【書評】一生楽しく浪費するためのお金の話

b【書評】一生楽しく浪費するためのお金の話

今週末は、この本を読んでいました。

「一生楽しく浪費する」という言葉がなんとも気になる本です。

「浪費家のファイナンシャルプランナー」が書いた本ということで、どのような内容なのか気になり、読んでみました。

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貯金・投資が気になり始めている人向けの書籍

読んでみた感想としては、決して万人向けの本ではありません。

あくまで、将来のお金が不安になり始めたけど、何をどうしたらいいのだろう?と悩んでいる人向け。

すでに、貯金をし始めている人には向きません。

一方、iDeCoやNISAといった制度のことがよく分からない人には、入門編として読むにはよさそうです。

あとは、自分がオタクであるという人は、使われている用語などが共感できるでしょうから、読み進めるのに抵抗がないと思われます。

僕のような浪費しない、すでに自分なりのスタンスで一定額貯められる、制度のことも知っているという人はスルーで構いません。

「健やかな浪費生活3つの鉄則」は良いことが書いてある

読み進める中、一番良かったと感じたのは、いきなり冒頭に登場する「健やかな浪費生活3つの鉄則」なるものです。

以下の3つなのですが、女性には響くかもしれません。

1 自分が使うお金は自分で稼ぐ

僕が最も良い言葉だと思ったのがこれ。

女性に向けて女性が働き続けなさいと言っているように聞こえます。

専業主婦はダメと。

自分の将来を自分で支えなさいと女性に向けて言い放つのは結構画期的な感じがしました。

もちろん、ものすごく大事なことです。

また、給与明細について書かれており、年金や社会保険についても簡単ではありますが説明があります。

今まで給与明細をほとんど見ることの無かった人にしてみたら、それぞれの金額が何で引かれているのかよく分からないはず。

そんな人にも丁寧に説明してくれているので、この辺りも親切です。

2 使える国の制度は徹底的に使い倒す

要するに、iDeCoやNISAを使いましょう、という話なのですが、さらっと良いことが書いてあります。

「貯金に必要なのは節約ではなく仕組み作り」

この言葉は的確です。

貯金が苦手な人は、どうしても節約に走るような印象があります。

支出を無理に削りに行って、結局失敗する。

この本では、仕組み作りを謳い、iDeCoやNISAの説明にページを割いています。

使っている言葉も堅苦しくなく、会話形式で書かれていて分かりやすくなっています。

両制度のことがよく分かっていない人に向けて説明する本としては、よくできているのではないでしょうか。

3 いざという時のための備えは3段階で

要するに、貯金・保険・年金の3段階で老後に備えましょうという話です。

確かに、この3段階で書かれると分かりやすいです。

また、女性の保険に対するQ&Aも役に立ちそう。

女性特有の保険も増えていて、女性目線でどうしたらよいのかが短めですがアドバイスもあります。

女性は保険に入りすぎのケースが多いようです。

タイプ別浪費女の問答集はオタクには参考になる

次に、「悩める浪費女の大問答」と題して、7パターンの女性がどのようにお金を使っていて、今後どうしたらよいのか、悩みに対して問答形式で回答していきます。

以下の7パターンに分けて、できるだけ網羅しています。

  • マネープラン1年生(独身)
  • もうすぐ結婚
  • 地方在住
  • 家族の介護
  • 一生独身覚悟
  • フリーランス
  • DINKS

それぞれに趣味があって、今の簡単な資産状況などから質疑応答といった流れです。

それぞれのタイプで、いろいろな悩みを抱えていて、クレジットカードや保険、介護など幅広い話に及んでいます。

似たような悩みを抱えている人も多いでしょうから、この点は参考になりそうです。

ちなみに彼女たちの趣味では、ジャニーズや観劇が多いようです。

中にはスポーツ観戦も。

この手の趣味を抱えてしまうと、グッズ購入や遠征費用がかかりますから、結構な出費になるのでしょう。

趣味も遊びも我慢しないと謳っているが実際は難しいはず

本を購入した際、帯に「趣味も遊びも我慢しない!」と書かれていました。

本を読んで、改めて思ったことは、趣味も遊びも我慢しないで貯金するのは無理だということです。

例えば、先に登場した地方在住の人の例。

この人は、ジャニーズWESTの追っかけで、年収210万円、貯蓄額はゼロ。

貯金が貯まったら東京への引っ越しも希望しています。

この人に対するアドバイスが、「思い切って引っ越すのもアリ。資金として60万円から80万円貯めるのを目標として」なのですが、どうやって貯蓄ゼロの人がそんな金額を貯められるのでしょうか?

「無理のない金額で自動積立」をし始めても、60万円貯めるのに何年かかるのでしょうか?

趣味に有り金を全額ぶちこむようなタイプの人は、自動積立、iDeCo、NISA、何をやるにしても結局趣味にかけていたお金の一部を削って資金を捻出しなければいけないはず。

そこへの言及はほぼありません。

クレジットカードを使ってポイントやマイルを貯めたとしても、それはiDeCoには回せません。

僕の感覚では、毎月最低でも5万円を貯金しなければ、貯金だとは思っていません。

はたして5万円をどうやって捻出するか、この本を読んでも見えてきませんでした。

もしかしたら、iDeCoやNISAなどに自動でお金が移動するような仕組みを作っておけば、それでOKということなのかもしれません。

積み立ては「聖域」にしろという意味の言葉が書かれていましたから、そういう意味なのでしょう。

となれば、今までより趣味に使える金額は減るわけで、そこに我慢が生じるのではないかとも感じました。

積み立てに回す金額を無いものと割り切れるのかどうか。

その疑問は消えぬまま読了となりました。

まとめ

以上『【書評】一生楽しく浪費するためのお金の話』でした。

最初にも書きましたが、すでに資産運用を始めていたり、一定額を貯金できている人にはオススメできる本ではありません。

女性で、趣味にお金をかけすぎている自覚のある、これから貯金や資産運用をしてみたい人にはハマる可能性が大です。

この本を入門編として、さらに資産運用に興味が出てきたら、別の本へステップアップするというのがよいのでしょう。

試しに読んでみたい方は、下のリンクからどうぞ。

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