老後も一人暮らしを続けるならやっておくべき6つの準備

老後も一人暮らしを続けるならやっておくべき6つの準備

老後はまだまだ先の話と思いたいところですが、そうもいかなそうです。

老後資金が2000万円も不足するなどという話題が出てくれば、自ずと心配になってきます。

ただし、老後の心配はお金のことばかりではありません。

人は必ず死ぬわけで、死ぬまでに何をすべきなのか、きちんと洗い出しておく必要があります。

特に一人暮らしの場合、自分ですべての準備をしておかなければ、周囲の人たちに大いなる迷惑をかけてしまうことだってありうるでしょう。

また、仮に結婚して、子どものいる人であっても、老後に一人暮らしになる可能性だって十分考えられます。

子どもが家を出て、配偶者に先立たれたら、独居老人の仲間入りです。

むしろ、現役時代から老後の一人暮らしに備えていた人たちよりも、想定していなかった分たいへんな老後を過ごすことになるかもしれません。

そこで今回は、老後の一人暮らしに備え、どんな準備をしておけばよいのか、考えていきます。

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老後の一人暮らし準備1 年金受給額の計算

老後の一人暮らし準備1つめは、「年金受給額の計算」です。

老後の最大の不安は、何といってもお金です。

となると、気になることの一つは、「老後に自分は年金をいくら受け取ることができるのか?」でしょう。

自分の受け取る年金額を把握することなしに、老後を迎えるなど自殺行為にほかなりません。

必ず年金額はチェックしておくべきです。

そこで、年金額をどのように計算するかですが、道具は2つあります。

一つは「ねんきん定期便」、もう一つは「ねんきんネット」です。

どちらかと言えば、「ねんきんネット」のほうが役に立ちます。

そのあたりは、次のエントリーにて詳細を書いておりますので、そちらを参考にしてください。

ねんきんネットを使うことで、いろいろなパターンを想定した年金受給金額を試算できますので、まずは試してみることをおススメします。

もう一つ大事なことは、年金関連のニュースをきちんとチェックしておくことです。

年金制度は、将来必ず見直しが図られるはずです。

なぜなら、「団塊ジュニア」世代が年金を受け取る年齢を迎えること、はるかに人数の少ない現役世代が「団塊ジュニア」世代を支え切れるはずがないからです。

そのため、年金額の引き下げや支給開始年齢の繰り下げなど、何とかして年金制度を維持しようとする政策がとられるはずです。

ですから、年金に関するニュースについては敏感になっておいたほうがよいでしょう。

老後の一人暮らし準備2 老後資金の準備

老後の一人暮らし準備2つめは、「老後資金の準備」です。

老後資金2000万円不足問題が浮上して以来、老後資金のことが気になり始めた人も多いのではないでしょうか。

まさか政府から自分でなんとかしてなどと言われるとは思っていなかった人も多いはず。

中には年金の危うさにすでに気づいており、貯金をし始めていた人も多くいて、実はかなりの差がついているとも言えます。

ただ、今から老後資金を貯めるのでも遅くはありません。

しっかりとした準備を行えば、必要な老後資金は貯められるはずです。

必要な老後資金を貯めるためには、そもそも「必要な老後資金」の金額を自分で計算しておかなければなりません。

「老後資金が2000万円不足する」と言われていますが、実際のところは人によります。

本当に2000万円足りない人もいれば、年金でなんとかなる人もいれば、2000万円どころでは済まない人だっています。

だからこそ、必要な老後資金の金額は自分で計算しなければいけません。

計算方法はいろいろと考えられますが、当ブログでは過去に次のような記事を書いたことがありますので、ご紹介しておきます。

この記事の中では、老後資金を計算するために、年金、生活費、イレギュラーの3つに分けて収入・支出を考えています。

老後資金は、不確定な要素も多いため、正確に算出できるようなものではありません。

しかし、目安として算出しておけば、その金額が指針となってくれることでしょう。

老後の一人暮らし準備3 住居の確保

老後の一人暮らし準備3つめは、「住居の確保」です。

老後は、年金収入がメインとなり、現役時代ほどの勤労収入は見込めなくなります。

そのため、できるだけ支出を抑えることが老後資金を延命させる最善手であることは間違いありません。

となれば、老後にまで大きな支出を残さないことが必須となります。

大きな支出として考えられるものが、住宅ローンです。

住宅を購入した場合、大半の人は住宅ローンを組んで購入していることでしょう。

その返済が定年までに終わるかが、老後の生活を考えるうえで大変重要な問題となってきます。

持ち家ではなく、賃貸の場合ならどうでしょう。

大家さんの立場に立って考えれば、高齢者と契約するのは嫌なのではないでしょうか。

高齢者は年金収入のみになる人も多いですから、家賃を支払い続けられるかどうかというリスクがあります。

そして何といっても、若い人に比べれば死期が近いわけですから、所有物件で死なれたら、一歩間違えれば事故物件となってしまいます。

もちろん、今後の日本は大高齢化社会となりますから、大家さんの側も高齢者を拒んでいたら入居者を確保できないという可能性もあり、以前に比べれば高齢者でも賃貸で入居しやすい状況にはなりつつあります。

