月収12万円・73歳の非正規男性、死ぬまで働く覚悟も老後破産

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

煽りが酷い「資産形成ゴールドオンライン」の記事です。

「もう生きていけない」と書かれてきますが、これは大袈裟です。

冷静に記事を読み進めていきましょう。

自己破産理由TOP10

まずは自己破産理由TOP10から。

こちらは高齢者か否かに関わらずです。

【破産理由、上位10】

生活苦・低所得:61.69%
病気・医療費:23.31%
負債の返済(保証以外):20.48%
失業・転職:17.58%
事業資金:16.13%
生活用品の購入:14.76%
浪費・遊興費:11.37%
教育資金:9.84%
給料の減少:9.60%
保証債務:9.44%

出所:日本弁護士連合会『2020年破産事件及び個人再生事件記録調査』
※破産理由はひとつと限らないので合計すると100%を超える

圧倒的1位が「生活苦・低所得」でした。

そりゃそうですよね。

並んでいる理由を見ていると、いろいろ考えさせられます。

2位に「病気・医療費」が入っているあたり、健康とか運といった要素もありそうです。

自己破産の4分の1が高齢者

続いて自己破産者の年齢別データです。

【破産者の年齢】

出所:日本弁護士連合会『2020年破産事件及び個人再生事件記録調査』

20歳未満:0%
20歳代:9.92%
30歳代:15.89%
40歳代:26.94%
50歳代:21.45%
60歳代:16.37%
70歳代以上:9.35%

自己破産の4分の1にあたる25.72%が60歳以上、高齢者です。

しかし、です。

日本高齢者人口は、全人口の4分の1を少し超えるくらいだったはず。

だとすれば、驚くほどのデータではないような気がします。

「高齢者の4分の1」が自己破産していたらとんでもない話ですが、そうではありません。

だから必要以上に自己破産を恐れる必要はないでしょう。

また、次のデータも引用します。

高齢者の生活の基盤となるのは公的年金。厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均年金額は月14万5,665円、手取りにすると11.6万円ほどです。一方、厚生労働省が毎年算定する生活費である最低生活費を確認すると、東京都23区の場合、12万7,920円(生活扶助基準額7万4,220円、住宅扶助基準額5万3,700円)。平均値の年金では、生きていけない、ということになります。

これもいかがなものでしょうか。

「老後資金2000万円問題」と同じで、平均を元にして作られたデータです。

よって、大半の人は問題ないかと思います。

もちろん「ゆとり」はあまり感じられない人が多いかもしれませんが。

過度に不安を感じる必要はないと思いますが、年金の少ない人は注意すべきでしょう。

「繰下げみなし増額制度」とは?

記事の最後には気になる年金の新制度が紹介されていました。

2023年4月からのようです。

これは70歳から80歳までの間に年金の受給開始手続きをする際、繰下げの申し出を行わなかった場合、請求時の5年前に繰下げの申し出があったとみなして年金額を支給する制度。これにより請求の5年前時点の増額率が上乗せされた年金額を受給できるようになります。

そもそもの話、年金の受給せず、繰り下げの申請もせず、という人に問題があるような気がしますが、どうなのでしょうか?

制度とは別のことが気になってしまいました。

具体的事例は以下の通りです。

たとえば71歳まで繰下げ待機し、71歳の時点で年金を請求する場合を考えてみましょう。本来の年金額は年180万円だとし「繰下げ申出を行う」を選択すると、91万円が繰下げ加算となり、年額271万円の年金を手にすることになります。

一方「繰下げ申出をしない」を選択すると、5年さかのぼった時点で繰下げ受給の申出をしたと見なされ、15万円の繰下げ加算が加わり、年額195万円の年金を手にすることができます。さらに請求が5年前にあったものと見なされ、その5年間分の975万円を遡って一括受取となるのです。

多くの人に該当するような事例ではありませんが、「こんな制度がある」という点だけ頭に入れておく程度でしょう。

まとめ

以上『月収12万円・73歳の非正規男性、死ぬまで働く覚悟も老後破産』でした。

いかがでしたか?

老後破産については、過度に不安を感じる必要はありません。

ただし年金が少ない人は要注意。

老後の対策は立てておいたほうがよいでしょう。

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