう。
国民年金は満額77万7800円ですから、月額は6万4800円と仮定します。
次に支出です。
いわゆる「手取り」を計算すべく、公的な支出を下の表にまとめました。
所得税 | 0円 |
住民税 | 0円 |
健康保険料 | 4,608円 |
介護保険料 | 1,804円 |
合計 | 6,412円 |
年金が少なすぎると所得税と住民税は発生しません。
国民健康保険料は自治体によって異なりますので仮に東京都新宿区として簡易ツールで計算した金額です。
自分が負担する国民健康保険料が気になる人は簡易ツールのリンクを貼っておきますので、こちらから自分の条件で計算してみるとよいでしょう。
介護保険料は基準額を全国平均の6,014円と仮定しました。
年金が月額6万5千円、年間78万円で、年額80万円以下ですから第1段階に該当するので、基準額×0.3で4,608円となりました。
よって手取りは約5万8300円です。
先ほど登場した吉永みち子氏の「手取り5万9000円」とほぼ合致するのが分かります。
老後の支出は一体いくら?(生活費編)
続いて生活費です。
仮で私の2022年の実際の支出から持ってきました。
主な費目の支出の1か月平均を並べてみました。
水道代 | 2,116円 |
ガス代 | 3,952円 |
電気代 | 5,366円 |
スマホ代 | 3,548円 |
プロバイダ料金 | 5,892円 |
食費 | 30,630円 |
日用品費 | 2,857円 |
洋服代 | 3,271円 |
理髪代 | 1,879円 |
合計 | 59,511円 |
あら?
若干ですが足りません。
食費をもう少し削ればいいので、「生活する」というだけであれば十分可能と言えそうです。
厚生年金に加入していれば老後を乗り切れる可能性は高まる
さらにサラリーマンであれば厚生年金に加入していますから、国民年金のみの個人事業主と比較してもっと多くの年金をもらえることになっています。
実際の金額は人により異なりますが、きちんと年金保険料を支払っていれば、少なくとも国民年金のみの人より多いはずです。
だとすれば、「毎月生活する」という点においては十分年金だけで乗り切れると言えそうです。
しかし「豊かに暮らす」となると話が変わってきます。
例えば、上記のようなカツカツの状況では旅行へは行けないでしょう。
ちょっとした外食さえも厳しいかもしれません。
また、病気になったときの医療費、自立生活できなくなった場合の介護費など、老後に発生する可能性の高まる支出も存在しています。
よって老後資金をどれくらい貯める必要があるかは「人による」のです。
どのような老後の生活を描いているのか次第です。
年金だけで暮らすのか、多少の労働で収入を得るのか。
旅行三昧の日々を送りたいのか、細々と隠居したいのか。
住居が持ち家か賃貸かにもよるでしょう。
どのようなプランを抱いているのかによって必要な老後資金が変わります。
だからこそ、本当に必要な老後資金はいくらなのか、自分の手で計算してみましょう。
意外な金額が算出されるかもしれません。
まとめ
以上『老後に国民年金たった6万4800円だけで生活していけるのか?』でした。
いかがでしたか?
単純に「生活する」だけであれば、実は多くの金額は必要ありません。
十分少額でもやっていけます。
しかもどんどん老いていき、若い頃と同じような活動はできなくなります。
一方で介護のリスクが高まりますから、別の費用がかさんでくる可能性があります。
そのあたりをいろいろと考慮しながら老後のプランを描いてみるとよいでしょう。
以下関連記事です。
老後不安は間違いだらけ。正しく理解すれば不安は多少緩和されるはずです。
老後は生活費以外にもいろいろなお金がかかる点は理解しておくべきでしょう。
老後も少しだけ働き続ければ、お金の不安はさらに小さくなるでしょう。