年金が最大184%まで増える「繰下げ受給」のデメリットと注意点
どうも。『毎日が祝日。』いわいです。
今日はネットで見かけたこちらの記事から。
年金の繰り下げ受給を取り上げる記事を久しぶりに見ました。
年金額が増えるメリットはあるのですが、ちょっと注意しなければならない点があると感じ、今回取り上げてみました。
繰り下げ受給のデメリット1 税金や社会保険への影響
繰り下げ受給は65歳から受給開始できる年金の受取りを遅らせることで、年金額を1ヵ月につき0.7%増やせる仕組みです。
年金額を増やせる仕組みとしては有効な方法として検討すべきだと思いますし、私自身は2~3年程度の繰り下げを検討しています。
ただし、繰り下げ受給にはデメリットも存在しています。
その1つが「税金や社会保険への影響」です。
受け取る年金が増えるということは「所得」が増えることを意味します。
つまり所得税や住民税が増える可能性が生じますし、健康・介護保険料の負担も増える可能性があります。
さらに医療費・介護サービスの自己負担増加の可能性もあります。
収入が多ければ多いほど負担も大きくなる可能性があるので、負担が大きくならないよう、いくらまでなら年金を増やせるかという計算をしておく必要があります。
繰り下げ受給のデメリット2 加給年金を受給できない
繰り下げ受給2つめのデメリットは「加給年金を受給できない」ことです。
加給年金とは、65歳になって年金の受給権が発生した際、65歳未満の配偶者、18歳到達年度の末日までの子(または1級・2級の障害がある20歳未満の子)がいると年金額が上乗せされる制度です。
私は加給年金に関係ないのであまり気にしていませんでしたが、人によっては当然該当する可能性があります。
もらえる金額は現状では最大で年間39万円程度のようです。
決して小さい金額ではありません。
自分が65歳になるときの配偶者・子どもの年齢を考慮して繰り下げすべきか考える必要があります。
今後の繰り下げ受給最大の注意点とは?
ただし、繰り下げ受給を考える上で最大の注意点があります。
それは「年金受給開始年齢の制度変更の可能性があること」です。
現在、年金制度は2024年での制度変更に向けて各種議論が交わされている最中にあります。
昨年行われた会議から見えてくるのは以下の5つの論点です。
・国民年金の加入期間を40年から45年に延ばす
・厚生年金の被保険者期間を「70歳まで」から「75歳まで」に延ばす
・パート労働者らに厚生年金加入を適用拡大する
・厚生年金のマクロ経済スライド期間を延長する
・年金支給開始年齢を引き上げる
5つめに「年金支給開始年齢の引き上げ」が含まれていることからも分かりますが、今後も65歳から年金を受給開始できるとは限りません。
もし仮に「将来は67歳から年金を受け取り、2年分で16.8%年金額を増額させよう」と考えていたとしましょう。
しかし年金受給開始年齢が67歳からに制度変更されてしまえば、想定していた16.8%の増額分はパーになります。
68歳から受給開始となれば、さらにあと1年間待たなければならず、どのように生活資金を捻出するかを考えなければいけません。
さすがに40代後半以降の人が制度変更に巻き込まれる可能性は低いと思いますが、30代以下の人たちは現時点では繰り下げ受給をあてにしすぎないほうがよいのではないかと思っています。
まとめ
以上『年金が最大184%まで増える「繰下げ受給」のデメリットと注意点』でした。
いかがでしたか?
繰り下げ受給は使い方次第では非常に使える制度だと思います。
毛嫌いされている感はありますが、検討の余地はあると私は考えています。
ただし、現状以上に受給開始が引き上げられるとメリットも薄くなります。
それならば自身で蓄財し、老後資金を貯めておくのが現実的な老後対策となるでしょう。
以下関連記事です。
年金の繰り下げ受給は検討の余地ありの仕組みですが、さすがに75歳まで繰り下げるのは推奨しません。
年金は額面通りに受け取れるわけはなく、会社の給料と同じくいろいろと差し引かれます。
年金制度も老後不安の一つです。ただし制度自体が破綻し、年金が受け取れなくなる可能性は低いでしょう。