ただ、どちらにしろ借りる側からすれば、家賃を支払い続けられるかどうかです。

年金がさらに安くなると思われる将来において、毎月数万円の家賃を年金から捻出し続けることができるのかどうか。

このあたりも先日のエントリーの内容を参考にしてもらえればと思います。

年金だけでは生活していけず、生活保護を受けながら賃貸で暮らしている人の実例です。

最後は生活保護を受ければいいという判断にもなるのですが。

生活保護を受けるのは嫌だと言うのであれば、持ち家の所有を目指すことになります。

または、老人ホームなどの施設に入るという選択肢もあるでしょう。

施設に入れば、身の回りのことはしてもらえますし、周囲に人がいることから、孤独な老後を送ることも避けられるかもしれません。

ただし、こちらもお金がかかる話です。

形式もいろいろありますので、費用もピンキリです。

月額数万円から数十万円まで。

また支払い方式も月払いだったり全額前払いだったり。

老人ホームについては、これだけで1つの記事を軽く書けてしまうほどの内容になってしまいますので、詳細はここではやめておきます。

とにかくどんな選択肢を取るにせよ、お金の問題が付きまとう非常に重要な件であることはお分かりいただけたのではないでしょうか。

老後の一人暮らし準備4 健康維持

老後の一人暮らし準備4つめは、「健康維持」です。

長い老後を過ごしていく中で、健康維持はある意味もっとも大事なことかもしれません。

誰もが自分で自立して生活することを望んでいるでしょうが、一生自立して生活できる人はほんの一握り。

最後は介護を受けざるを得ません。

となると、どこまで自立した生活を送ることができるのかが大事になってきます。

これは「健康寿命」とも呼ばれるもので、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

日本人の平均寿命は最新の2017年のデータによると、男性で81.09歳、女性で87.26歳です。

一方の健康寿命はというと、最新の2016年のデータで、男性72.14歳、女性74.79歳です。

平均寿命と健康寿命の間の差が、男性で約9歳、女性では約12歳あります。

ということは、9年から12年は一人で自立して生活できないということを意味しています。

寿命が長くなることは大変ありがたい話なのですが、一方で経済的な問題を引き起こすことも理解しておかなければなりません。

そうでなければ、老後資金で悩むことなどありません。

では、健康寿命を延ばすためにはどうしたらよいのでしょうか?

そこでヘルスケアメーカーでおなじみオムロン様のHPの記事から、健康寿命を延ばすためにどうしたらよいのか、その対策を教えてもらうことにしましょう。

  • 生活習慣病を知って、予防しよう
  • 適切な食生活を目指そう
  • 適度な運動をしよう
  • 十分な睡眠をとろう
  • 禁煙しよう
  • お酒と上手につきあおう
  • 歯・口腔の健康を守ろう

