老後資金「不安なく老後を生きるには2億円必要」って本当?

どうも。『毎日が祝日。』いわいです。

今日はネットで見かけたこちらの記事から。

「老後資金2000万円問題」が登場してから早や4年。

人々の老後資金に関する興味関心は大いに高まり、その意味では効果絶大でした。

今回の記事では、老後資金は2億円必要とのすごい説が出てきました。

私もビックリしたので、単なる煽り記事なのか、なかなか信ぴょう性のある記事なのか気になります。

早速記事の中身を見ていきましょう。

老後資金2億円の根拠1.延び続ける「寿命」

まず1つめの根拠は「寿命」です。

厚生労働省が発表している「令和3年簡易生命表」によると、日本人の平気寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳です。平成2年(1990年)には、男性75.92歳、女性81.90歳だったので、この30年間で大幅に伸びています。

将来の平均寿命については、国立社会保障・人口問題研究所が「日本の将来推計人口(令和5年推計)」で示している推計(中位推計)があります。それによると、2070年には、男性は85.89歳、女性は91.94歳になると予測されています。

長く生きれば生きるほどお金がかかります。

ここ30年で寿命は6歳ほど延びています。

2070年には今からさらに4歳ほど延びると予測されています。

寿命の長期化は老後資金の増加につながるのは合点がいきます。

老後資金2億円の根拠2.先細る「年金」

2つめの根拠は「年金」です。

年金の納付額や支給額については、少なくとも、5年に1回おこなわれる「年金将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」により、見直しされます。想定以上に少子高齢化が進んでいることから、上記の給付額が、将来は減らされる、または、受給開始年齢が現在の65歳から1歳ずつ引き上げられ、70歳になるという予想をするエコノミストも少なくありません。

当ブログではすでに今後の年金の給付額の減少、そして受給開始年齢の引き上げの可能性については言及しています。

老後において主たる収入が年金になる人が圧倒的多数を占めます。

しかし年金の額が少なければ貯金を取り崩す必要が生じます。

また年金の受給開始年齢が引き上げられれば、受給開始までを乗り切るための資金も必要です。

よって年金の減額は老後資金に直結します。

月額で収支がマイナスになるようであれば、老後資金の蓄えを取り崩していかなければいけません。

老後資金2億円の根拠3.増え続ける「医療」「介護費」「税金」の負担

3つめの根拠は「医療」「介護費」「税金」の負担増です。

「現役世代の社会保障費の負担上昇を抑える」という大義名分のもと、今後も、高齢者の医療費負担の増加が見込まれます。

また、要介護状態になり、介護施設、老人ホームなどへ入居することとなれば、まとまった入居費、月額費用が必要となり、それも用意しておかなければなりません。

さらに、老後生活でも、税金とは無縁ではいられません。

医療費の今後については、私としてはあまり考えてこなかったため、将来の予測を持っておりませんでした。

確かに今後も高齢者は医療費の負担増を強いられるかもしれません。

介護費については現在は一人平均約500万円から600万円と言われています。

この金額については、ピンキリではありますので、各世帯の支出可能な範疇での対応とならざるを得ないでしょう。

ただ、今後の流れで言うと賃金アップが各企業で徐々に行われ始めていることから、それが介護業界に波及し、結果として介護費に反映され、現在より料金のベースが上がることは考えられます。

ですので、10年、20年後には一人平均の介護費は高くなっている可能性はあるでしょう。

税金や社会保険料の上昇は不可避だと思っています。

真っ先に挙げられるのは消費税です。

消費税率10%が今後も続くとは思えません。

その他にもいろいろと税負担は増えていくことになるでしょう。

そうなると、老後資金の蓄えがものを言う可能性はあります。

老後資金2億円の根拠4.「インフレ」の影響

4つめの根拠は「インフレ」です。

インフレの状況下では、一般的に同程度には賃金も上がるものです。そのため、現役世代は、比較的影響が緩和されます。(ただし、実際には現在の日本では、物価ほど賃金は上昇していないので、実質賃金が15ヵ月も連続で下がっています)。

貯金や年金で暮らしている高齢者の暮らしには、インフレは非常に大きなマイナスの影響を与えるのです。日本はまだ本格的なインフレにはなっていませんが、そのリスクが少しずつ増えていることは間違いないでしょう。

まさにこの指摘のとおりで、物価上昇は収入の増えづらい高齢者の生活に直撃します。

昨今の物価上昇はなかなかのものだと思っています。

これが今後も続くようだと、これから老後を迎える50代以下の人たちは老後の生活にかなりの影響を受けるのではないでしょうか。

仮に毎年2%の物価上昇で、100円のものは10年後に122円に、そして36年後に203円になり、元の2倍に到達します。

一方、年金額は増えないでしょうから、高齢者世帯は年々厳しい家計のやりくりを迫られる危険性はあります。

夫婦2人世帯で年間500万円のお金が必要?

しかし、です。

はたして老後資金は2億円も必要なのでしょうか?

その根拠となるのが以下の一節です。

これまで述べてきた状況を踏まえると、一般的な夫婦2名の家庭においても、年間500万円程度のお金が必要となるというのが、私の推定です。

そして、60歳で定年退職となり、100歳まで生きるとすれば、老後資金は、500万円×40年=2億円が必要です。

おや?

これは相撲で言うところの"物言い"をつけなければいけません。

「老後資金2000万円問題」は「老後を暮らす上でトータル2000万円のお金が不足する」という意味だったはずです。

確か「老後資金2000万円問題」のモデル世帯の支出は1ヶ月26.5万円。

収入が21万円で、毎月5.5万円の赤字だから30年間で約2000万円の赤字になるよ、と。

では、この記事で言うところの「年間500万円のお金が必要」という意味は一体何かを考える必要があります。

年間500万円というのは単月で約41.7万円です。

単月で41.7万円も不足するとは思えません。

よってこの記事で言う「老後資金2億円」はさすがに言い過ぎだと思います。

もちろん「2億円あれば安心して老後を過ごせる」だろうとは思います。

なんと最後は不動産投資のススメだった(汗)

そして記事の最後はどうやって2億円を用意するかとの方法を考えるのですが、これがまさかの不動産投資。

よくよく記事の筆者を見たら、どうやら不動産投資で上手くいった人なのでしょう。

やはり人というのは自分の経験則で良かったものを勧めるのは当然です。

個人的には不動産投資は推奨しないので、興味と資金があればということで、大半の人は貯金と投資信託の積立投資が現実的な選択肢となるでしょう。

まとめ

以上『老後資金「不安なく老後を生きるには2億円必要」って本当?』でした。

いかがでしたか?

老後に必要なお金は2億円かもしれませんが、いわゆる「老後資金が2億円必要」とはちょっと言い過ぎと思える記事でした。

確かにお金はたくさんあったほうが安心はできると思いますので、資産形成自体は早めに着手したほうがよいでしょう。

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