年収400万円30代サラリーマンでも老後資金5000万円を貯められるすごい制度とは?
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
何やらすごいタイトルです。
老後資金5000万円を貯められる制度とは一体何でしょうか?
早速見ていくことにしましょう。
老後資金は「5000万円」が必要?
まずは冒頭の問題提起が人によっては驚きかもしれません。
なぜなら老後資金は2000万円ではなく5000万円必要だとしているからです。
理由は以下の4つです。
・年金受給額は確実に減る
・可処分所得が減り、貯金でお金を貯めるのが難しくなってきている
・退職金も減少している。
・平均寿命が2045年には100歳になると予想されている
「年金が減る」はよ~く分かります。
年金は毎年少しずつ減っていますので、老後資金2000万円問題の前提となった収入を確保できない可能性が極めて高いです。
ただ、可処分所得と退職金はどうでしょう。
可処分所得は、要するに手取りが減っているという意味です。
これからも社会保険料の負担は大きくなり続けるでしょうから、貯金がしづらくなっていくでしょう。
退職金も減っているのは事実です。
しかし、老後資金が2000万円ではなく5000万円必要となる理由ではないです。
この2つは老後資金を貯めづらくなる理由であり、将来的な資産形成の変動要因でしかありません。
平均寿命は老後資金2000万円問題のときは確か95歳までの計算だったような気がします。
要するに100歳までは計算しないといけない、ということでしょう。
いや、平均が100歳ならもっと長く見積もらないといけないのかもしれません。
そしてここまでの話を受けて記事の筆者が計算した老後資金がこちら。
毎月の生活費30万円-毎月の年金受給額13万円=毎月の不足額17万円。
17万円×12ヶ月×(90歳―65歳)=5,100万円
生活費がなんと30万円に増え、年金が13万円まで減少しています。
この結果、毎月の不足額が17万円に。
夫婦二人世帯で年金は13万円まで減りますかね?
そして寿命が長くなると語りながら90歳までで試算しています。
なんだかよく分かりません。
100歳で計算したら5000万円どころではなく7000万円必要との計算になります。
老後資金は「人による」
あまりにもな記事に思えてきたので、記事の筆者を調べて見るとどうやら税理士さんのようです。
うーん、だったらもう少しまともな記事を書いてほしいと思った次第です。
老後資金は本当に5000万円や7000万円必要になるかと言われれば、私なら「Yes」とも「No」とも回答しません。
なぜなら「人による」からです。
この手の記事の場合、読み手に分かりやすく伝えるため単純なモデルで話すことになるのがほとんどです。
そもそもの発端となった老後資金2000万円問題もそうです。
単純に平均から持ってきて、毎月5万円くらいお金が足りず、30年だと2000万円足りません、と言ったにすぎません。
ポイントになるのは「豊かな老後生活」だと思います。
そもそも、年金が20万円しかもらえないのなら、人は20万円で生活するはずで、25万円で生活しないはず。
いや、できないはずです。
それなのに支出も平均で計算しているので赤字になるのです。
よって、老後資金2000万円問題は作られた問題であることが分かります。
また大きな老後資金が必要となるのは現役時代の支出を極力維持して、生活レベルをダウンさせたくない人たちと言えます。
あとは医療・介護費はどうしても必要になるでしょうから、例えば介護の大きな支出の備えるとか、老人ホームを利用したい人たちも大きな老後資金が必要です。
老後資金5000万円を貯められるすごい制度とは?
ここまでは記事の前提条件に批判的なことを書き並べてしまいましたが、本題に入っていきましょう。
記事のタイトルにあった老後資金を5000万円貯められる「すごい制度」があるらしいではありませんか。
ではその制度とは?
読み進めてビックリしました。
それは「企業型DC」です。
これは想像もできませんでした。
「企業型DC」について、正直なところあまりよく分かっておりませんでした。
ただ記事を読むにつれ、メリットあるかも、と思い始めました。
ポイントとなったのは2つ。
一つ目は掛金がiDeCoより大きいことです。
大きな差は、iDeCoの拠出額が一般的には5,000円~23,000円を上限としているの一方で、企業型DCは3,000円~55,000円と、拠出限度額がiDeCoより多く、税制優遇がiDeCoよりも大きい点です。
そしてもう一つは税制優遇です。
iDeCoは所得控除により所得税・住民税の減税効果がありますが、企業型DCは所得税・住民税だけでなく社会保険料の減税効果にも及びます。そのほか手数料や投資教育も会社負担でまかなえるという違いがあります。
企業型DCってiDeCoのように掛金に対する所得税・住民税の課税はないんですね。
これは知らなかったです。
iDeCo同様、運用益にも非課税であったり受取時の非課税枠もあり、制度が存在する企業に勤務しているなら利用しない手はないとも言えそうです。
結局のところ「積立投資」なので、タイトルは煽りが過ぎており、誰でも簡単に5000万円貯められるような制度ではありません。
ただ可能性という点においては確かに5000万円貯めることができるかもしれません。
実は前の会社が導入しており積立金を残してある
この記事を読んで思ったことは「再びやったほうがいいのかな?」ということでした。
なぜ「再び」なのか?
実は私の前職の会社では退職金制度があったのですが、それが変更になり企業型DCを導入したのです。
そのため私も強制加入となり、毎月一定金額を積立投資していたのです。
退職したため積立投資をやめたのですが、そのときの積立金はそのままに、個人型のほうへ移行した状態で数十万円が放置状態になっているのです。
数十万円を放置して、VTIを積み立て始めたのは「おやおや?」という感じです。
正解は「早くiDeCoに移管して積み立てを再開する」だったのかもしれません。
ちなみに、もし勤務先が企業型DCを導入していないのであれば、iDeCoプラスつみたてNISAで老後資金を作っていくのが良いのだろうとも思いました。
まとめ
以上『年収400万円30代サラリーマンでも老後資金5000万円を貯められるすごい制度とは?』でした。
いかがでしたか?
記事の冒頭は老後資金の計算について酷評したのですが、結末は意外な気づきとなりました。
やはりお金の知識は大事です。
まだ知らないことが多いことに気づかされました。
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