貯金ゼロの世帯はどれくらいの割合?貯金なしの原因と改善策
会社の後輩と話をしていると、「全然貯金がない」という女の子がいます。
その子は観劇が大の趣味で、東京に限らず、全国各地を飛び回っています。
しかし、給料日が近づくにつれおとなしくなっていき、給料日直前には普段なら作ってこない手作り弁当を持参する始末。
給料日を過ぎれば、元に戻って、舞台を追い求め全国行脚。
まあ、その人が楽しめているのであればそれでよいのでしょうが、貯金が全くないというのもいかがなものでしょうか。
というわけで今回は、貯金ゼロの人たちにスポットをあててみます。
貯金ゼロ世帯は一体どれくらいの割合いるのか?
そして、その原因と改善策を探っていきます。
貯金ゼロ世帯ってどれくらいの割合?
金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査・二人以上世帯調査(2017年)」を見ると、31.2%の世帯が貯金ゼロであると回答しています。
また、単身世帯調査の結果を見ると、実に46.4%の世帯が貯金ゼロであると回答しています。
個人的には多いと感じる数字ですが、その内訳は一体どうなっているのか、その詳細を調べてみましょう。
年代別夫婦(二人以上世帯)の貯金ゼロ世帯の割合
まずは、年代別に貯金ゼロ世帯の割合を見ていきます。
20歳代 35.6%
30歳代 33.7%
40歳代 33.7%
50歳代 31.8%
60歳代 29.4%
70歳以上 28.3%
20歳代で、35.6%、3分の1の世帯が貯金ゼロでした。
年齢が上がるにつれて、貯金ゼロ世帯は減少していきます。
これは、徐々に世帯収入が増えているからでしょう。
基本的には収入が増えれば増えるほど、貯金はいやすくなります。
年収別夫婦(二人以上世帯)の貯金ゼロ世帯の割合
次に、年収別に貯金ゼロ世帯を見ると、どうなるでしょうか。
収入はない 60.7%
300万円未満 39.1%
300~500万円未満 29.6%
500~750万円未満 24.3%
750~1,000万円未満 16.7%
1,000~1,200万円未満 11.5%
1,200万円以上 9.9%
貯金ゼロ世帯が圧倒的に多いのは、「収入はない」という世帯です。
二人以上世帯で収入がないというのは一体。。
ここでは記載しておりませんが、「収入はない」と回答した人の17.9%は貯金が1,500万円以上あります。
ということは、高齢者ないし仕事をすでにリタイアした人である可能性が考えられます。
高齢者なら年金収入がありますから、収入がないというのは本来おかしいのですが。
年代別独身(単身世帯)の貯金ゼロ世帯の割合
一方、単身世帯で貯金ゼロの世帯はどれくらいいるのか。
まずは年代別から見ていきましょう。
20歳代 61.0%
30歳代 40.4%
40歳代 45.9%
50歳代 43.0%
60歳代 37.3%
単身世帯は二人以上世帯に比べ、貯金ゼロ世帯が増えています。
20歳代では、実に圧倒的過半数が貯金ゼロと回答しています。
これは、まだ就職前の人も調査対象に含まれていたのでしょうか。
また、30歳代から50歳代にかけて、徐々に減少するのではなく、上下しています。
年収別独身(単身世帯)の貯金ゼロ世帯の割合
収入はない 67.7%
300万円未満 53.3%
300~500万円未満 36.0%
500~750万円未満 25.3%
750~1,000万円未満 16.4%
1,000~1,200万円未満 45.5%
1,200万円以上 18.2%
ここで不可思議な現象が起きています。
年収1,000万円以上1,200万円未満の人の貯金ゼロの割合が、なんと45.5%にまでのぼっています。
これは母数が11人しかいないから。
つまり、11人中5人が貯金ゼロだったということです。
1000万円以上貯金していた人は、11人中わずか3人だけ。
残りの3人は、貯金300万円未満でした。
ちょっと特殊な事例となっていると認識しておいたほうがよさそうです。
貯金ゼロに陥る二つの原因
貯金ゼロに陥ってしまう原因は、大きく分けて二つあると考えられます。
一つは、収入が少なく、貯金する余裕がないこと。
これは、収入が少ない人ほど貯金ゼロの割合が高くなっていることからもうかがえます。
もう一つは、単にお金を使ってしまうから。
収入が多いにも関わらず、貯金なしということ自体がその証拠でもあります。
冒頭にも書いた会社の同僚の女の子ではありませんが、そりゃお金を使えばなくなります。
極めてシンプルな理由なのですが、貯金ができないほどお金を使ってしまう人には、それすら理解できないのかもしれません。
また、とにかく直近で自分が楽しくならないとダメなのでしょう。
貯金ゼロから脱出するための改善策
本気で貯金ゼロから脱出したいのであれば、まず最初に、何にいくら使っているのかを把握することから始めましょう。
問題を解決するためには、まず現状を把握し、問題発見に取り組みましょう。
次に、支出を削ります。
貯金するには、使いきっていたお金を使い切らないようにしなければなりません。
そのために、削ることのできる支出を削っていき、浮いたお金は貯金に回すようにしなければなりません。
削る支出は、手を付けやすいところとしては通信費あたりです。
他にも、通信費のように、毎月のように決まった金額を支払っているサービスがあるならば、どんどんやめていきましょう。
外食を減らしたり、飲み会を減らすのも、即効性があります。
あとは、クレジットカードや電子マネーは使わないようにする。
オートチャージもやめる。
これらは、お金を使っている感覚を奪い取ります。
現金払いに戻すことで、お金を使っている感覚を取り戻します。
あとは、「貯金するんだ!」という強い意志が重要。
そのためにも、目標を立てておくことが大事です。
夫婦ならば、夫婦で目標を共有すべきです。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
貯金ゼロの人たちの実態を知ることができましたか?
今のご時世、貯金が全くないとしても、何もできないわけではありません。
ただ、貯金があるだけで有利に働くことも多々あります。
多少の貯金があれば、万が一何かが起こったときに、その貯金で何らかの対応をすることができます。
例えば、会社を辞めても、貯金があれば数カ月から数年は無理に働かなくても大丈夫なはず。
目の前を楽しむのではなく、将来を形成するうえで貯金派重要なものなのです。