健康対策と言っても、実に幅広いのですが、長い老後に向けて意識したいことは、7番目の「歯・口腔の健康を守ろう」ではないでしょうか。

最近は入れ歯のお年寄りが減ったような印象を受けますが、歯は食べる上で大変重要です。

食べられなければ肉体を維持することもできなくなりますし、生きていくこともできなくなります。

ですから、歯医者に定期的に行って、検査をしてもらうというのも口の中の健康を維持する方法の一つではないでしょうか。

また、40代を過ぎてから知りましたが、一定の年齢に達すると、住んでいる自治体から各種健康診断の案内が届きます。

無料で健康診断を受診できたりしますから、会社の健康診断にプラスして定期的に受診しておくのもよいでしょう。

もちろん毎年人間ドックを受診して、体の隅々までしっかりとチェックしてもらうのが最も効果的でしょう。

特に脳ドックあたりは受けておいたほうがよいかもしれません。

なぜなら、一人暮らしの老後で最も怖いのは、認知症になってしまうことだからです。

自己判断ができなくなり、自分が自分でなくなります。

こうなると、周囲の人にも多大な迷惑をかけることにもなりかねません。

健康維持は全身に渡り意識して行わなければならないのです。

老後の一人暮らし準備5 介護対策

老後の一人暮らし準備5つめは、介護対策です。

これは、先の「4 健康維持」と関連してくる項目になります。

一人で自立した生活が9年から12年はできなくなるということは、これだけの長きにわたり介護のお世話になることを意味しています。

一言で介護と言っても、これまだいろいろあります。

在宅で介護を受けるか、施設に入るか。

また、介護を受ける度合いにもよります。

「要介護1」とか聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

「要介護1」から「要介護5」まであり、徐々に負担が大きくなっていきます。

実は「要介護1」の下に「要支援1」「要支援2」という段階もあり、全部で7段階に別れています。

「要介護1」の時点で、身の回りのことをするのに何らかの介助が必要であったり、自立して歩くのに支えが必要と定義されています。

「要介護5」ともなれば、身の回りのことはおろか、自立して歩くことも、排せつや食事も自分でできない状態です。

最期はほとんどの人が「要介護5」の状態になり、そして死んでいくことになりますから、介護を避けることはできないと言ってもよいでしょう。

介護費用を安く済ませようと思えば、施設ではなく在宅での介護の選択肢になります。

介護にかかる費用は、上記したような介護の状態にもよりますが、平均すると月5万円と言われています。

これが男性であれば9年間続くと仮定すると、5×12×9=540万円かかることになります。

ここで、老後資金2000万円不足問題を思い出してください。

老後資金が2000万円不足するというのは、あくまで普通に生活していく上での話であって、あの試算には介護のことなど含まれていません。

ということは、老後資金が2000万円不足するというのは嘘で、介護も含めて考えると、もっと不足するというのが本当のところなのです。

老後の一人暮らし準備6 生前整理・相続準備

老後の一人暮らし準備6つめは、「生前整理・相続準備」です。

人は必ず最期の時を迎えるわけですが、自分が死んでも、お金や物は残ります。

所有しているお金がピッタリ0円になって死ぬことができれば理想ですが、間違いなくそんなわけにはいかず、大半の人はお金を残して死んでいきます。

「終活」という言葉が定着してきたように、最期に向けた事前準備をしっかりやっておかないと、残された遺族に煩わしい問題を先送りすることにもなり、死んでから文句を言われかねません。

そこで、生きている間に不要なものは極力処分して、ものを減らしておいた方がよいでしょう。

しかも生前整理は、自身の判断力が十分なうちにやっておいたほうがよいです。

認知症になってしまったりしては、もはや残された家族・親族が処分しなければならず、多大な迷惑をかけることになります。

現代的な問題としては、「デジタル遺品」という言葉が出てきています。

要するにパソコンやスマートフォンなのですが、パスワードは自分しか知らないはず。

特に大きな問題となりそうなのが、ネットバンクやネット証券の口座です。

ネットバンクにお金を残して死んだとしても、残された遺族がパスワードを知らなければ、お金を引き出すことができません。

また、一人暮らしなら、口座がどこにあるのかを離れて暮らす家族・親族が知る由もないでしょう。

よって、所有する口座とパスワードはまとめておき、どこにあるのかを誰かに伝えておかないといけません。

仮にそこそこのお金があったとしても、パスワードが分からず、葬儀費用を親族に負担させる事態を招いてしまいかねません。

死んでから文句を言われるなど、本望ではないでしょう。

また、葬式やお墓についての準備も必要です。

どのような葬式を行いたいのか?

どこのお墓に入るのか?

生前のうちに、家族・親族にきちんと伝えておかないと、厄介な問題を残して死んでしまうことになります。

さらに、遺言を書くことも大事です。

お金や不動産といった資産は、誰にどんな割合で相続するのか、ちゃんと遺言を残しておかないと面倒なことになります。

あまり気にしていない人が多いかもしれませんが、醜い相続争いは小さな金額でも起こっています。

もらえる側からすれば、少しでももらえるなら、もらえたほうが得するわけですから、少額でも遺族が揉めることが多いようです。

残された人たちのためにも、遺言は用意しておくべきでしょう。

このように考えると、いわゆる「終活」は広範囲に渡ることが分かります。

特にデジタル遺品については、不慮の事故などがあれば、今すぐにでも起こりうる問題です。

大きな声では言えませんが、あまり人には見られたくない動画などをパソコンに保存しているなんて人も多いのでは?

デジタルについては、老後とは言わず、今からでも対策を立てておくことが大事かもしれません。

まとめ

以上『老後も一人暮らしを続けるならやっておくべき6つの準備』でした。

いかがでしたか?

老後の準備は多岐にわたることがお分かりいただけましたか?

長きにわたる老後の準備は、よりよい老後を迎えるためにも、できるだけ早く始めましょう。

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